読み終わったミステリについてコメント。でも最近は脇道にそれぎみ。 このブログは水樹奈々さんを応援しています。

鯨統一郎「ただいま家事見習い中 - ハウスワーク代行・亜美の日記」 

ただいま家事見習い中 - ハウスワーク代行・亜美の日記ただいま家事見習い中 - ハウスワーク代行・亜美の日記
2018/5/22
鯨 統一郎

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★★★☆☆



 【内容紹介】

 大学生の樋口亜美は、ひょんなことから家事代行会社でアルバイトをすることになった。初仕事は犬の散歩。当日の朝、時計が止まってしまい遅刻をする亜美だったが、誠実な人柄から依頼主の信頼を勝ち取り事なきを得る。しかし後日、亜美が散歩をさせた犬が近所の子供に噛み付き、近隣トラブルに発展しているとの苦情が寄せられた。噛み付いたりしていないと確信する亜美は、このトラブルを解決できるのか――。他二篇。見た目とは違う鋭い推理力の持ち主・亜美が、今日も派遣先で大活躍! 書き下ろし。




 文庫書き下ろし作品です。連作短編集です。新シリーズでしょうか?
 鯨統一郎さんらしい息もつかせぬボケツッコミが陰を潜めていて、まるで人の心を掃除するかのような主人公の亜美の行動に心癒されます。
 亜美は家事見習いの半人前として描かれますが、失敗にはめげず、自分の信念を貫き通す姿には芯の強さがあり、探偵としてのタフさがあります。そのまっすぐな行動が関係者に誤解を招くことがある一方で、悩みや複雑な想いを抱える人間に対しては心を開かせるきっかけにもなっています。人として間違いのない彼女の行動と考えが、ギスギスと歪んでいた関係者たちの人間関係をより良い方向へと向かわせる展開は、一編一編とても読み応えがあります。それぞれのエピソードの末尾で、亜美の日記の「あしたもまたがんばろう」という言葉で一区切り付くのは読後感も良いです。
 キャラクター配置も現代的と言えるかもしれません。非正規社員の亜美が、推理小説におけるヒーローである名探偵として描かれ、ハウスキーパーを雇うほどの裕福な人間の抱える問題を解決してしまう姿は、非正規で働く若者にとっては、推理小説読みの我々とはまた違った「ヒーロー」として映るかもしれません。さらに非正規社員が正社員(第三話のメーカー勤務20年の40代など)の抱える問題に一緒になって取り組み、解決まで導く姿は、格差是正を掲げた安倍政権の「働き方改革」にも繋がります。
 現代社会に即した物語であり、主人公の亜美の行動は多くの人の癒やしにもなると思います。本格ミステリ特有のマニアックさがなく多くの人におすすめできる一冊です。

[ 2018/06/12 19:35 ] 鯨統一郎 | TB(0) | CM(0)

早坂吝「探偵AIのリアル・ディープラーニング」 

探偵AIのリアル・ディープラーニング探偵AIのリアル・ディープラーニング
2018/5/27
早坂吝

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★★★★☆



 【内容紹介】

 賢くて可愛いAI 探偵が悪の組織と本格推理対決。人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。「探偵」と「犯人」、双子のAI を遺して――。高校生の息子・輔は、探偵のAI・相以とともに父を殺した真犯人を追う過程で、犯人のAI・以相を奪い悪用するテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知る。次々と襲いかかる難事件、母の死の真相、そして以相の真の目的とは! ? 大胆な奇想と緻密なロジックが発火する新感覚・推理バトル。




 数学の「ゲーデル問題」を本格ミステリに援用したのが「後期クイーン的問題」ですが、情報科学のことに人工知能(AI)が抱える問題を本格ミステリに援用してみせたのが本書です。最先端情報科学と本格ミステリの融合は、20年位前にすでに、たとえば歌野晶午氏が『ブードゥー・チャイルド』なんかの傑作をものにして(一時期氏の代表作にまでなっていた)いますが、本書のように突っ込んだ部分で本格ミステリと融合を図った例をわたしは知りません。その一点においてのみで本格ミステリファンは本書を読む価値があるし、記憶にとどめておく必要があると思います。

