読み終わったミステリについてコメント。でも最近は脇道にそれぎみ。 このブログは水樹奈々さんを応援しています。

鯨統一郎「新・世界の七不思議」 

・出版社/メーカー:東京創元社
・定価:¥735
・発売日:2005/02/24
・メディア:文庫

★★★★☆

 来日中のペンシルベニア大学助教授ジョゼフ・ハートマンは早乙女静香と京都へ旅行をしようとしてはキャンセルの憂き目に遭い、毎晩うらぶれたバーで飲むことに。しかし、バーテンダー松永の供する酒肴に舌鼓を打ちつつ聞く宮田六郎と静香の歴史検証バトルは、不満を補って余りある面白さだった!

 ミステリーズに連載された作品で本になるのはこの作品がはじめてかな?
 探偵役の宮田六郎が歴史の知識をあまり持ってないので、読者も歴史に詳しくなくても楽しめるという何とも親切な作り。というか、色々知識が入る。「万里の長城はその全てを始皇帝が作ったわけじゃない」とか知らなかったし(;´Д⊂)
 姉妹編の「邪馬台国はどこですか?」と直接的なつながりがないので、世界史好きはこっちから読んでも問題ない。
 それにしても、懐かしい面々に再開できたのは何かうれしいね。バーもなんかハイテク化してるし。登場人物みんなカクテル噴きまくりだし(笑)
 強引ながらも世界の不思議について一応納得できる説明をつけているのが凄い。たとえば収録作の「ノアの方舟の不思議」で言えば、伝説から日本の民話との共通項を発見し、さらにそこから逆に伝説の真実を探り出すという推理のプロセスがなかなか。
 強引でも、キレイな説明が付いたときの快感はたまらない。そういう点では「始皇帝の不思議」が一番好きだな。
 ただ、どの短編も「人海戦術」「宇宙人説」「巨大な意味がない」など推理の過程が同じルートを通りがちだったのが残念。

 amazonのレビューで「強引過ぎる」とおっしゃってる方がいるが、この連作は強引だから面白いのであって、真面目な解釈は学者さんにでも任せていれば良い。
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[ 2005/02/28 23:31 ] 鯨統一郎 | TB(0) | CM(0)

渡辺剣次「ミステリイ・カクテル」 

・出版社/メーカー:講談社
・定価:
・発売日:1985/07
・メディア:文庫

★★★★☆

 推理小説のすべてを興味深く解説した名著。密室、脱獄、一人二役、死体隠匿、アリバイ崩し、凶器、暗号、時刻表など、ミステリイの多彩なテーマについて、内外の名作を引例しながら解析する本格的なガイドブック。各種のベストテン選定及び詳細な索引つき。この一冊でミステリイ・トリックのすべてがわかる!

 簡単に言えば渡辺剣次版「類別トリック集成」
 国内外の有名作のトリックに触れながらの解説はもちろんのこと、いわゆる「第2.5の波」の作家の作品(の一部)のトリックまでフォローしてくれてる。ラヴゼイやデクスターの作品の分類も少しあり。

 こうやって見てみると有名作でも結構読んでないのがあるなと実感。
 1945年以前の作品をすべて棚上げして、それ以降の海外ベストを選出する試みがなかなか面白かった。ロスマクから「ウィチャリー家の女」を選ぶかぁ。「さむけ」より面白いのかな。(実はロスマクは「さむけ」しか読んでないw)
 そして何より興味深かったのは、江戸川乱歩未完の作「悪霊」のメイントリックが何になる予定だったか分かったこと。横溝正史と都筑道夫の対談で横溝が口にしたようだが、あのトリックをフェアに成立させるには、そりゃ描写に気をつけなければならなかっただろう。「矛盾が生じ、それを克服できなかった」と乱歩自身言っているが、仕方なかったかも。
[ 2005/02/27 17:54 ] 渡辺剣次 | TB(0) | CM(0)

アラン・グリーン「くたばれ健康法!」 

・出版社/メーカー:東京創元社
・定価:¥609
・発売日:1961/07
・メディア:文庫

★★★☆☆

 全米に五千万人の信者をもつ健康法の教祖様が、鍵のかかった部屋のなかで死んでいた。背中を撃たれ、それからパジャマを着せられたらしい。この風変わりな密室殺人をキリキリ舞いしながら捜査するのは、頭はあまりよくないが、正直者で強情な警部殿――!?アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞に輝く、型破りなユーモア本格ミステリの名作!

 結構名前を聞く作品なので読んでみた。
 密室モノではあるが、密室トリックで名前を残してるのでは無いっぽい。
 紹介文には“ユーモア本格”とあるが訳文のせいかあんまりユーモア感は無かった。もっとも、真相は非常にユーモアあるものだが。

 誰が犯人であるかはドラムボーの証言と、プールで見えた閃光とで目星は付いたが、その他の謎――二度プールで拾われる空薬莢・スリッパ・穴の空いてないパジャマ――の真相は全然分からんかった。
 しかし、それらが「体操のポーズ」一つですべて説明がつくのだから凄いよなぁ。それを成立させる舞台でもあるが、その意外にも「規則によって皆が何をしていたかが分かる」という要素もあってなかなか上手い。

