読み終わったミステリについてコメント。でも最近は脇道にそれぎみ。 このブログは水樹奈々さんを応援しています。

高徳院の鎌倉の大仏さま 

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 鎌倉の大仏さまは高徳院にいます。
 最寄り駅は江ノ電の長谷駅ですが、JR鎌倉駅のロータリーからもバスが出ています。


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仁王門



 拝観料は大人200円です。
 もうほとんど大仏を見るためだけの拝観料と言ってもよく、仁王門をくぐって、角を曲がると正面に巨大な大仏さまが鎮座しています。


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 いわゆる「鎌倉大仏」と言われるこの大仏さまが、高徳院の御本尊の阿弥陀如来像です。
 大仏さまは現在、外にむき出しの状態ですが、昔は奈良の東大寺のように、ちゃんと大仏殿の中に収まっていたようです。
 何度も災害などで大仏殿が倒壊した結果、今のような何もない状態に落ち着いたようです。
 その被った災害の中には、1495年の明応地震の津波による倒壊も含まれるようで、すこし驚きました。ここまで津波が届くのでしょうか。


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高徳院 御朱印



 御朱印は大仏殿脇の授与所でいただけます。
 阿弥陀如来、大仏殿、いずれも書かれてあり記念になります。


 【関連リンク】
 鎌倉大仏殿高徳院
 http://www.kotoku-in.jp/

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[ 2017/08/24 19:17 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)

第9回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作ついに出版! 

神の手廻しオルガン


第9回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞
受賞作



『神の手廻しオルガン』
須田 狗一





 【内容紹介】

 日本とポーランドで起きた2つの殺人事件。72年前のナチスの闇が、今、甦る。正義の在り方と家族愛を問う、社会派ミステリー! 「ほぼ一気読みの吸引力。文芸ミステリーの時代が開花しつつある」――島田荘司。




 本日5月17日、第9回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作が光文社より出版となりました!おめでとうございます!
 全国の書店に並んでいるので、みなさんお手に取ってみて下さい。
 受賞時のタイトル『殺人者は手に弓を持っている』から変更になっているようです。

 ちなみに今週末の5月21日(日)には、福山ばら祭にて、第9回福ミスの表彰式があります。
 第9回受賞作者・須田狗一さん、優秀作者・北里紗月さん、準優秀作者・稲羽白菟さんへのトロフィーの授与があるので、みなさん奮ってご参加下さい。参加費無料、場所は福山の緑町公園です。時間は15時10分からです。


 【関連リンク】
 福山ミステリー文学新人賞│島田荘司選
 http://fukumys.jp/


[ 2017/05/17 20:00 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)

黒田研二原作、シアターOMの舞台版「ドライブ」を観に行きました。 



↑くろけんさんのツイート



 こんにちは!
 管理人のウイスキーぼんぼんです。

 黒田研二(くろけん)さんのツイートで知ったのですが、以前文庫書き下ろしで刊行された『ドライブ』が舞台になったそうです。
 そういえば最近になって、当時『ドライブ』を読んだわたしの感想がリツイートされていて、なんで今頃…と疑問に思ったのですが、こういう訳だったのですね。
 なんか会場は大阪の谷町六丁目駅から歩いていけるところで、しかも土曜日にもやるみたいだったので、いっちょ観に行ってきました。


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 場所はシアターOMというところです。
 大阪市営地下鉄の谷町六丁目駅から歩いて5分くらいでしょうか。
 公式サイトには2時間くらいまえに整理券を配布する、という旨が書いてあったので、1時間半くらい前に行ったのですが、なんだかよく分かりません。普通のマンションが立ち並んでいる場所だったので、どこからシアターOMに入れるんだろう、と勝手が分からずあたりをウロウロします。
 歩いているとお腹が空いて来たので、ひとまず夕飯を食べにラーメン屋さんで時間を潰します。


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整理番号



 ラーメンを食べて、ふたたびシアターOMまで戻ってくると、なんだか人で賑わっています。
 扉が開いていたので中に入ってみると、スタッフの人から整理番号をもらいました。前の回が押していたのとこと。
 開場は開演30分前とのことだったので、しばらく待機です。