 連作形式が功を奏しており、一作一作、AI探偵が人間の思考に馴染んで成長していく様子が描かれています。その成長を経てからの第五話「AIさんは本当に人の心を理解しているのか」のトリックは見事に決まり、AIとの会話の中で、人間である我々読者を見事に欺いてみせます。テーマとトリックが密接で、読者が騙されることで作品が完成します。また、AI探偵の成長の陰で、じつは主人公も過去を乗り越え成長していることが明らかにされる瞬間は、本格ミステリの驚きを伴って読者の前に示されます。伏線確認に思わずKindleで「あるワード」を検索してしまいました。このように物語とトリックの絡め方が上手く、「探偵の成長」×「連作本格ミステリ」という構造は最近の似鳥鶏氏の傑作『名探偵誕生』を彷彿とさせます。物語性も損なわせない本格ミステリの描き方は若手作家の得意とするところなのでしょうか。ポスト新本格の昨今、こういうのが顕著であるように思われます。

 第一話「AIさんは考えすぎる」はフレーム問題、第二話「AIさんはシマウマを理解できない」はシンボルグラウンディング問題、第三話・第四話「AIさんは人間に限りなく近付く瞬間、不気味になる」「AIさん、谷を越える」は不気味の谷がテーマとして描かれており、AIが仕掛ける殺人工作及び、AIが試みる謎解きが、確実に人間のそれとズレを伴って描かれるのが斬新で、本格ミステリを面白くしています。バカミスっぽく描かれるそれらは、AIにとっては大真面目に考え行動した結果だったりするからです。また犯人AIは推理漫画から学習しているため、「名探偵コナン」のあれや「金田一少年の事件簿」のこれなどを彷彿とさせるシーンが多くあります。よく本格ミステリを読むうえでマニアの方々が古典の「お勉強」は必須である、といったようなことを言いますが、本書の場合は上記の推理漫画を読んでいれば大丈夫です。そういった点では、これまでの「援交探偵」シリーズであるとか、レジに持って行きづらいタイトルの『少女を殺す100の方法』などより断然取っ付きやすく、新潮文庫nexという媒体では最適の作品です。これで早坂氏のミステリの魅力が一気に広がれば良いと一ファンとして思いました。

 本書でAIの題材はやり尽くした感もあるのですが、わたしが知らないだけでまだまだ人工知能ネタはあるのでしょうか。最終話を見ると物語の方はまだ続きそうな感じもしますが…。
[ 2018/06/11 19:10 ] 早坂吝 | TB(0) | CM(0)

映画「プリデスティネーション」 

プリデスティネーションプリデスティネーション
2016/09/16
サラ・スヌーク, ノア・テイラー イーサン・ホーク (出演), マイケル&ピーター・スピエリッグ (監督)

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★★★★☆



 【内容紹介】

 時空(どこ)へ逃げても、追い詰める―
 1970年、ニューヨークの酒場に現れた青年ジョン(サラ・スヌーク)がバーテンダー(イーサン・ホーク)に奇妙な身の上を語り始める―。
 女の子<ジェーン>として生まれ、孤児院で育った"彼"は、18歳の時に恋に落ちた流れ者との子を妊娠。
 しかし、その男はある日"忽然"と姿を消し、赤ん坊も何者かに誘拐されていた。
 そして、出産時の危機から命を救うため、自分は男になったと話す…。
 青年の哀れな境遇に同情したバーテンダーは、自らの驚くべき素性を明かす。
 なんと彼は未来からやってきた時空警察のエージェントだったのだ―。




 『21世紀本格ミステリ映像大全』より。

 本格ミステリ映画としてみた場合、論理的謎解きによる推理を描いたものではなくて、全ての疑問が解決されて最終的に物事が収まるところに収まるプロットの妙を味わうことの出来る作品です。
 「卵が先か鶏が先か」「自分の尾っぽ喰らうウロボロス」といったキーワードを映像作品として完成させてみせた傑作です。結末に至るまでに主人公が話したセリフがことごとく伏線として回収されるのは本格ミステリ的なのですが、逆算的に結末からゼロ地点へ向かっている物語でもあるため、われわれが伏線として捉えていたものがすでに何らかの結果であったりするのが面白いところです。
 余り前情報を入れないで見るのをおすすめします。構造そのものに魅力があるため、アイデアに触れずに魅力を語るのは正直難しいです。ただ、最終的に想像だにしなかった絵が描かれるクライマックスは、本格ミステリファンの琴線に触れることでしょう。ぜひ視聴をおすすめします。