 密室の謎の他にもラブレター紛失事件、遺産問題なんかが絡んできて面白かった。終盤のジョンとアーサーによる、いろんな人を犯人に据えた幾つもの推理も良かった。すこし多重推理的なラスト。
 MWA賞受賞作だけあって、トリック一発モノの単なるバカミスに終わってないのはさすが!
[ 2005/02/26 16:31 ] アラン・グリーン | TB(0) | CM(0)

山口雅也「続・垂里冴子のお見合いと推理」 

・出版社/メーカー:講談社
・定価:¥600
・発売日:2004/08
・メディア:文庫

★★★☆☆

 お見合いは、いつも事件と共に
 見合いの度に怪事件が発生し、破談になってしまう和風美人の垂里冴子。続編でも4回のお見合いに4つの事件がついてきた。老舗旅館に出没する幽霊の正体、肌が荒れるエステティック、七福神盗難事件、象の靴の謎。史上最も縁遠い美人名探偵の活躍が心地よい極上の連作ミステリー。好評にお応えしての第2弾!

 正編の「垂里冴子のお見合いと推理」を読んだのがずいぶん前なので、登場人物やら大枠やらほとんど忘れてた。はじめに収録されている「湯煙のごとき事件」で冴子は過去に篠山荒野という作家とお見合いをしているみたいな事実があるらしいが、思い出せない。
 正編が手元に無いので、それを読み返さずに本作を読み始めたが何も問題なかった。人見合子が《お見合い界の孤高のハンター》と呼ばれているだの、冴子がお見合いをするたびに事件が起こるだのというのは、作品毎に説明されているので助かった。

 キッドピストルズシリーズのようなSF設定ではなく「生ける屍の死」のように重厚でもない。ライトでユーモアあふれる作品。その中でも垂里空美がなかなかいいキャラをしていた。作品のユーモアを一手に引き受けているといっても過言ではない。ナオミネタはとても懐かしかったw
 各短編の出来も良く、人の心が招いた事件が多くて、ラストで伏線が活きるのが良い。特に「薫は香を以って」の「生きようとすればするほど老いていき、他人をきれいにすればするほど自分が老いてゆく」という皮肉が印象に残る。
 最近出た「PLAY 」にもいえるが、トリックにあまり頼らずこういうミステリが書けるなんてすごい!
[ 2005/02/24 21:58 ] 山口雅也 | TB(0) | CM(0)

二階堂黎人「バラ迷宮」 

・出版社/メーカー:講談社
・定価:¥600
・発売日:2000/01
・メディア:文庫

★★★☆☆

 人間大砲の轟音とともに、舞台にバラバラ死体が降り注ぐ「サーカスの怪人」。被害者は必ず顔面の皮をはがされ、頭部を持ち去られる「喰顔鬼」。火の気のない密室で、人間が突如発火し、焼死する「火炎の魔」。複雑怪奇な6つの殺人事件を、名探偵・二階堂蘭子が鮮やかに解き明かす、趣向に満ちた本格推理傑作集。

 6作品中4作品が密室殺人を扱ったもの。しかし、最後の「薔薇の家の殺人」は毒殺事件だが、衆人監視の中での殺人という点では広義の密室に分類されるかも。
 「サーカスの怪人」は、たぶん読者は早い段階で真相の大枠が見抜けると思うが、その細部までは難しいだろう。そのトリックの成立を支えているものと“サーカス”という舞台が上手くリンクしていて面白かった。いかにも江戸川乱歩な雰囲気も良い。
 「変装の家」は伏線の張り方がとても自然。些細な描写だが説得力抜群。
 「喰顔鬼」は怪奇趣味が濃厚で、死体の描写がなかなかグロイ。顔を喰われた死体というのもちゃんと説明されるが、あんなに上手くいくかな?
 「ある蒐集家の死」はダイイングメッセージの謎を解く話。密室トリックは出てこないがロジック満点で面白かった。ダイイングメッセージの意味→真相という単純な構造ではなく、あくまでロジックの補完程度の存在が良い。終盤の探偵の焦らし具合や手の内の明かし具合が絶妙で、まさに名探偵!
 「火炎の魔」は密室内での人体自然発火という不可能犯罪。事件発生時は夜なので太陽光にも期待できないという、舞台設定への念の入れよう。酸素濃度の高くなった室内でのリンの燃え具合が良く分からないが「リンが燃え上がり、その火が、机の前にすわっていた一恵さんの体に燃え移った」というふうに上手くいくかな?人体が燃え上がる程までなるかどうか。
 「薔薇の家の殺人」は過去の毒殺事件を名探偵が解決する話。パズラー+毒殺みたいな感じ。さりげない伏線やどんでん返しが見事に決まっていて、作者が密室トリックだけではないことを証明した作品だと思う。
 トリックを暴けば即解決というのではなく、プロットの素晴らしいものが意外と多くて驚いた。
[ 2005/02/23 20:59 ] 二階堂黎人 | TB(1) | CM(0)

有栖川有栖氏「アナザーコード」を語る! 