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 シアターOMの中にはいると、通路に『うしおととら』のポスターがずらっと貼ってありました。
 なんでもこのシアターOMは『うしおととら』のお芝居を数多くやっているようで、人気なんだそうな。


 開場時間になって、会場内に入ります。
 なんでもこの『ドライブ』は現役アイドルが出演するらしく、お客さんも満入御礼状態。結構若い方が多かったですね。なんかいかにもドルヲタっぽいおじさんもいました。
 劇中で役者の方も「原作者もドルヲタなんだよ~」と叫んでいて、出演:アイドル、原作者:ドルヲタ、観客:ドルヲタ、と三位一体のスペシャル空間を認識するのでした。
 会場は決して大きくは無く、ぶっちゃけ思っていたより狭かったのですが、ステージと客席との距離が大変近いのは良いことです。歌手のコンサートでも、ライブハウスでやるのとドームでやるのでは一体感が違いますし、そういうのがこういう小演劇にも言えるのだろうと一人納得します。
 なんかよくわからないまま最前列に入り込んで、開演を待ちます。
 なにせこういう小劇場でやるお芝居を自分は初めて観るものですから、結構ワクワクです。


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前説



 前説ではいろいろ注意がありました。
 個人的には驚くことばかりで、飲食OK、ケータイもOK、そして写真撮影OKというのが驚きました。そういえばツイッターでもわたしのフォロワーさんが、ライブハウスの写真を上げていたりしていたのを思い出します。こういう融通が利くのも小劇場ならではなのだな、と説明に耳を傾けるのでした。ちなみに宣伝になるので写真なんかもツイートしてくれて構わないとのことでした。

 わたしの隣りに座っていたお客さんが、なんだか常連さんっぽくて、さっそく慣れたふうにカメラを取り出してパシャパシャしだすものだから、わたしも真似して撮ってみます。たまたまカバンにコンデジが入っていて助かりました。


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奥:中村亜未さん
手前:松葉絢香さん



 前説でさっそくアイドルが登場しました。
 サンミュージック大阪の中村亜未さんと、シルキスエンターテインメントの松葉絢香さんだそうです。松葉絢香さんは「群青のユリシーズ」というユニットのメンバーなんだとか。




 あまり詳しくないんですが、さすがアイドル、華があるなぁと、ほぇぇ~と眺めていると、後ろの方からパシャパシャパシャパシャパシャパシャとシャッター音の連写が聞こえてきます。一眼レフに白レンズくっつけたお客さんがいました。
 うへぇ……こういう劇場に一眼レフかよ、と少し引いたのですが、そういえば、以前ヨドバシカメラの2階のカメラ売り場に行った時に、男性客が「アイドルを撮るのはどの一眼が良いですか?APSーCですか?フルサイズですか?」と勢い良く聞いていたのを思い出します。あぁ、こういう場面で使うのだなぁ、とえらく納得するのでした。というか劇場内に入って見たり聞いたりするものが初めてのことばかりで、わたしの知らない世界だらけです。くろけんさん原作の舞台なので、どこか安心感があったのですが、実は完全なアウェイだったのか、と緊張してきたのでした。

 ひとまずわたしは一眼レフは持ってきていないので、頑張ってコンデジで撮影します。コンデジでも悪くない写真が撮れました。


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 演劇にはたいへん満足です。お芝居ならではのユーモラスな演出もあって面白かったです。
 小説には無い、「車のタイヤ」役、「踏切」役、など意外な配役が会場を沸かせます。
 車中の出来事を描いていて、基本的に舞台は変わらないのですが、時間的、空間的な変化はちゃんと伝わってきます。中央にドーンと自動車を置いていても、舞台の上手側や下手側、あっちにこっちに目を向ける場面も多くて、観ていて飽きません。
 もっともっと個人的に素朴な驚きとして、役者の方が長台詞を憶えていること。いやまあ普通なのかもしれませんが、自分は無理だなぁ、どこかにカンペ潜ませてるのかなぁ、とお芝居を観ながらいろいろ考えてしまうのでした。