21世紀本格ミステリ映像大全21世紀本格ミステリ映像大全
2018/3/16
千街晶之

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[ 2018/06/10 16:13 ] 【映像】 | TB(0) | CM(0)

小森健太朗「小相撲殺人事件」 

小相撲殺人事件小相撲殺人事件
2018/3/23
小森 健太朗

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★★★★☆



 【内容紹介】

 混迷を極める相撲界に喝!
 天下の奇書『大相撲殺人事件』の続編が電子オリジナルで登場です。

 紙相撲の進化版のようなゲームで博打をしていた男が殺された。
 容疑者は彼の部屋に集まって博打に興じていた面々。殺された男には八百長疑惑がかけられていたのだ。
 炬燵机につっぷしていた男の死体は、右手の指が文庫本『大相撲殺人事件』の表紙に乗っていた。
 はたしてこれはダイイング・メッセージなのか? 御前山の推理やいかに!?




 電子書籍限定発売でしょうか?AmazonではKindle版のみが199円で発売中です。
 作品は短編サイズでサクッと読めます。『大相撲殺人事件』と『中相撲殺人事件』の中継ぎですが、本作をいきなり読んでも問題ありません。
 『大相撲殺人事件』は発売当時に読んで、めちゃくちゃ面白くて色んな人に薦めたんですが、世間の評判はいまひとつ。最近になって注目を集めだして「いまさらかよ」と思っていたのですが、『大相撲殺人事件』が注目を集めたことで続編の「小相撲殺人事件」と『中相撲殺人事件』のリリースに繋がったことを考えると、結果としては良いことだと思います。

 「小相撲」を題材にした本格ミステリで、ダイイングメッセージの謎が中心に据えられています。
 本作では「小相撲」を紙相撲のようなゲームとして描いていますが、ググってみると子供が取る相撲のことを指したり、素人相撲のこと指したり、なんだかいろいろあるみたいです。
 視点の切り替えや図と地の反転といった、ひとつのひらめきで真相まで到達できる鮮やかさが有り、短編本格として上手い具合にできています。クライマックスの犯人探しに関しても、読者対してささやかでも謎解きに参加を促す趣向は素敵だと思います。面白かったです。

[ 2018/06/08 23:39 ] 小森健太朗 | TB(0) | CM(0)

木元哉多「閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室」 

閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室
2018/5/23
木元 哉多

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★★★★☆



 【内容紹介】

 「閻魔堂へようこそ」。閻魔大王の娘・沙羅を名乗る美少女は浦田に語りかける。元甲子園投手の彼は、別荘内で何者かにボトルシップで撲殺され、現場は密室化、犯人はいまだ不明だという。容疑者はかつて甲子園で共に戦ったが、今はうだつのあがらない負け犬たち。誰が俺を殺した?犯人を指摘できなければ地獄行き!?浦田は現世への蘇りを賭けた霊界の推理ゲームへ挑む!




 シリーズ第二作目…ですが、本作で描かれた展開の変化を見ると、前作とワンセットで一作という感じがします。
 シリーズ第一作目の前作では「推理ゲームに敗れれば地獄に堕ちる」という趣向が十分に活かせていませんでしたが、本作では前作では見られなかった少し変わったオチが用意されているエピソードがあります。
 また、最終話「浦田俊矢34歳 会社社長 死因・撲殺」では密室ミステリの新機軸が打ち出されていて、かつて無いほどの高難易度推理ゲームが繰り広げられ、本格ミステリとしての読み応えも十分です。
 物語としての魅力は前作同様色褪せてはいません。「閻魔様の娘が仕掛ける、地獄行きを掛けた推理ゲーム」といったメフィスト賞らしい奇をてらった趣向はあるものの、本作の本当の魅力はそこには無くて、むしろ奇をてらっていない、被害者たちの生き様を描いた素朴な面白さの有る物語の方にあります。本格ミステリとしても、被害者に犯人を推理させるプロットは前作同様面白く読めるし、本作の場合は犯行トリックやロジックにも注力している印象を受けます。トリックという点では最終話「浦田俊矢34歳 会社社長 死因・撲殺」が最強であるのはもちろん、第一話の「武部健二43歳 刑事 死因・刺殺」なんかは3人の容疑者の中から犯人を絞り込むロジックが印象的です。