ユースケ・サンタマリアさんのCMでおなじみのNDSソフト「アナザーコード」を有栖川有栖氏がいろいろと語ってますよ!(くわしくはTouch-DS.jpを参照のこと)

コンセプトムービーを見たけど、このゲームなかなか面白そう。
紙(タッチパネル)の上で鉛筆シャカシャカやって文字を浮かび上がらせたり、2つの視点(画面)で現場を見たり。
ハードがNDSになったことで新しい面白さが体験できそう。P●Pでは、こういう新しさは期待できなそうだし。
[ 2005/02/21 21:11 ] 【ゲーム】 | TB(0) | CM(0)

二階堂黎人「ユリ迷宮」 

・出版社/メーカー:講談社
・定価:¥600
・発売日:1998/03
・メディア:文庫

★★★☆☆

 バイカル湖近くの豪壮な館が吹雪の中で忽然と消えてしまうトリックの見事な「ロシア館の謎」。コントラクトブリッジのパーティーという衆人環視の中で殺人が行われる「劇薬」。誰も入れない密閉状態の新築高級マンションで殺人事件が起きる「密室のユリ」の計三篇。名探偵・二階堂蘭子の推理が冴える初の短篇集。

 エラリー・クイーンの「神の灯」と同じ“家屋消失”テーマのミステリ、三重密室、カードゲームミステリと特徴的な事件を扱ったものばかり。
 収録作の中で一番面白かったのは、やはり「劇薬」かな。二階堂氏お得意の密室殺人事件は起こらないが、クリスティーの「三幕の殺人」のような事件が発生する。途中でコントラクト・ブリッジのルールの説明がされてて、「ひらいたトランプ」のよう(クリスティー文庫版ではルール説明は無くなったが、HM版にはあった)。そして、カードゲームの進行具合から犯人を特定するのはまさに「カナリヤ殺人事件」!
 巧みなミスリード、数々の伏線と論理的な推理、意外な犯人にどんでん返しの連続と全てを具えている。
 「ロシア館の謎」は豪快なトリックと雰囲気が良いし、「密室のユリ」は三重の密室の謎が、犯人を指摘した瞬間氷解するところが気持ちいい。
[ 2005/02/21 20:53 ] 二階堂黎人 | TB(1) | CM(0)

氷川透「見えない人影」 

・出版社/メーカー:徳間書店
・定価:¥860
・発売日:2005/01
・メディア:新書

★★☆☆☆

 無気力な主人公・栗林晴美の周りで起こったサッカー部員の謎の失踪。そして、発生する殺人事件。自殺の線は考えられないとして桑折亮はあの人に相談しようという。そうあの人とは用務員の各務原氏だった。
各務原氏の逆説第二弾!

 ずいぶん軽いミステリ。表紙イラストや各章の頭に倉木麻衣の「always」を引用するあたり、若い読者層をねらった作品だと思う。
 軽いノリで物語を進めるのはいい。いや、サッカー部員が殺害されて「フォワードの柱がいなくなって戦力がダウンした」としか考えない登場人物も不気味だったりするが、そこはまあ良いとして、肝心のロジックはしっかりしたものが欲しかった。
 各務原氏が見た人影については、夜の見まわりの時、女子更衣室をのぞいた時点で気づいてないとおかしいし、ラストに「何年も自分の姿を鏡で見たことが無かった」といっても鏡の存在に気が付かなかった理由にはならない(『人影=自分自身』に気づかなかった理由にはなるが、等身大の鏡に気づかなかった理由にはならない)。仮にそれを真相とするならもっと説得力の増すような(納得できるような)伏線が張られてしかるべきだろう。
 あと、何か双子に関する記述もおかしかった。“目の前の沢村兄弟の場合、利き足がちがうのだから、一卵性でないことは明白だ。”という箇所。一卵性双生児の遺伝情報は同一であるというのは良い。だが、一卵性双生児は両者とも利き腕が同じというのはとんだ間違い。一卵性双生児だからこそミラーイメージといって、左右対称になることが良くある。
 さらにはテル殺しの動機。「双子のどちらか片方がもう一方に対して、その能力を自分も欲しいと思う」とあるが、残念ながら共感できなかった。こういうのは年の離れた兄弟の方に生じやすい心理ではないか?特にサッカーの場合は、左と右のバックに分かれて同じフィールドでプレーすることを望むのではないか。(「キャプテン翼」の立花兄弟みたく)
 これらは登場人物のミスといえばそれで終わってしまうのであれだが、この点を抜きにしてもロジックは弱いと思う。「知っているはずのことを知らないフリをした」にしろ「知っているはずの無いことをなぜだか知っていた」にしろ、それらをロジックによる推理の最終地点にするのはちょっとなぁ。


 色々不満たらたらに書いたが、チェスタトンの「逆説」にとっつくにはとっつきやすい本だと思う。事件や人物関係も複雑でないので、難しいこと考えずに読める。
[ 2005/02/20 22:04 ] 氷川透 | TB(0) | CM(0)

スタンリイ・エリン「最後の一壜」 

・出版社/メーカー:早川書房
・定価:¥1,575
・発売日:2005/01
・メディア:単行本

★★★★☆

 短編の名手スタンリイ・エリンの作品を15話収める。ちなみにエリンが生涯生み出した短編は全部で35編でそのほとんどがエラリー・クイーン・ミステリ・マガジンに発表されたもの。
 この短編集に収められた短編はどれも1年に1作のペースでかかれた物らしい。帯にもあるように「短編の名手」にふさわしい作家で、個人的には彼の作品をロアルド・ダールのそれより上に置きたい。さすがに、短編集「九時から五時までの男」と比べると若干質が落ちているかなという気がしないでもないが、どの作品もレベルは高い。
 表題作「最後の一壜」も面白いが、個人的に「127番地の雪解け」や「画商の女」や「壁の向こう側」がお気に入り。「127番地の雪解け」のラストはいろいろ想像してしまいたくなる様な不気味さが漂っているし、「画商の女」は後半の盛り上がりとラストのオチのきまり方が良かった。この点は表題作にもいえる。そして「壁の向こう側」はまさかの○○トリック!不意を突かれただけに驚いた。
 他にも、「不可解な理由」は「ブレッシントン計画」と同様、小説内のこととして単に傍観して楽しむには抵抗のある作品。
 どの作品も練りに練られたものばかりで、まさに宝石箱といった印象。
本書の面白さを一言でいうなら作者エリン自身の言葉を借りるのが一番いいだろう。つまり