ドライブ (TO文庫)ドライブ (TO文庫)
(2014/04/01)
黒田研二

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 ゲーム、漫画、映像、そして今回の舞台劇、くろけんさんのミステリは小説以外の媒体と相性が良いですね。
 車中の固定された舞台でありながら、要所要所に心拍数を揚げるようなピンチが訪れ、起伏の生まれる展開は飽きさせません。ミステリとしても、登場人物たちの過去が段階的にオープンされていくため、事件の全容が徐々に見えてくる楽しさがあります。客の興味を繋ぎ留めておきつつも、最後にジョーカーがオープンされることで意外性も伴い、謎→解決の点でも満足できます。

 公演日が少ないのが残念ですね。すでにこの『ドライブ』は公演が終了してしまいましたが、何か他にとっつきやすいお芝居があればまた観に行きたいと思います。この料金(2,000円)でこれだけ楽しませてくれるのであれば悪くないです。

 ちなみに公演後、アイドルのお二人がチェキを撮ってくれるファンサービスもあったのですが、なんだかお客さんでごった返していたので、わたしはそれには参加せずそのまま帰りました。


 【関連リンク】
 theater-om.com
 http://theater-om.com/

[ 2017/05/15 02:48 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)

ミュシャ展に行ってきました。 

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 こんにちは!
 管理人のウイスキーぼんぼんです。

 東京の国立新美術館で開催中のミュシャ展に行ってきました。
 東京出張とタイミングがうまい具合に合ったので行ってみたのですが、まあ人が多いこと多いこと。

 大手町駅から東京メトロの千代田線に乗って乃木坂駅で下車します。
 まずチケットを購入するのに、ものすごく並ばなければならない、と聞いていたのですが、乃木坂駅の改札を抜けたところで、臨時のチケットカウンターが設けられていて、そこで並ばずに買うことが出来ました。完全に穴場です。
 乃木坂駅からほとんど直結の状態で美術館が建っているようなので、みなさんも千代田線で訪れてみましょう!


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スラヴ叙事詩 撮影可能エリア



 「ミュシャ展」はチェコの画家、アルフォンス・ミュシャの作品を集めた展覧会です。アール・ヌーヴォーを代表する芸術家で、ポスターや本のジャケットなどのグラフィックデザインも手がけた画家なんだそうな。
 本展覧会の目玉はなんといっても「スラヴ叙事詩」でしょう。20作品から成る連作で、いずれも壁画サイズの巨大スケールです。その全20作品が、チェコ国外では世界で初めて一同に展示されるというのだから、観るしかありません。

 美術館が開館するだいたい10時ちょうどごろに訪れたのですが、やはり大人気の展覧会なのか、チケット売り場も入場も人の行列。驚いたのが、音声ガイドにも行列ができていて、もうとにかく人多すぎな状態です。


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 しかし、人は多いものの、作品も大変大きいので、あまり問題なく観賞できました。
 音声ガイドの檀れいさんの案内を聴きながら会場をウロウロします。


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 『スラヴ叙事詩』の特徴なのか、絵画の中の人物が、画面を超えてこちらの鑑賞者の方に視線を向けているのが印象的です。
 画面には、決して幸福ばかりが描かれている訳ではありません。平和への祈りが強いテーマになっています。そのなかで何かを訴えかけるような登場人物の眼差しが、そんな目で見ないでくれ、という想いに繋がり、思わず目を背けてしまいます。

 絵画を見ていると、我々には見えないものがミュシャには見えているのではないか、というような構図や人物配置がされているのですが、完全な幻想にはなっていません。チェコスロバキアやスラヴ民族の伝承、そしてその歴史がしっかりと描かれていて、幻想へと目を背けるとこを許していない印象を受けます。平和を願った作品が多く、そういうテーマ性という意味でも現実と理想、過去の歴史とこれからの未来、これらの虚実のバランスが上手く作品に表現されているように思いました。

 大きな絵画というのはそれだけでエネルギーを感じるし、それがテーマへの強い想いにも繋がっています。
 観れて良かったです。


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 個人的にあまりこのミュシャという画家についてはあまり馴染みがなかったので、家に帰っていろいろ調べてみたのですが、なんでもチェコの「戴冠宝器」とも言えるこの『スラヴ叙事詩』を国外(チェコ外)へと持ち出すのはありえない、とミュシャの孫が抗議しているのだとか。
 ローカル色の強い作品で、言われてみれば確かに「門外不出」という感じもします。あまりそっち方面で国際問題は起こしてほしくないですね。
 しかし観てしまえばこっちのもんです。大変素晴らしい展覧会でした。


