読み終わったミステリについてコメント。でも最近は脇道にそれぎみ。 このブログは水樹奈々さんを応援しています。

青崎有吾「水族館の殺人」 

水族館の殺人水族館の殺人
(2013/08/10)
青崎 有吾

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★★★☆☆



 【内容紹介】

 夏休みも中盤に突入し、風ヶ丘高校新聞部の面々は、「風ヶ丘タイムズ」の取材で市内の穴場水族館に繰り出した。館内を館長の案内で取材していると、サメの巨大水槽の前で、驚愕のシーンを目撃。な、なんとサメが飼育員に喰いついている!駆けつけた神奈川県警の仙堂と袴田が関係者に事情聴取していくと、すべての容疑者に強固なアリバイが…。仙堂と袴田は、仕方なく柚乃へと連絡を取った。あのアニメオタクの駄目人間・裏染天馬を呼び出してもらうために。平成のエラリー・クイーンが贈る、長編本格推理。




 本格ミステリの若きホープ、青崎有吾さんの第二作目です。
 前作に引き続くシリーズものの第二弾でもあり、探偵役を務めるのがすっかりおなじみの裏染天馬くん。

 前作は最初から最後まで学校の中が舞台で、事件の容疑者や探偵サイドのほとんどが高校生でした。このような、誰もが経験したことのある学校生活に終始していたので、作者の年齢も鑑みて、いったいどのくらいの見聞の広さがあるのか未知数であると同時に、狭い世界の物語しか書けないのではないか、と心配になりましたが、本作ではその点は少し克服されていました。なんといっても今回は学校を飛び出して水族館が舞台です。
 水族館の職員さんたちが事件の被害者および容疑者となり、完全に他人のフィールドに首を突っ込んでの探偵活動となります。それゆえにかクライマックスで裏染が真犯人と2人っきりになってこっそり犯行動機を抉り出すのは探偵なりの配慮でしょうか。
 衆人環視の中でサメに被害者を食わせる、という派手さに富むシチュエーションは前作を凌駕していますが、しかし見せ場を不可能トリックの独創性に注力しているわけでは無く、アリバイ崩しによるロジックの構築と犯人特定のフーダニットにこだわっている点は極めて好感触です。あいかわらず消去法推理は小慣れている感があります。
 しかし謎解きは良くも悪くも教科書的で模範的。丁寧に積み木を積むことは美しさにつながりますが、個人的には、どこかのタイミングでアクロバットをやって欲しいという思いもあります。本作で描いた消去法推理なんか、手がかりの提示の度に段階的に犯人を追い詰められるので、本来なら容疑者を一人削るごとに見せ場(盛り上がり)か来てもおかしくないのです。このあたりはキャリアの問題でしょうか。たとえば有栖川有栖さんなんかは、読者が何を見てどう考えるか、を完全に把握してミスリードを掛けている(最近では「菩提樹荘の殺人」あたり)ので、クイーン的趣向の観点で言えば、犯人が関係者を手玉にとるだけでなく、作者の青崎有吾さんが読者の考えをコントロールするくらいの勢いがあっても良いと思います。

 ともかく本格ミステリの筋は抜群い良いと思うので、ここらへんは時間が解決しそう。
 作者は書きまくって、はやく大成して欲しいと思います。


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「水族館の殺人」の影響で水族館に行ってきた(^o^)

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[ 2013/10/01 23:02 ] 青崎有吾 | TB(0) | CM(0)
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ウイスキーぼんぼん

Author:ウイスキーぼんぼん

初めて読んだミステリは『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人)。以来ミステリにどっぷりハマリ中。
「SUPER GENERATION」で水樹奈々さんに興味を持ち「Astrogation」で完全にハマる。水樹奈々オフィシャルファンクラブ「S.C. NANA NET」会員。

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