「人間の性質に含まれる邪悪の痕跡を扱うもので、それはまた人間性をかなり嘆かわしいほど魅力的にしている」

 この言葉がエリンの作品の面白さの全てを語っていると思う。
 本書はとても素晴らしい作品集だった。何度も読み返したくなる作品ばかり。
[ 2005/02/19 22:13 ] スタンリイ・エリン | TB(0) | CM(0)

行ってみたいな神保町 

今日の7:00から放送していた『ウンナン史上最大指令 東京横断IQバトル!!』という番組で神田神保町の古書店が何件か紹介されてました。

で、『「新青年」全巻揃いでおいくらか?』という問題が出題されて、その値段がなんと

  1000万円!!!

せいぜい200~300万円程度かなと思っていただけに、目ん玉飛び出ました。
「新青年」といえば江戸川乱歩の「二銭銅貨」や「D坂の殺人事件」が掲載されたり、横溝正史の「八つ墓村」が連載されたりした雑誌です。
個人的に神田神保町は一度は行ってみたい場所ですね。
[ 2005/02/18 21:59 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)

佐藤友哉「鏡姉妹の飛ぶ教室 <鏡家サーガ>例外編」 

・出版社/メーカー:講談社
・定価:¥1,019
・発売日:2005/02/08
・メディア:新書

★★☆☆☆

 誰もが三百六十五日分の一日で終わる予定でいた六月六日。
 鏡家の三女、鏡佐奈は突然の大地震に遭遇する。
 液状化した大地に飲み込まれていく校舎を彩る闇の色は、生き残った生徒たちの心を狂気一色に染め上げてゆく――。

 鏡家シリーズの4作目。
 「クリスマス・テロル」以降、講談社ノベルスからは出ないと思っていたが結局出ちゃった。今回は<例外編>ということで、いつもとはかなり違うノリ。キャラクターが閉ざされた校舎で、てんやわんやするのは西尾維新みたいだ。個人的にこういう小説は大嫌いなのだが、<例外編>なので許した。ラストの確信犯的なオチも許容範囲。
 「フリッカー式」の真相は「鏡佐奈を自殺に追い込んだのレイプ犯は、実は鏡公彦だった」と記憶しているのだが、それを考えると今回のラストは?。おそらく終盤の鏡綾子のセリフがヒントになっているのだろう。
 兎にも角にも、佐藤友哉を期待して西尾維新を読まされたのは事実なので、この作品は微妙だな。次作以降はいつものテンションに戻ればよいけど…。
[ 2005/02/16 22:39 ] 佐藤友哉 | TB(0) | CM(0)

柄刀一「天才・龍之介がゆく! 殺人現場はその手の中に」 

・出版社/メーカー:祥伝社
・定価:¥880
・発売日:2005/02
・メディア:新書

★★★☆☆

 IQ190の超天才…の割にはちょっと惚けた名探偵天地龍之介。“学習プレイランド”建設のため、協力を求めて訪れた科学研究所で、一冊の本から血痕が見つかった。半年前に失踪、その後他殺体で発見された所員・安場の血液だった。本の著者は安場が激しく対立していた人物。被害者のメッセージなのか?しかし失踪当時、まだその本は出来あがっていなかったのだ。いつ、どのように血痕は付着したのか? 事件発生の時間と場所をめぐる謎。奇妙な事件に、龍之介の高速頭脳がフル回転!

 天地龍之介シリーズ最新作。光章の秋田県転勤や龍之介のプロジェクト発動など、シリーズにも変化があらわれ始めます。
 今作は本にちょっとした細工があり、いくつかのページに血痕が付いてます。その血痕の謎が本作の見所のひとつでしょう。
 今回もいつもどおり、化学トリビアというか図形パズルが多かったですが、少し発表時期が悪かったかな。「死角の中のクリスタル」のやつはTV番組の『世界一受けたい授業』で見たばっかだし(昔、北野武が出てた番組でもやってた)、「ページの中の殺人現場」のは「本棚探偵の冒険」で読んだばっかりだから、すぐ分かってしまいました。このような科学トリビアは知っていたら「フーン」で終わってしまいますが、その科学トリビアが最終的な真相でないところが良い。前半3作は、それらのトリビアが暴かれた後の、犯人を絞り込むロジックが素晴らしいです。「死角の中のクリスタル」のロジックは特に良い。
 そして問題の血痕ですが、書き下ろしの「ページの中の殺人現場」でそのネタが暴かれます。しかしながら「どうしてそのような不自然な位置に血痕が付いたのか?」という謎は解決するんですが「どうして読者が持っている本に血痕がついているのか?」というメタレベルの謎は明らかになりませんでした。密かにフレドリック・ブラウンの「まっ白な嘘」や積木鏡介さんの「魔物どもの聖餐」のようなオチを期待していたんだけどなぁ。
 とはいえユーモアと謎解きが楽しめる、悪くない短編集です。
[ 2005/02/15 22:17 ] 柄刀一 | TB(0) | CM(0)