 まだデビューしたばかりで「メフィスト賞」「ライト文芸」といったイメージが先行していますが、バラエティに富んだ短編を読むと作風の幅は広そうで、引き出しも多そうです。今後はいろんな出版社でいろんな小説を書いてほしいですね。ストーリーテリングと本格ミステリのネタがハイレベルで結合した本書の最終話「浦田俊矢34歳」をみると、必ず大傑作をものにすると思います。そんな予感がします!今後の活躍に期待。

[ 2018/06/08 01:48 ] 木元哉多 | TB(0) | CM(0)

似鳥鶏「名探偵誕生」 

名探偵誕生名探偵誕生
2018/6/1
似鳥 鶏

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★★★★★



 【内容紹介】

 「神様。どうか彼女に幸福を」
 ――王道かつ斬新。
 似鳥鶏が放つ直球の青春ミステリー!

 となり町の幽霊団地に謎の「シンカイ」を見に行く――
 小学4年だった僕は、学校の友だちとささやかな冒険に出た。
 その冒険に不穏が影が差したとき助けてくれたのが、名探偵の「お姉ちゃん」だった。

 彼女のとなりで成長していく日々のなかで、
 日本中を騒がせることになるあの事件が起きる――。




 青春ミステリの大傑作です。
 本格ミステリ大賞にノミネートされた『彼女の色に届くまで』もかなりの力作でしたが、本作はそれを越えてくる勢いを持っています。

 青春ミステリというと、個人的に学園モノをイメージしがちなのですが、本書はその程度の枠には収まっていません。連作形式を取っていて、小学生→中学生→高校生→大学生、と一話ごとに歳を重ねていく主人公の男の子の様子が描かれます。そしてそのそばにはつねに「お姉ちゃん」がいるのです。しかしボーイミーツガール的な狭い世界が描かれているわけでは無いのは第一話目から顕著で、第一話の真相が明らかになった後、主人公(小学生)は社会との距離を感じることになります。そしてその社会的な考えをより身につけているのが「お姉ちゃん」のほうで、主人公(小学生)と「お姉ちゃん」の間に歴然とした差が描かれています。この「差」は人間としての差なのですが、それを本格ミステリ(謎解き)の形式で描いてしまうのがまず凄いし、第一話目でこの「差」を読者に見せつけることで、主人公とお姉ちゃんの立ち位置の違いがはっきり示され、以降の主人公の成長をわかりやすく描くことにも成功しています。
 第一話目において、探偵役を務めた「お姉ちゃん」は正にヒーローです。子どもたちの積年の不思議をズバッと解決してしまうからです。そんな彼女から進級するごとにひとつずつ探偵としての心得を教えてもらった主人公が、第四話ラストで見せた行動には感動するしかありません。名探偵は高い推理力を有するのはもちろんなのですが、「お姉ちゃん」から直接指南を受けたノウハウ以外にも、愛する人のために自分を犠牲にしてしまう想いの強さ(第三話)、人の想いを踏みにじる者を罰する毅然とした態度(第二話)、そしてなによりも弱者に手を差し伸べる優しさ(全てのはじまりの第一話)など、それぞれのエピソードで主人公が見て感じたこれらが、実は主人公にしっかりと身についており、帯にも書かれてある「神様。どうか彼女に幸福を」という探偵としての一言に収束するのは感動的です。
 名探偵の魅力は推理能力だけではありません。かっこよさであったりやさしさであったり、弱者を救済する力であったり、これらの要素は切り離せません。「名探偵」の魅力を完全解剖し、そのばらばらにされた要素を青春小説という形で主人公の成長と共に再結合させてみせた連作巨編です。
 ぜひ読んでほしい一冊です。おすすめします。

[ 2018/06/05 21:29 ] 似鳥鶏 | TB(0) | CM(0)

周木律「暴走」 

暴走暴走
2018/5/25
周木 律

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★★☆☆☆



 【内容紹介】

 鳴り響くサイレン、倒れ伏す人々―最新鋭化学工場の警備員として働く島浦は、突如としてパニックに巻き込まれた。自律型産業ロボットが導入された工場での穏やかな日常は一変し、非常シェルターの外で作業員たちがバタバタ倒れ、死んでいく。いったい何が起きているのか?前線基地で指揮を執る刑事の石倉とともに、島浦は真相解明を目指すが!?原因不明の工場災害に立ち向かう男たちを描く、究極のパニック・エンタメ!