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 おみやげにポストカードを何枚かとしおりを買って帰りました。


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 国立新美術館は黒川紀章設計の美しい建築。
 はじめて生で見ました。

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 六本木ヒルズも近かったので、冷やかして帰りました。ここにも初めて訪れました。
 TVでは見たことがありますが、これが六本木ヒルズですか、と田舎っぺ丸出しでウロウロして帰ったのでした。


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[ 2017/04/23 22:00 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)

2016年度のマイベストミステリ(国内) 

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大阪城公園のもみじ




 2016年ももう11月!
 「早いものですね~もう一年!(むさしのCMっぽく)」←広島の人にわかるネタ


 今年もあまりミステリは読めていないのですが、ミステリ系ブログの管理人として、本年度2016年度のマイベスト5を発表したいと思います!2015年11月~2016年10月に刊行された新作国内ミステリのベスト5です!



【5位】
玩具の棺

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【4位】
あなたのための誘拐






【3位】
亡者は囁く






【2位】
日曜は憧れの国






【1位】
猫には推理がよく似合う




 以上です!
 5作品並べるだけで終わるのですが、大げさに盛り上げていきます。
 わかりやすくするとこんな感じです↓


 1位「猫には推理がよく似合う」
 2位「日曜は憧れの国」
 3位「亡者は囁く」
 4位「あなたのための誘拐」
 5位「玩具の棺」



 福ミスびいきでもツイッターアカウントを持っている作家びいきでもありません。面白かった順に並べたらこんな感じになりました。
 ブログに感想をアップしていない本ばかりになったのはご容赦下さい。ここでコメントします。


 5位「玩具の棺」
 創作集団「止まり木館」による作品集。これは商業誌ではなく、今年の第四回文学フリマで頒布されていた同人誌です。
 短編が7編収録されています。いずれもプロデビューしていない方の作品なのですが、むしろ本書ではそれが良い方向に作用しています。
 書き手のプロフィールによると大学のサークル(推理小説研究会と思われる)に所属している方が多いようで、推理作家の円居挽氏とも交流があるところを見ると、それだけで期待できます。
 同人誌だからこその自由度がある一方で、トリックやロジックにこだわっている姿勢が、本格ミステリに対して真面目な印象をうけました。中には何度読んでもイマイチイメージできない仕掛けもあったりしたのですが、本書から感じる熱の前ではそれは瑣末な問題です。個人的にお気に入りは「完全密室 ―数角館の殺人―」です。綾辻行人氏の十角館のリスペクトを感じる作品で、今の大学生にも新本格第一世代の作品が愛されているのだなと、感じると同時に、本書からにじみ出て来る「新本格大好き!」という想いが好きです。結局最後の一撃、すさまじいフィニッシングストロークがやりたかっただけちゃうんか、というツッコミの余地もあって、さすが関西の書き手です。
 なお、今後amazonでダウンロード販売をするという話を小耳に挟んだので、それが実現すればぜひ読んでみることをおすすめします。面白いですよ。


 4位「あなたのための誘拐」
 本業がお医者さんの福ミス作家、知念実希人氏による長編作品。ソリッドシチュエーションサスペンスという触れ込みで刊行された作品です。
 いったい本業の合間にいつ書いているのか、というほどの刊行ペースですが、その割にクオリティが低くないのには注目です。
 知念先生のメインフィールドのメディカルミステリーではないのですが、作者らしさはあります。リーダビリティーが本書では上手く機能しています。
 作者のリーダビリティーの高さはすでに周知のことと思いますが、それによって加速させた物語がサスペンスをより強固にさせているだけでなく、わかりやすさという点でも本格ミステリとしての完成度を高めています。加速した物語の中に、非常に目立つ形で犯人特定の手掛かりを配置して、読者の目に焼き付けさせる術が大変上手いのです。一気読み必至の作品でありながら、その重要な手がかりを読者は見逃すことは無いでしょう。それをもとに組み立てられる終段の謎解きで背負投を食らうことになるはずです。
 ロジックの量が過度に多くなってサスペンス性を妨げることがない一方で、厚みは薄いながらも切れのあるロジックで本格特有の感動が味わえます。地下アイドルをめぐるロジックです。何故?がひとつずつ解決解決されることで真の黒幕が暗がりの中から現れる終盤が背筋がぞくぞくします。ロジックの「静」とサスペンスの「動」が見事に融合した傑作です。