霞流一「羊の秘」 

・出版社/メーカー:祥伝社
・定価:¥920
・発売日:2005/02
・メディア:新書

★★★☆☆

 ミイラのように全身を覆う白い紙、口には矢印形の金属棒。現場を見下ろすのは、1時、2時、3時を指す3つの古時計…武蔵野の土蔵に横たわる謎だらけの死体。絞殺された通訳の仲丸伸之は夢の表現サークルの一員だった。事件を追う古道具屋露沢は、会員の少女が直前に自殺したことを知る。しかも謎の羊頭男の写真を残して…。その後、事件の周辺で続々と発見される「羊」を示す暗合。殺人とはどう関連するのか?

 何てかわゆい表紙なんだ。羊さんが鎖に絡まってるよ。
 まぁ、それを抜きにしても読み始める前から期待が膨らむ作品。

装飾された死体+雪上の殺人+ガラスの密室!
「これが本格ミステリ“消去法の美学”だ!」
ミステリベスト2冠の法月綸太郎氏も驚倒!

 このキャッチコピーに惹かれない本格ファンはいないでしょう。法月綸太郎によるカバーの紹介文も凄い。
 今回は羊がテーマで、それに関連して「夢」や「呪術」も出てくる。不可能犯罪てんこ盛りで、お決まりのトンデモトリックも健在。

 最初の殺人はかなり早い段階で起きるのだが、それが終盤まで放置されっぱなしというのがちょっと嫌だった。第二の殺人や羊頭の男についてもそう。探偵役はしっかり捜査するのだが、その捜査というのが「夢視の玉」メンバーの人間関係や個人の過去の調査ばかりで直接的な殺人事件の推理というのが希薄。
 でも、ラストの推理はとても素晴らしかった。帯に書かれている消去法に期待しすぎるとアレだが、ロジックは完璧。そのための伏線も勿論しっかりと張られていた。絆創膏のロジックなんかエラリー・クイーンの「オランダ靴の謎」を思わせる。
 人間関係や呪術の薀蓄など中盤退屈に思えた事も、犯行動機やラストを描くには無くてはならない事で、全体で見ればなかなか良い作品だと思う。こじつけや無茶なところもたくさんあったが、そこも霞流一らしくて良い。
[ 2005/02/13 23:31 ] 霞流一 | TB(0) | CM(0)

浦賀和宏「松浦純菜の静かな世界」 

・出版社/メーカー:講談社
・定価:¥924
・発売日:2005/02/08
・メディア:新書

★★★☆☆

 大けがを負い、療養生活をおくっていた松浦純菜が2年ぶりに自宅に戻ってくると、親友の貴子が行方不明になっていた。市内では連続女子高生殺人事件が発生。被害者は身体の一部を持ち去られていた!大強運で超不幸な“奇跡の男”八木剛士と真相を追ううちに2人の心の闇が少しずつ重なり合う新ミステリ。

 新シリーズとして出された作品。まさか、安藤シリーズはもう終わっちゃったわけじゃないよね。そうでない事を切に願う。
 何か「新世紀エヴァンゲリオン」と「ジョジョの奇妙な冒険」を足して2で割ったような作品。「他人の目が気になる」とか「他人と他人の関係性の中で初めて自分という者が生まれる。他者との関係性を切り離した絶対的な自分なんて存在するはず無いわ。」という台詞など思いっきりエヴァ。
 安藤シリーズの最初の作品である「記憶の果て」と似たようなテンションで進む。既に今後のための伏線も張られていたりしそうで、実際、解決されてない謎も幾つかある。ミステリの謎はとてもオーソドックス(動機とかはやっぱり異常で浦賀和宏らしい)でプロットも結構練られていると思うが、昔のような驚きが減ったのが残念。時系列をバラバラにされた章立てがラストで一本に繋がる時、バラバラ死体も真の姿を見せる。ここら辺は実に巧み。
 「欠けたものは別のもので補うことができる」という純菜の考えは、剛士にとっては「妹は別のものでも補うことができる」ということになってしまう。この点は、犯人が「自分の娘を他人の子で補おうとして失敗した」という事実が剛士にとって救いとなっているだろう。剛士のポジションが微妙で、完全には純菜を認めることが出来ないというのが面白い
 これからの展開が非常に楽しみなシリーズだと思う。いずれ、安藤シリーズともクロスしそうだ。

 作中で出てきたヴァスケス、ヒックス伍長は映画の「エイリアン2」の登場人物。グフの左腕は「マシンガン」になってるみたい。
[ 2005/02/12 17:45 ] 浦賀和宏 | TB(0) | CM(0)

北山猛邦「『ギロチン城』殺人事件」 

・出版社/メーカー:講談社
・定価:¥882
・発売日:2005/02
・メディア:新書

★★★★☆

 人形塚に残されていた「Help」という文字を書く書記人形と女性写真。この謎に迫るため探偵の幕辺と学生の頼科は人形の出所『ギロチン城』へ。密室で起きた城主斬首殺人事件という過去、外界を拒絶した構造、多くの処刑具、過剰なセキュリティが存在するこの異様な館で2人を待ち受けていたのは新たな密室殺人!