 2015年に単行本で発売されたものの文庫化。
 化学工場の警備員を主人公に据えたパニック小説です。
 工場から垂れ流された化学物質によって、市民が避難を余儀なくされるのですが、そういった大局的な様子はあまり描かれることが無く、むしろ工場(クローズドサークル)に閉じ込められた警備員が工場内の狭いエリアを奔走するといったマクロ的な視点が多いです。また逃げ惑う市民たちよりも、主人公の警備員と、かつて彼と同期だった警察官の友情を描くことに注力している印象を受け、後半に至っては主人公と自律型産業ロボットの一対一のバトル小説と化してしまっており、どこまでも個人を、どこまでも狭く…となんだか災害規模の割にそのスケールを感じさせない内容でした。
 その一方でキャラクター個々を掘り下げているのは事実で、裏切りや再会が各所でふんだんに描かれているのが面白いところです。ただ展開諸々を含め、全てが良く言えば王道で、悪く言えばありきたりなのです。表現が難しいですが、「こういう展開になったら意外だな」といったような、読者が頭で想定する「意外性」の範疇を出ていません。化学物質流出の原因、同期の刑事の身の振り方、レッドヘリングを演じている人間と真犯人の正体、主人公の今後、全てが想定の範囲内で物語が推移するのです。

 「究極のパニック・エンタメ!」と謳われて、この本を手にとった人は何を期待したのか、何を読みたくてこの本を購入したのか、という問題に行き着きます。初めて周木律氏の作品を読んでみよう、という読者は本書を読んでどう思うでしょうか。狭い割には深くもなく、ありきたりな想定内の展開はお約束事的な安心感にもつながるのは分かりますが、読んでいて何も残らない小説は読む意味があるのでしょうか。
 文章は読みやすいので、流行作家になりそうな予感を秘めていますが、これぞメフィスト賞作家!と思えるような、メフィスト賞作家の描く「パニック・エンタメ!」を読んでみたかったですね。
[ 2018/06/04 19:55 ] 周木律 | TB(0) | CM(0)

映画「エビデンス -全滅-」 

エビデンス -全滅-エビデンス -全滅-
2014/02/04
ラダ・ミッチェル (出演), スティーヴン・モイヤー (出演), オラトゥンデ・オスンサンミ (監督)

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★★★★☆



 【内容紹介】

 LAで観光客を乗せ、ラスベガスへ向かう1台のバス。バスは横転事故を起こし、乗客は助けを求めて砂漠の真ん中のガソリンスタンドにたどり着く。しかし、そこに待ち受けていたのは鉄仮面で顔を覆った残虐な殺人鬼バーニング・キラーであった。トーチで次々と生きたままバスの乗客の四肢を焼き切り、巨大バーナーで焼き殺す。
 刑事たちは猟奇的な事件現場から回収された数々の証拠映像から事件の真相に挑む。しかし、それをあざ笑うかのような犯人からの挑発。そして、証拠映像(エビデンス)には想像を絶する“続き…"が待ち受ける。




 『21世紀本格ミステリ映像大全』より。

 これは個人的にはかなりのヒットです。
 タイトルのエビデンスとは「証拠映像」のことを指し、警察では「瞬きしない目」と呼ばれており、事件解決に多大な貢献していることから重要視されています。
 そのエビデンス(証拠映像)を検証し、犯人を特定する様子を描いたのが本作です。

 現場に残された証拠映像には、関係者が集まるところから始まり、そして何者かによって全滅するまでを克明に記録した様子が映っています。映像には手ブレなんかもあって、さながら「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のようなリアルさがあり、どこから犯人が飛び出してくるのかわからない緊張感があります。事件後に証拠映像を検証する、というプロットの映画ではありますが、このようなリアルタイム性が存在しているため、観ていて退屈しません。
 関係者が乗り込んだバスが荒野のど真ん中で事故する発端、電話もネットもつながらない連絡手段の遮断、やむなく退避したガソリンスタンドがクローズドサークルとなり、関係者が一人づつ殺されていく、というシチュエーションが本格ミステリファンの心をくすぐることでしょう。
 オチに関して言えば、登場人物のそれまでの会話を拾っていけば結構直感でも到達できるもので、サプライズとしては弱い感じがしました。しかしそれでもそのラストへ向かうまでのクローズドサークル特有の魅力、そして全編に渡って持続する緊張感、このあたりは映像作品として圧倒的です。

