読み終わったミステリについてコメント。でも最近は脇道にそれぎみ。 このブログは水樹奈々さんを応援しています。

2016年度のマイベストミステリ(国内) 

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大阪城公園のもみじ




 2016年ももう11月!
 「早いものですね~もう一年!(むさしのCMっぽく)」←広島の人にわかるネタ


 今年もあまりミステリは読めていないのですが、ミステリ系ブログの管理人として、本年度2016年度のマイベスト5を発表したいと思います!2015年11月~2016年10月に刊行された新作国内ミステリのベスト5です!



【5位】
玩具の棺

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【4位】
あなたのための誘拐






【3位】
亡者は囁く






【2位】
日曜は憧れの国






【1位】
猫には推理がよく似合う




 以上です!
 5作品並べるだけで終わるのですが、大げさに盛り上げていきます。
 わかりやすくするとこんな感じです↓


 1位「猫には推理がよく似合う」
 2位「日曜は憧れの国」
 3位「亡者は囁く」
 4位「あなたのための誘拐」
 5位「玩具の棺」



 福ミスびいきでもツイッターアカウントを持っている作家びいきでもありません。面白かった順に並べたらこんな感じになりました。
 ブログに感想をアップしていない本ばかりになったのはご容赦下さい。ここでコメントします。


 5位「玩具の棺」
 創作集団「止まり木館」による作品集。これは商業誌ではなく、今年の第四回文学フリマで頒布されていた同人誌です。
 短編が7編収録されています。いずれもプロデビューしていない方の作品なのですが、むしろ本書ではそれが良い方向に作用しています。
 書き手のプロフィールによると大学のサークル(推理小説研究会と思われる)に所属している方が多いようで、推理作家の円居挽氏とも交流があるところを見ると、それだけで期待できます。
 同人誌だからこその自由度がある一方で、トリックやロジックにこだわっている姿勢が、本格ミステリに対して真面目な印象をうけました。中には何度読んでもイマイチイメージできない仕掛けもあったりしたのですが、本書から感じる熱の前ではそれは瑣末な問題です。個人的にお気に入りは「完全密室 ―数角館の殺人―」です。綾辻行人氏の十角館のリスペクトを感じる作品で、今の大学生にも新本格第一世代の作品が愛されているのだなと、感じると同時に、本書からにじみ出て来る「新本格大好き!」という想いが好きです。結局最後の一撃、すさまじいフィニッシングストロークがやりたかっただけちゃうんか、というツッコミの余地もあって、さすが関西の書き手です。
 なお、今後amazonでダウンロード販売をするという話を小耳に挟んだので、それが実現すればぜひ読んでみることをおすすめします。面白いですよ。


 4位「あなたのための誘拐」
 本業がお医者さんの福ミス作家、知念実希人氏による長編作品。ソリッドシチュエーションサスペンスという触れ込みで刊行された作品です。
 いったい本業の合間にいつ書いているのか、というほどの刊行ペースですが、その割にクオリティが低くないのには注目です。
 知念先生のメインフィールドのメディカルミステリーではないのですが、作者らしさはあります。リーダビリティーが本書では上手く機能しています。
 作者のリーダビリティーの高さはすでに周知のことと思いますが、それによって加速させた物語がサスペンスをより強固にさせているだけでなく、わかりやすさという点でも本格ミステリとしての完成度を高めています。加速した物語の中に、非常に目立つ形で犯人特定の手掛かりを配置して、読者の目に焼き付けさせる術が大変上手いのです。一気読み必至の作品でありながら、その重要な手がかりを読者は見逃すことは無いでしょう。それをもとに組み立てられる終段の謎解きで背負投を食らうことになるはずです。
 ロジックの量が過度に多くなってサスペンス性を妨げることがない一方で、厚みは薄いながらも切れのあるロジックで本格特有の感動が味わえます。地下アイドルをめぐるロジックです。何故?がひとつずつ解決解決されることで真の黒幕が暗がりの中から現れる終盤が背筋がぞくぞくします。ロジックの「静」とサスペンスの「動」が見事に融合した傑作です。


 3位「亡者は囁く」
 福ミス作家の吉田恭教氏の作品。「可視える」の続編です。
 地味なほどの足の捜査が大半をしめます。一人の女性の探偵依頼に端を発する物語は、複数の事件を浮かびあがらせ、人間関係を複雑に絡ませます。捜査活動によって少しずつ少しずつ謎が解きほぐされてゆく、じっくり読める探偵小説です。
 派手さはありませんが、こういった探偵小説は好きです。最近、特に新人や若手の推理作家の作品に特殊舞台、奇をてらったトリックなどが多く見られる印象を受けますが、その中でこのような本格で勝負する作者は貴重といえます。
 しかし、本書の眼目はその足の捜査ではありません。オリジナリティあふれる仕掛けは終盤に用意されています。ひたすらに現場へ通い、事件関係者のもとを訪れて、足を使って事件を解決へと導くのですが、何の冗談か○○の無い者がクライマックスに待ち受けているとは思いませんでした。まるで落語のようなオチです。びっくりしました。
 本書刊行後に同じネタを使用したミステリが他の作家によって刊行されました。しかし、サプライズだけでなく、足の捜査を思いもよらない形でラストのオチへ結びつけた、物語全体をある意味ひっくり返すような着地を見せた本書の方を個人的には推したいです。