 待ってました!北山猛邦のお城シリーズ第四弾!サブタイトルは「Cutting End」。このシリーズ、館モノ好きの私にはたまらないのです。
 冒頭の「首狩り人形」伝説がもう幻想性満点。怪奇な伝説を読ませて、本編に突入するやり方はまさに島田荘司。外界を知らない城の居住者は、「黒死館殺人事件」の住人を思わせる。
 「ファウストvol4」に掲載されていた「廃線上のアリア」はトンネルをピストルに見立てたが、今回は城全体をギロチンに見立てる趣向。そのスケールの大きさに驚き。
 動機と人形の関係も良い。「でも私は感じるのよ。自分は藍であると。それはどんな認識装置を使ったって、証明できないわ。でも確かに私の心は藍なのよ」と。これがやりたかったのね。セキュリティ装置がただ単に堅牢性を保障するものでは無かったわけか。凄いぞ!
 そしてもう1つのトリック、「叙述トリック」。頼科が悠&藍に初めて出会ったあたりから、2階の部屋を見てまわるあたりの描写は見事!頼科と悠&藍の部屋でのやり取りはアンフェアギリギリ。いや、アンフェアなのか?視点の問題なので、こういう描写をすることが良いのか悪いのかあまり分からないけれど、はっきりアンフェアという人もいるかも。

 偶然だけれど、この作品は昨日読んだエラリー・クイーンの「盤面の敵」と幾つか相似点を見つけることが出来きた。(パクリとか言ってるんじゃないです)
 まず舞台。両作品ともお城が出てくるというだけでなく「盤面の敵」は四角い敷地の四隅にお城が配置されていたが、「『ギロチン城』殺人事件」では四角い城の四隅に儀式のための部屋がある。
 続いて犯人像。「盤面の敵」の犯人は1つの名前に2つの人格を有していたが、「『ギロチン城』殺人事件」の犯人は1つの人格に2つの名前を有している
 他にも、「盤面の敵」では「操り」、「『ギロチン城』殺人事件」では、犯行計画に探偵の推理が組み込まれていて、2作品とも探偵を悩ませる要素が含まれていること。
 クイーン作品との相似に感動した!

 物理トリック良し。動機良し。個人的には大変好きだが、今現在こういうミステリが求められるのかどうか。北山猛邦はポスト新本格的な位置づけの作家だと思うので、こういう作品が書かれる事を手放しに喜んでいいのかな。
[ 2005/02/11 01:05 ] 北山猛邦 | TB(0) | CM(0)

エラリー・クイーン「盤面の敵」 

・出版社/メーカー:早川書房
・定価:¥819
・発売日:1977/11
・メディア:文庫

★★★★☆

 四角いエリアの四隅に四つの家が配置されているヨーク・スクエア。そこには従兄弟姉妹の男女4人がそれぞれ住んでいた。ある日その内の一人に家の敷地と同じ形をしたカードが送りつけられ、その直後に石のブロックを顔面上に落とされ殺される。そして同様に他の従兄弟姉妹も次から次へと殺されて行った。謎のカードが意味するところは?
 狡知にたけた犯人からの挑戦を敢然と受けて立つクイーン父子の活躍!

 1963年発表の作品。シオドア・スタージョンの代作です。
 国名シリーズの頃のロジック重視の推理は影を潜め、探偵エラリー・クイーンの性格にも変化が表れています。作中でエラリー自身が「時代が名探偵を必要としていない」という発言をしたときは、少し寂しくなりました。けれど、この作品で発生する事件はとても作り物めいていて、黄金期の作品を髣髴とさせてます。ヨーク・スクウェアの四隅に配置された城(ルーク)と、そこに住むポーン、ナイト、クイーン、ビショップ。そして事件(ゲーム)を掌握する犯人(キング)とそれに挑む名探偵の構図。
 「操り」をテーマにした作品であり、途中でいかにも黒幕っぽい人物が出てきます。こういったレッドへリングを泳がせていたり、ウォルトの逮捕によって読者の目を他の容疑者に向けさせていたりしているのだから、あのラストはやっぱり驚きました。ミステリ読み始めて日が浅いころに読んでいたら、もっと驚けていたと思うけれど、そこは古典だからと割り切るしかないでしょう。クイーンも多重人格モノを書いていたんだと知って少し満足。あと、犯人の動機もなかなか面白く、ナサニエルになったつもりの犯人が、ヨーク家の従姉妹たちが遺産相続すると知って、侮辱されたと感じる。そして、彼らに遺産を相続する資格が無いと判断した犯人が、殺人をする。まぁ、真犯人があれだから、この動機も充分成立すると思います。
[ 2005/02/10 21:44 ] エラリー・クイーン | TB(2) | CM(0)

佐神良「S.I.B セーラーガール・イン・ブラッド」 

・出版社/メーカー:光文社
・定価:¥890
・発売日:2003/07/18
・メディア:新書

★★☆☆☆

 近未来、荒廃した日本では「自由地帯」と呼ばれる地域にホームレスが集まっていた。その「自由地帯」の支配階級に君臨するのは、思い思いの制服に身を包み、銃を携帯電話のように扱う戦闘的女子高生たちであった! なかでも最大勢力「北のグループ」のリーダーは、「伝説の女子高生」と呼ばれ、恐怖と羨望を一身に浴びていた。その名は、アムロ! 長髪を靡かせ、戦場と化した街を疾駆する彼女は、だが、多くの謎に包まれていた…。
 壮大なスケールで、近未来をクールに予言する驚異の新人、驚愕のデビュー!