 証拠映像の重要性が逆手に取られることで、ミステリとしてのサプライズに寄与する一方、その証拠としての注目度がストーリーに対してはむしろ密接です。エビデンス(証拠映像)のもつ重要度と注目度といった2つを上手くミステリに絡めた傑作です。




21世紀本格ミステリ映像大全21世紀本格ミステリ映像大全
2018/3/16
千街晶之

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[ 2018/06/03 14:20 ] 【映像】 | TB(0) | CM(0)

福山市立動物園に行ってきました 

IMG_7919.jpg



 こんにちは!
 管理人のウイスキーぼんぼんです。

 福山市立動物園へ行ってきました。福山ミステリー文学新人賞関係のイベントで福山に帰省した時のついでです。
 この福山市立動物園は福山市民の人気スポットです。
 わたしも幼稚園のころ(30年くらいまえ…)写生大会でこの動物園行ったことが有るのですが、じつは今回訪れるのはその時以来です。
 割と最近園内も綺麗になったようで、その様子も観てきました。


[ 2018/06/02 17:38 ] 【おでかけ】 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

ウイスキーぼんぼん

Author:ウイスキーぼんぼん

初めて読んだミステリは『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人)。以来ミステリにどっぷりハマリ中。
「SUPER GENERATION」で水樹奈々さんに興味を持ち「Astrogation」で完全にハマる。水樹奈々オフィシャルファンクラブ「S.C. NANA NET」会員。

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好きな推理作家:島田荘司ゴッド
嫁本:アトポス)
好きな歌手:水樹奈々ちゃん
嫁曲:SUPER GENERATION)
誕生日:ヘレン・マクロイとおなじ
体型:金田一耕助とおなじ

本年度のお気に入り(国内)
御朱印巡り
集めた御朱印です。
(各都道府県参拝した順)
※記事に出来ていない寺社多数です!鋭意執筆中!
※リンクが切れているものは下書き状態です。しばらくしたら公開されます。

【東京】
・靖國神社(その1)
・靖國神社(その2)
・東京大神宮
・浅草寺 御本尊
・浅草寺 浅草名所七福神
・浅草神社
・浅草神社 浅草名所七福神
・今戸神社
・明治神宮(その1)
・明治神宮(その2)
・増上寺
・烏森神社
・神田明神
・乃木神社
・上野東照宮
・波除稲荷神社
・富岡八幡宮

【神奈川】
・鶴岡八幡宮
・建長寺
・高徳院(鎌倉大仏殿)
・長谷寺

【愛知】
・熱田神宮
・一之御前神社、別宮八剣宮
・真清田神社
・大神神社
・大須観音

【大阪】
・大阪天満宮
・豊國神社
・四天王寺
・住吉大社
・坐摩神社
・法善寺
・難波八阪神社
・道明寺天満宮
・一心寺
・安居神社
・生國魂神社
・生國魂神社 干支(申)
・生國魂神社 干支(酉)
・生國魂神社 干支(戌)
・三光神社
・玉造稲荷神社
・今宮戎神社
・方違神社
・難波神社
・露天神社(お初天神)
・太融寺
・大鳥大社
・石切劔箭神社
・枚岡神社
・慈眼寺
・久安寺