 3位「亡者は囁く」
 福ミス作家の吉田恭教氏の作品。「可視える」の続編です。
 地味なほどの足の捜査が大半をしめます。一人の女性の探偵依頼に端を発する物語は、複数の事件を浮かびあがらせ、人間関係を複雑に絡ませます。捜査活動によって少しずつ少しずつ謎が解きほぐされてゆく、じっくり読める探偵小説です。
 派手さはありませんが、こういった探偵小説は好きです。最近、特に新人や若手の推理作家の作品に特殊舞台、奇をてらったトリックなどが多く見られる印象を受けますが、その中でこのような本格で勝負する作者は貴重といえます。
 しかし、本書の眼目はその足の捜査ではありません。オリジナリティあふれる仕掛けは終盤に用意されています。ひたすらに現場へ通い、事件関係者のもとを訪れて、足を使って事件を解決へと導くのですが、何の冗談か○○の無い者がクライマックスに待ち受けているとは思いませんでした。まるで落語のようなオチです。びっくりしました。
 本書刊行後に同じネタを使用したミステリが他の作家によって刊行されました。しかし、サプライズだけでなく、足の捜査を思いもよらない形でラストのオチへ結びつけた、物語全体をある意味ひっくり返すような着地を見せた本書の方を個人的には推したいです。


 2位「日曜は憧れの国」
 円居挽氏は「ルヴォワール」シリーズなど、ヒーローvs悪の構図を描くのが上手くて、そういったのが作者らしい作品だと思うのですが、本書にはそんな「相手を打ち負かしてやる!」といった趣向は見えません。
 登場人物それぞれ違っていて、それぞれの好みがあり、それぞれの価値観を持っていています。そんな彼女らが一緒になっていくつかのカルチャースクールで講義を受け、ひとつの輪で結ばれます。このような過程を経たあとで描かれる最終話は感動的で、たいへんまとまりが良いです。幾つもの価値観は、複数の推理を生み出して相手を打ち負かして行くのではなく、それぞれの個性が手を取り合い事件を解決まで導くのです。
 複数の人間が集まって事件を解決するという骨格は、いわゆる多重推理モノと同じなのかもしれませんが、本書で描かれるプロセスはそれとは異なります。あの子に出来ないならわたしがカバーする、といった事件解決への情熱が友情を描いていて青春小説としてもミステリとしても面白い作品です。


 1位「猫には推理がよく似合う」
 福ミス作家、深木章子さんの作品。
 猫と会話できる世界、というファンタスティックな世界で事件が発生します。といっても舞台は弁護士事務所で、日常的な作品世界ではあります。
 奇想と解決が良い形で結びついていて、あり得ない世界を説得力のある地に足の着いた謎解きで解決するのは、作者らしいところといえます。謎解きが逆に謎を呼んでしまうトリッキーな構成と、四方八方へと広がる高密度ロジックが読者を翻弄し、読んでいる最中わくわくしっぱなしの本格ミステリです。猫に対する家族のような愛が、時として犯人特定の決め手となるだけでなく、犯行動機の生成にも関わっており、このようなミステリとして統一感のある趣向も練られています。
 作者の作品の中でも上位の作品と思われます。本作でいままで逃し続けてきた本格ミステリ大賞を受賞していただきたいな~、なんて思ったりします。



 というわけで以上5作品がマイ・ベスト5です。

 今年はSONYから PSVRが発売され、売れ行きもよく、まさにVR元年といっても良い年だと思います。
 そのような年に、VRヘッドセットを利用した第8回福ミス優秀作『僕のアバターが斬殺ったのか』や『アリス・ザ・ワンダーキラー』が刊行されたり、またさらに乱歩を現代に新たな形で蘇らせた『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』が刊行されたりと、時代を象徴するようなミステリが続々と登場したのも印象深いです。

 このように5作品挙げると、その他の作品が面白くなかったのではないか?という印象を与えかねないのですが、それは全くの誤解です。読んだ本全て面白かったです。2016年面白い本格ミステリをありがとうございました。来年も楽しみにしています。