 Kappa-One第二期生の1人、佐神良のデビュー作。
 第一期生の石持浅海、加賀美雅之、林泰広、東川篤哉らの作品がハイレベルだったので、第二期生にも期待していたのだが、どうも良くない。表紙も良くない。

 関東地区を襲った大震災によって出来上がった荒野「自由地区」。その「自由地区」の支配階級に君臨するのは、思い思いの制服に身を包み、銃を携帯電話のように扱う戦闘的女子高生たち。
 まあ、いかにもラノベ読者層にうけそうな戦闘美少女を主人公にした話。

 要所要所でカラスの襲撃や、IDカード盗まれたりといったイベントは起こるのだが、どうも世界に入り込めなかったので盛り上がれなかった。脇役にもうちょっと体積をもたせてくれていたら楽しめたと思う。あと気になったのが、フォントを大きくしたり、濃くしたりしてた箇所。こういう表現方法は個人的に好きでない。

 ラノベ読者にうけたのかは知らないが、表紙イラストを変えればもっとセールス的に成功したと思う。
[ 2005/02/08 22:20 ] 佐神良 | TB(0) | CM(0)

「電車男」に続いて 

また2chのログが書籍化されるようだ。
2ch生活全般板の“僕らの知らない生活をする人たち”がそれ。
まとめサイトも既に作られているみたい。

電車男」を立ち読みして思ったのだが、レスをそのまま印刷した感じは意外とアリかなと。まぁ、私は買わないと思うが、またベストセラーになるか楽しみではある。
[ 2005/02/07 16:49 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)

角田喜久雄「底無沼」 

・出版社/メーカー:出版芸術社
・定価:¥1,575
・発売日:2000/05
・メディア:単行本

★★★★☆

 戦前戦後を通じて数々の探偵小説を発表してきた角田喜久雄。
 単行本未収録作品を含む、傑作・代表作を網羅した角田ミステリの精華集!

「あかはぎの拇指紋」凶器に残された指紋は、世間を賑わすあかはぎの指紋だった。キチガイのたわ言に思える男の言葉に、意外な結末をつけた作品。初読では???なラストだったが読み返して納得。

「底無沼」山中の一軒家に男が2人。降りしきる雨の中2人の対話が進む。雰囲気満点の中、緊張感を保ったままラストへとなだれ込む。この作品は既読だったが、何度読んでも面白い。

「恐水病患者」恐水病によって死ぬことを恐れた男の悲劇を描いた作品。恐水病で死ぬより、他人に殺されることを望んだ男の企てた犯罪は思わぬ方向に。こういったオチの作品は以前どこかで読んだことがある気がするのだが思い出せない。

「秋の亡霊」都合三度起こる煙突からの飛び降り事件。死んだ男が再び死ぬという魅力的な謎と、死者の亡霊を見たという男の遺書が印象的。すこし強引だがそれらの謎に解決を与えた素晴らしい作品。

「下水道」風呂場で発見された山岡譲の死体と、山岡親子の消失事件。この2つの事件を追う譲の恋人。謎解きの先に待ち受けていた異形の結末。謎解きよりも狂気・怪奇が印象的な一編。

「蛇男」主人公の家の近所に住む恋人浅子。浅子が見た“何か”の真相を突き止めるために隣の部屋を探る主人公だったが…。浅子の欠けた片足と異常食嗜をもつ蛇男が読者を幻想の世界へ引きずり込むようで面白い。

「恐ろしき貞女」主人公美沙子の妄想が、殺人事件の真相をあらぬ方向に持っていってしまう恐ろしい話。不幸のヒロインに酔いしれる女、マジでやばい。でもこういう作品は結構好み。

「沼垂の女」主人公は友人宅へ向かう途中にひとりの女に出会う。彼は女の言葉に甘え、雨宿りをさせてもらうことになる。女の口から語られる戦時の話、そして後に明らかになるその真相。怖さというより悲しみの漂う作品だった。

「悪魔のような女」志賀茂と長谷川初子、2人の自殺事件に関して己の罪状を懺悔したいという女性に呼び出されたひとりの神父。しかし神父を待っていたのは悪魔の恐るべき奸計だった。海外の作家が書きそうな短編で、個人的にとても気に入った。

「四つの殺人」辻本家に奉公に出された主人公とし子のまわりで起こる、四つの事件。意味ありげな描写で辻本家の人間だけでなく、読者にもとし子を殺人者として疑わせる好編。

「笛吹けば人が死ぬ」本短編集の個人的ベスト。探偵作家クラブ受賞作品。三井絵奈が明石記者と岡田警部に残した「笛を吹くと人が死ぬよ」という奇妙な台詞。そして起こるボートの転覆事件。ハーメルンの笛吹き男と完全犯罪を見事に融合させた傑作。