 2位「日曜は憧れの国」
 円居挽氏は「ルヴォワール」シリーズなど、ヒーローvs悪の構図を描くのが上手くて、そういったのが作者らしい作品だと思うのですが、本書にはそんな「相手を打ち負かしてやる!」といった趣向は見えません。
 登場人物それぞれ違っていて、それぞれの好みがあり、それぞれの価値観を持っていています。そんな彼女らが一緒になっていくつかのカルチャースクールで講義を受け、ひとつの輪で結ばれます。このような過程を経たあとで描かれる最終話は感動的で、たいへんまとまりが良いです。幾つもの価値観は、複数の推理を生み出して相手を打ち負かして行くのではなく、それぞれの個性が手を取り合い事件を解決まで導くのです。
 複数の人間が集まって事件を解決するという骨格は、いわゆる多重推理モノと同じなのかもしれませんが、本書で描かれるプロセスはそれとは異なります。あの子に出来ないならわたしがカバーする、といった事件解決への情熱が友情を描いていて青春小説としてもミステリとしても面白い作品です。


 1位「猫には推理がよく似合う」
 福ミス作家、深木章子さんの作品。
 猫と会話できる世界、というファンタスティックな世界で事件が発生します。といっても舞台は弁護士事務所で、日常的な作品世界ではあります。
 奇想と解決が良い形で結びついていて、あり得ない世界を説得力のある地に足の着いた謎解きで解決するのは、作者らしいところといえます。謎解きが逆に謎を呼んでしまうトリッキーな構成と、四方八方へと広がる高密度ロジックが読者を翻弄し、読んでいる最中わくわくしっぱなしの本格ミステリです。猫に対する家族のような愛が、時として犯人特定の決め手となるだけでなく、犯行動機の生成にも関わっており、このようなミステリとして統一感のある趣向も練られています。
 作者の作品の中でも上位の作品と思われます。本作でいままで逃し続けてきた本格ミステリ大賞を受賞していただきたいな~、なんて思ったりします。



 というわけで以上5作品がマイ・ベスト5です。

 今年はSONYから PSVRが発売され、売れ行きもよく、まさにVR元年といっても良い年だと思います。
 そのような年に、VRヘッドセットを利用した第8回福ミス優秀作『僕のアバターが斬殺ったのか』や『アリス・ザ・ワンダーキラー』が刊行されたり、またさらに乱歩を現代に新たな形で蘇らせた『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』が刊行されたりと、時代を象徴するようなミステリが続々と登場したのも印象深いです。

 このように5作品挙げると、その他の作品が面白くなかったのではないか?という印象を与えかねないのですが、それは全くの誤解です。読んだ本全て面白かったです。2016年面白い本格ミステリをありがとうございました。来年も楽しみにしています。

 あ、ちなみに海外ミステリのマイベストはカミの『ルーフォック・オルメスの冒険』です。これっきゃないでしょ~。

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[ 2016/11/07 20:00 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

ウイスキーぼんぼん

Author:ウイスキーぼんぼん

初めて読んだミステリは『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人)。以来ミステリにどっぷりハマリ中。
「SUPER GENERATION」で水樹奈々さんに興味を持ち「Astrogation」で完全にハマる。水樹奈々オフィシャルファンクラブ「S.C. NANA NET」会員。

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好きな推理作家:島田荘司ゴッド
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本年度のお気に入り(国内)
御朱印巡り
集めた御朱印です。
(各都道府県参拝した順)
※記事に出来ていない寺社多数です!鋭意執筆中!
※リンクが切れているものは下書き状態です。しばらくしたら公開されます。

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・靖國神社(その2)
・東京大神宮
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・浅草寺 浅草名所七福神
・浅草神社
・浅草神社 浅草名所七福神
・今戸神社
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・明治神宮(その2)
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【岡山】
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【鳥取】
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・聖神社
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【広島】
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【徳島】
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【福岡】
・太宰府天満宮
・筥崎宮(筥崎八幡宮)
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【沖縄】
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■朱印帳■
・京都五社めぐり
・高野山 開創1200年記念霊木朱印帳
・平安神宮 御朱印帳
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・大将軍八神社 御朱印帳
・晴明神社 御朱印帳
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・明治神宮 御朱印帳
・大阪市交通局 オオサカご利益めぐり御朱印帳
・北野天満宮「宝刀展」記念朱印帳
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