 あ、ちなみに海外ミステリのマイベストはカミの『ルーフォック・オルメスの冒険』です。これっきゃないでしょ~。

[ 2016/11/07 20:00 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)

おめでとうございます!第9回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作発表! 

http://fukumys.jp/koumori/7635
第9回受賞作発表!! | 福山ミステリー文学新人賞│島田荘司選
http://fukumys.jp/koumori/7635




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第9回受賞作
「殺人者は手に弓を持っている」
須田 狗一(すだ くいち)



+ + + + +


第9回優秀作
「さようなら、お母さん」
石井 真由子(いしい まゆこ)



+ + + + +


第9回準優秀作
「合邦の密室」
稲羽 白菟(いなば はくと)




+ + + + +



 10月31日、第9回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の受賞作が発表になりました!
 今回は受賞作1作、優秀作1作、準優秀作1作の計3作品が入賞です。
 今回の第9回は105作という過去最多の応募数で、それが受賞にも反映された形になります。
 
 須田狗一さん、石井真由子さん、稲羽白菟さん、おめでとうございます!


 受賞作の『殺人者は手に弓を持っている』は、概要を読むと猟奇的な殺人が目に留まりますが、御大の選評では物語性が豊かな作品のようです。
 第8回受賞作の『アムステルダムの詭計』は社会派推理と本格ミステリのバランスが評価されていましたが、本作についてもゲーム的な本格に偏っていない作風が評価されている印象を受けます。あくまで印象です。出版が待ち遠しいです。
 受賞者の須田狗一さんはIT会社に三十年勤務したキャリアがあるそうで、御大の言う所謂「ベテラン新人」です。福ミスにおいては深木章子氏、知念実希人氏、一田和樹氏らベテラン新人の活躍がめざましいです。今後の活躍にも注目したいところです。

 優秀作の『さようなら、お母さん』、準優秀作の『合邦の密室』は概要を読むと、いずれも本格の様式美を意識した作品に思えます。第8回の所謂ゲーム型本格『僕のアバターが斬殺ったのか』が受賞作ではなく優秀作に甘んじた点を鑑みても、今回も福ミス発足時からの御大の目指すところが表れた選評結果に思えます。とにかくまだ読んでいないのではっきりしたことは言えませんが、いずれも面白そうな小説なので早く読んでみたいです。

 受賞作は2017年春に出版、と公式サイトに明記してありますが、優秀作1作と準優秀作1作についても過去の流れから推敲の後に出版されることと思います。


 今後の流れとして、
 2017年春に受賞作出版
 2017年5月に福山ばら祭にて表彰式
、になると思われます。


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 今年もまた福ミスに新しい個性が誕生しました。
 本年度2016年は福ミス作家が多く活躍した年です。

 非日常感を見せながらも地に足の着いた謎解きへと収束する『猫には推理がよく似合う』
 持ち前のリーダビリティーで加速させた物語の中に、印象的かつフェアに手掛かりを埋め込む『あなたのための誘拐』
 誰が何のカードを揃えているのか読ませない、まるでポーカーゲームのようなサイバーミステリー『原発サイバートラップ』
 ひたすらに聞き込みと推理――丹念な足の捜査の果てに浮かび上がる衝撃の真実『亡者は囁く』
 学校を舞台としない、人の心に寄り添った新たな青春ミステリ『教室の灯りは謎の色』
 瀬戸内海の孤島を舞台にした謎と推理と冒険に彩られたエンタテインメント『時限人形』

 いずれも作者の持ち味が発揮された良作です。
 メフィスト賞よりもとがっていないけれど、個性豊かな福ミスだと思います。

 福ミスのますますの発展がたのしみです。


[ 2016/10/31 21:22 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)

第四回文学フリマ大阪に行ってきました。 

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堺市産業振興センター

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第四回文学フリマ大阪カタログ



 こんにちは!
 管理人のウイスキーぼんぼんです。

 9月18日(日)に大阪府堺市にある堺市産業振興センターにて行われた第四回文学フリマ大阪に行ってきました。

 大阪の文フリへは第一回、第二回の時に行って以来の3回目です。


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ミステリの評論

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ミステリの小説



 今回もいろいろ買ってみました。
 なんか出店者の顔ぶれがガラッと変わった感じがしました。汀こるもの先生(@korumono)いませんでした( ・ὢ・ )