「顔のない裸」叔父が死んだという知らせを聞いた譲次は、故人のアパートへ向かう。そこで発見した預金通帳と四つの鍵、そして顔の写っていないヌード写真を不審に思った譲次は、叔父の死の真相を探り始める。これも戦争が生んだひとつの悲劇だろう。

「年輪」明治44年の吉原大火に何故か興味を持つ女子高生。棟梁一家の心中と美華登楼炎上の秘密を調べていくうちに浮かび上がる意外な真相。しんみりとした筆致で描いていて、他作品とはどことなく違う感じがした。

 「笛吹けば人が死ぬ」や「秋の亡霊」等は本格として楽しめ、「底無沼」や「蛇男」あたりは変格として楽しめた。この人の作品は今まで、アンソロジーに収録されてるものくらいしか読んでなかったが、こうやってまとめて読むと角田喜久雄の凄さがよくわかった。「奇跡のボレロ」や「高木家の惨劇」も未読なので、いずれ読んでみたい。手に入るかな?
[ 2005/02/06 21:05 ] 角田喜久雄 | TB(0) | CM(0)

黒武洋「そして粛清の扉を」 

・出版社/メーカー:新潮社
・定価:¥580
・発売日:2005/01
・メディア:文庫

★★☆☆☆

 卒業式前日の学校に女教師が血の戒厳令をしいた。人質の生徒を処刑し始めたのだ。周到な計画、警察との攻防。TV生中継の中、彼女は用意された身代金で「ゲーム」を宣言する…。第1回ホラーサスペンス大賞・大賞受賞作品。

 神戸連続児童殺傷事件が1997年、高見広春の「バトル・ロワイアル」出版が1999年、そしてこの黒武洋の「ヘリウム24」(「そして粛清の扉を」の旧題)がホラーサスペンス大賞を受賞したのが2000年。
 この作品には少年犯罪がメインに描かれているわけではないですが、連続殺人をゲーム化していること、教師による生徒の殺害など「バトル・ロワイアル」に似ています。(もっとも「バトル・ロワイアル」の教師による殺人は、基本的に間接的なものですが)
「バトル・ロワイアル」の“プログラム”が合法行為であったのに対し、「そして粛清の扉を」の立て篭もりは違法行為で、犯人に罪の意識があるだけまだマシかな。
 立て篭もりで長編1冊もたせたところはなかなかと思いましたが、登場人物の個性が希薄で、読み進めていくのに苦労しました。身代金ゲームも全然盛り上がらない。ラストの落ち(弦間の方)もあまりにも唐突で、あまり好きでない。次作以降へつなげるつもりなのでしょうか。
[ 2005/02/04 20:48 ] 黒武洋 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

ウイスキーぼんぼん

Author:ウイスキーぼんぼん

初めて読んだミステリは『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人)。以来ミステリにどっぷりハマリ中。
「SUPER GENERATION」で水樹奈々さんに興味を持ち「Astrogation」で完全にハマる。水樹奈々オフィシャルファンクラブ「S.C. NANA NET」会員。

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好きな推理作家:島田荘司ゴッド
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本年度のお気に入り(国内)
御朱印巡り
集めた御朱印です。
(各都道府県参拝した順)
※記事に出来ていない寺社多数です!鋭意執筆中!
※リンクが切れているものは下書き状態です。しばらくしたら公開されます。

【東京】
・靖國神社(その1)
・靖國神社(その2)
・東京大神宮
・浅草寺 御本尊
・浅草寺 浅草名所七福神
・浅草神社
・浅草神社 浅草名所七福神
・今戸神社
・明治神宮(その1)
・明治神宮(その2)
・増上寺
・烏森神社
・神田明神
・乃木神社
・上野東照宮

【神奈川】
・鶴岡八幡宮
・建長寺
・高徳院(鎌倉大仏殿)
・長谷寺

【愛知】
・熱田神宮
・一之御前神社、別宮八剣宮
・真清田神社
・大神神社
・大須観音

【大阪】
・大阪天満宮
・豊國神社
・四天王寺
・住吉大社
・坐摩神社
・法善寺
・難波八阪神社
・道明寺天満宮
・一心寺
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・生國魂神社
・生國魂神社 干支(申)
・生國魂神社 干支(酉)
・三光神社
・玉造稲荷神社
・今宮戎神社
・方違神社
・難波神社
・露天神社(お初天神)
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・大鳥大社
・石切劔箭神社
・枚岡神社
・慈眼寺
・久安寺

【京都】
・鈴虫寺(その1)
・鈴虫寺(その2)
・松尾大社(その1)
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・御髪神社
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・二尊院
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・河合神社(下鴨神社摂社)
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・金閣寺(鹿苑寺)
・龍安寺
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・八坂神社 美御前社
・八坂神社 又旅社
・八坂神社 冠者殿社
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・伏見稲荷大社 奥社奉拝所
・伏見稲荷大社 御膳谷奉拝所
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・南禅寺(その2)
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・北野天満宮 宝刀展限定「鬼切丸」
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・金峯神社
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・比叡山延暦寺 釈迦堂
・比叡山延暦寺 横川中堂
・比叡山延暦寺 四季講堂(元三大師堂)
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・三井寺 黄不動明王
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【岡山】
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【鳥取】
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・鳥取東照宮(樗谿神社)

【広島】
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・福禅寺(対潮楼)

【徳島】
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【福岡】
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・筥崎宮(筥崎八幡宮)
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【沖縄】
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■朱印帳■
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