【京都】
・鈴虫寺(その1)
・鈴虫寺(その2)
・松尾大社(その1)
・月読神社
・天龍寺
・御髪神社
・常寂光寺
・二尊院
・野宮神社
・下鴨神社(賀茂御祖神社)
・河合神社(下鴨神社摂社)
・盧山寺
・梨木神社
・白雲神社
・護王神社
・御霊神社
・下御霊神社
・平安神宮
・銀閣寺(慈照寺)
・金閣寺(鹿苑寺)
・龍安寺
・八坂神社
・八坂神社 美御前社
・八坂神社 又旅社
・八坂神社 冠者殿社
・八坂神社 青龍
・八坂神社 祇園御霊会
・伏見稲荷大社 本殿
・伏見稲荷大社 奥社奉拝所
・伏見稲荷大社 御膳谷奉拝所
・三十三間堂
・養源院
・東福寺
・建仁寺
・南禅寺(その1)
・南禅寺(その2)
・永観堂(禅林寺)
・北野天満宮
・北野天満宮 宝刀展限定「鬼切丸」
・大将軍八神社
・法輪寺(達磨寺)
・妙心寺
・妙心寺 退蔵院
・仁和寺
・建勲神社
・晴明神社
・御金神社
・八大神社
・豊国神社
・由岐神社
・鞍馬寺
・貴船神社
・六道珍皇寺
・六道珍皇寺 六道まいり
・六波羅蜜寺 都七福神
・安井金比羅宮
・知恩院 徳川家康公四百回忌
・青蓮院門跡
・青蓮院門跡 近畿三十六不動尊霊場
・粟田神社
・鍛冶神社(粟田神社末社)
・東寺
・上賀茂神社(賀茂別雷神社)
・大徳寺 本坊
・大徳寺 高桐院
・今宮神社
・妙顯寺
・三千院 御本尊
・三千院 西国薬師四十九霊場第四十五番
・三千院 聖観音
・実光院
・勝林院
・宝泉院
・寂光院
・宝厳院
・大覚寺
・清涼寺
・祇王寺
・化野念仏寺
・落柿舎
・城南宮
・飛行神社
・石清水八幡宮
・岡崎神社
・長岡天満宮
・平野神社
・法金剛院
・高台寺
・清水寺
・宝蔵寺 阿弥陀如来
・宝蔵寺 伊藤若冲
・勝林寺
・平等院 鳳凰堂
・宇治神社
・宇治上神社
・智恩寺
・元伊勢籠神社
・眞名井神社
・梅宮大社

【奈良】
・唐招提寺
・薬師寺 御本尊
・薬師寺 玄奘三蔵
・薬師寺 吉祥天女
・薬師寺 水煙降臨
・東大寺 大仏殿
・東大寺 華厳
・東大寺 二月堂
・春日大社 ノーマル
・春日大社 第六十次式年造替
・興福寺 今興福力
・興福寺 南円堂
・如意輪寺
・吉水神社
・勝手神社
・金峯山寺
・吉野水分神社
・金峯神社
・法隆寺
・法隆寺 西円堂
・中宮寺
・法輪寺
・法起寺
・元興寺
・橿原神宮
・橘寺
・飛鳥寺
・飛鳥坐神社

【和歌山】
・総本山金剛峯寺
・高野山 金堂・根本大塔
・高野山 奥之院
・高野山 女人堂
・熊野那智大社
・青岸渡寺
・飛瀧神社
・伊太祁曽神社
・國懸神宮
・紀三井寺

【滋賀】
・比叡山延暦寺 文殊楼
・比叡山延暦寺 根本中堂
・比叡山延暦寺 大講堂
・比叡山延暦寺 阿弥陀堂
・比叡山延暦寺 法華総持院東塔
・比叡山延暦寺 釈迦堂
・比叡山延暦寺 横川中堂
・比叡山延暦寺 四季講堂(元三大師堂)
・三尾神社
・三井寺 金堂
・三井寺 黄不動明王
・近江神宮

【兵庫】
・生田神社
・廣田神社
・西宮神社
・湊川神社
・走水神社
・千姫天満宮
・男山八幡宮
・水尾神社
・兵庫縣姫路護國神社
・播磨国総社 射楯兵主神社
・甲子園素盞嗚神社
・北野天満神社

【岡山】
・吉備津神社
・吉備津彦神社

【鳥取】
・白兎神社
・宇倍神社
・聖神社
・鳥取東照宮(樗谿神社)

【広島】
・吉備津神社
・素盞嗚神社
・草戸稲荷神社
・明王院
・出雲大社 福山分社
・沼名前神社(鞆祇園宮)
・福禅寺(対潮楼)

【徳島】
・大麻比古神社

【福岡】
・太宰府天満宮
・筥崎宮(筥崎八幡宮)
・住吉神社

【沖縄】
・波上宮

■朱印帳■
・京都五社めぐり
・高野山 開創1200年記念霊木朱印帳
・平安神宮 御朱印帳
・全国一の宮御朱印帳
・住吉大社 御朱印帳
・建仁寺 御朱印帳
・今戸神社 御朱印帳
・大将軍八神社 御朱印帳
・晴明神社 御朱印帳
・東寺 御朱印帳
・明治神宮 御朱印帳
・大阪市交通局 オオサカご利益めぐり御朱印帳
・北野天満宮「宝刀展」記念朱印帳
・熊野那智大社 御朱印帳

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2016年の水樹奈々さん
ハーイ!ハーイ! ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!