 基本的にミステリしか読まないので、ミステリの評論と小説を買っていきます。
 多分このジャンルの全出店者からそれぞれ1冊ずつ購入出来たと思われます。


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 「円居挽先生、絶句!」
 なんか気になる同人誌です。編集後記を読むと京都大学推理小説研究会の方もいるようで(全員?)、青田買いの意味も込めて。早くデビューしなされ!読むのが楽しみ。


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 会場をウロウロしていると、プロの作家さんの出展もありました。そこで福ミス作家の川辺純可先生(@sumikakawabe)を発見!
 何故か鞄の中に入っていた『時限人形』を差し出してサインをしてもらうのでした。
 何も買わずに申し訳なかったですが許してくだされ。


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 神保町横溝倶楽部さん、飴ちゃんありがとうございました。芸が細かい(笑)


 【関連リンク】
 文学フリマ - 文学フリマ公式サイト-お知らせ
 http://bunfree.net/
[ 2016/09/18 17:37 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

ウイスキーぼんぼん

Author:ウイスキーぼんぼん

初めて読んだミステリは『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人)。以来ミステリにどっぷりハマリ中。
「SUPER GENERATION」で水樹奈々さんに興味を持ち「Astrogation」で完全にハマる。水樹奈々オフィシャルファンクラブ「S.C. NANA NET」会員。

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好きな推理作家:島田荘司ゴッド
嫁本:アトポス)
好きな歌手:水樹奈々ちゃん
嫁曲:SUPER GENERATION)
誕生日:ヘレン・マクロイとおなじ
体型:金田一耕助とおなじ

本年度のお気に入り(国内)
御朱印巡り
集めた御朱印です。
(各都道府県参拝した順)
※記事に出来ていない寺社多数です!鋭意執筆中!
※リンクが切れているものは下書き状態です。しばらくしたら公開されます。

【東京】
・靖國神社(その1)
・靖國神社(その2)
・東京大神宮
・浅草寺 御本尊
・浅草寺 浅草名所七福神
・浅草神社
・浅草神社 浅草名所七福神
・今戸神社
・明治神宮(その1)
・明治神宮(その2)
・増上寺
・烏森神社
・神田明神
・乃木神社
・上野東照宮

【神奈川】
・鶴岡八幡宮
・建長寺
・高徳院(鎌倉大仏殿)
・長谷寺

【愛知】
・熱田神宮
・一之御前神社、別宮八剣宮
・真清田神社
・大神神社
・大須観音

【大阪】
・大阪天満宮
・豊國神社
・四天王寺
・住吉大社
・坐摩神社
・法善寺
・難波八阪神社
・道明寺天満宮
・一心寺
・安居神社
・生國魂神社
・生國魂神社 干支(申)
・生國魂神社 干支(酉)
・三光神社
・玉造稲荷神社
・今宮戎神社
・方違神社
・難波神社
・露天神社(お初天神)
・太融寺
・大鳥大社
・石切劔箭神社
・枚岡神社
・慈眼寺
・久安寺

【京都】
・鈴虫寺(その1)
・鈴虫寺(その2)
・松尾大社(その1)
・月読神社
・天龍寺
・御髪神社
・常寂光寺
・二尊院
・野宮神社
・下鴨神社(賀茂御祖神社)
・河合神社(下鴨神社摂社)
・盧山寺
・梨木神社
・白雲神社
・護王神社
・御霊神社
・下御霊神社
・平安神宮
・銀閣寺(慈照寺)
・金閣寺(鹿苑寺)
・龍安寺
・八坂神社
・八坂神社 美御前社
・八坂神社 又旅社
・八坂神社 冠者殿社
・八坂神社 青龍
・八坂神社 祇園御霊会
・伏見稲荷大社 本殿
・伏見稲荷大社 奥社奉拝所
・伏見稲荷大社 御膳谷奉拝所
・三十三間堂
・養源院
・東福寺
・建仁寺
・南禅寺(その1)
・南禅寺(その2)
・永観堂(禅林寺)
・北野天満宮
・北野天満宮 宝刀展限定「鬼切丸」
・大将軍八神社
・法輪寺(達磨寺)
・妙心寺
・妙心寺 退蔵院
・仁和寺
・建勲神社
・晴明神社
・御金神社
・八大神社
・豊国神社
・由岐神社
・鞍馬寺
・貴船神社
・六道珍皇寺
・六道珍皇寺 六道まいり
・六波羅蜜寺 都七福神
・安井金比羅宮
・知恩院 徳川家康公四百回忌
・青蓮院門跡
・青蓮院門跡 近畿三十六不動尊霊場
・粟田神社
・鍛冶神社(粟田神社末社)
・東寺
・上賀茂神社(賀茂別雷神社)
・大徳寺 本坊
・大徳寺 高桐院
・今宮神社
・妙顯寺
・三千院 御本尊
・三千院 西国薬師四十九霊場第四十五番
・三千院 聖観音
・実光院
・勝林院
・宝泉院
・寂光院
・宝厳院
・大覚寺
・清涼寺
・祇王寺
・化野念仏寺
・落柿舎
・城南宮
・飛行神社
・石清水八幡宮
・岡崎神社
・長岡天満宮
・平野神社
・法金剛院
・高台寺
・清水寺
・宝蔵寺 阿弥陀如来
・宝蔵寺 伊藤若冲
・勝林寺
・平等院 鳳凰堂
・宇治神社
・宇治上神社
・智恩寺
・元伊勢籠神社
・眞名井神社
・梅宮大社

【奈良】
・唐招提寺
・薬師寺 御本尊
・薬師寺 玄奘三蔵
・薬師寺 吉祥天女
・薬師寺 水煙降臨
・東大寺 大仏殿
・東大寺 華厳
・東大寺 二月堂
・春日大社 ノーマル
・春日大社 第六十次式年造替
・興福寺 今興福力
・興福寺 南円堂
・如意輪寺
・吉水神社
・勝手神社
・金峯山寺
・吉野水分神社
・金峯神社
・法隆寺
・法隆寺 西円堂
・中宮寺
・法輪寺
・法起寺
・元興寺
・橿原神宮
・橘寺
・飛鳥寺
・飛鳥坐神社

【和歌山】
・総本山金剛峯寺
・高野山 金堂・根本大塔
・高野山 奥之院
・高野山 女人堂
・熊野那智大社
・青岸渡寺
・飛瀧神社
・伊太祁曽神社
・國懸神宮
・紀三井寺

【滋賀】
・比叡山延暦寺 文殊楼
・比叡山延暦寺 根本中堂
・比叡山延暦寺 大講堂
・比叡山延暦寺 阿弥陀堂
・比叡山延暦寺 法華総持院東塔
・比叡山延暦寺 釈迦堂
・比叡山延暦寺 横川中堂
・比叡山延暦寺 四季講堂(元三大師堂)
・三尾神社
・三井寺 金堂
・三井寺 黄不動明王
・近江神宮

【兵庫】
・生田神社
・廣田神社
・西宮神社
・湊川神社
・走水神社
・千姫天満宮
・男山八幡宮
・水尾神社
・兵庫縣姫路護國神社
・播磨国総社 射楯兵主神社
・甲子園素盞嗚神社
・北野天満神社

【岡山】
・吉備津神社
・吉備津彦神社

【鳥取】
・白兎神社
・宇倍神社
・聖神社
・鳥取東照宮(樗谿神社)

【広島】
・吉備津神社
・素盞嗚神社
・草戸稲荷神社
・明王院
・出雲大社 福山分社
・沼名前神社(鞆祇園宮)
・福禅寺(対潮楼)

【徳島】
・大麻比古神社

【福岡】
・太宰府天満宮
・筥崎宮(筥崎八幡宮)
・住吉神社

【沖縄】
・波上宮

■朱印帳■
・京都五社めぐり
・高野山 開創1200年記念霊木朱印帳
・平安神宮 御朱印帳
・全国一の宮御朱印帳
・住吉大社 御朱印帳
・建仁寺 御朱印帳
・今戸神社 御朱印帳
・大将軍八神社 御朱印帳
・晴明神社 御朱印帳
・東寺 御朱印帳
・明治神宮 御朱印帳
・大阪市交通局 オオサカご利益めぐり御朱印帳
・北野天満宮「宝刀展」記念朱印帳
・熊野那智大社 御朱印帳

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2016年の水樹奈々さん
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