読み終わったミステリについてコメント。でも最近は脇道にそれぎみ。 このブログは水樹奈々さんを応援しています。

門左衛門 麺・串 のとり天ちくわうどん 

IMG_3384-2.jpg
門左衛門 麺・串



 門左衛門 麺・串 はJR京都駅の在来線構内にある立ち食いそば屋さん。そばだけでなくうどんも提供しています。
 メニューは豊富で、おもてには写真入りのうどんやそばがずらっと並んでいます。
 まずお店に入る前に食券を買ってから入店です。


IMG_3973_20171119203357d99.jpg
とり天ちくわ 480円



 とり天ちくわ(480円)はボリューム満点の一杯。うどんとそばの両方から選べます。
 うどんはあまりコシが無かったのですが、これはこれで京うどんっぽくて悪くないです。
 一方、上に乗っているちくわと鶏肉の天ぷらは思った以上に大きく、麺を隠してしまうほどです。見た目からすでに満足度が高いです。
 とり天は2個入り。比較的濃い目に味付けがされていて、ぷりっとした肉の食感も楽しめます。

 電車に乗る前にささっと食べることが出来るのでおすすめです。思ったより美味しかったです。
 遠方からの観光客が多く利用するお店だと思うのですが、ひょっとしたら東日本の方にとっては、澄んだ関西だしが味わえるのも良い点と言えるかも知れません。



関連ランキング:うどん | 京都駅九条駅東寺駅

スポンサーサイト
[ 2017/11/19 20:45 ] 【グルメ】 | TB(0) | CM(0)

天神橋筋商店街で天ぷらランチ!旬の肴と天ぷら 市 の旬の上天ぷら定食 

IMG_3368-2.jpg
旬の肴と天ぷら 市



 お昼ごはんを食べようと、天神橋筋商店街をブラブラしていると見つけたのが、旬の肴と天ぷら 市 です。
 おもてから少しおしゃれな内観が見えます。ランチは天丼か天ぷらの定食の2種類が主で、天ぷらの定食には様々なバリエーションがあります。


IMG_3376-2.jpg
旬の上天ぷら定食 1,150円



 一番安い日替わり定食は800円ですが、平日のみの提供です。
 それ以外だと850円からあり、上天ぷら定食でも1,500円でいただけます。100円追加で海老天ぷら1本を追加できるようでした。
 さらに定食の白ご飯は、プラス50円ほどで炊き込みご飯に変更可能のようでした。

 わたしは間を取って旬の上天ぷら定食(1,150円)をいただいてみることにしました。
 天ぷらは山盛りで提供されます。
 海老×2本、茄子、かき揚げ、ししとう、さつまいも、きす、あとかぼちゃもあったかな?玉子の天ぷらは別皿に入っているので、そのまま崩すこと無くご飯の上に乗っけることが出来ます。
 そしてなんといっても、驚いたのが白子の天ぷらです。1,150円で白子の天ぷらいただけるなんてなかなかにお得ではないでしょうか。

 天ぷら以外は、赤だし、冷奴、あと小鉢3品です。この日の小鉢は、かぼちゃの煮つけ、もやしの和物、水菜のおひたしでした。水菜のおひたしは味が濃い目で、すこし天ぷらとは併せづらかったです。

 天ぷらの内容にも、全体のボリュームにも満足です。ご飯が少なかったかな?お替わりできるような感じではなかったのが少し残念ですが、そのぶん天ぷらの量が多いので悪くはない印象。

 長屋のような店内で、手前がカウンター席、奥がテーブル席のようです。
 天丼についてはテイクアウトも可能のようで、おもての窓口から購入できるようでした。


関連ランキング:天ぷら | 扇町駅南森町駅大阪天満宮駅



[ 2017/11/18 23:52 ] 【グルメ】 | TB(0) | CM(0)

2017年度私的年間ベスト5! 

2017best.jpg


 今年は比較的ミステリが読めたほうなので、久しぶりに私的年間ベスト5を選出してみたいと思います。
 本格ミステリ寄りです。
 対象期間は2016年11月~2017年10月までに出版された本です。
 いずれも面白いので、少しでも参考になれば幸いです。
 同着5位があって6作選んでいるのをこすいとかゆわないでください。









[ 2017/11/12 20:24 ] 【気になった事】 | TB(0) | CM(0)

一田和樹「公開法廷 一億人の陪審員」 

公開法廷 一億人の陪審員公開法廷 一億人の陪審員
2017/10/23
一田 和樹

商品詳細を見る

★★★★☆



 【内容紹介】

 国民総陪審員制。ネットにアクセスして国民が重大事件の審判を下すという。世界でも類を見ない制度を日本は採用した。しかしその裏で、とんでもない事態が進行していた。サイバーミステリの名手が描く「近未来」サスペンス!




 国民が全員参加する陪審員制度を描いたミステリで、作者の作品の中でも比較的本格ミステリ度の高い作品です。 
 インターネットを介して被告人の有罪・無罪を決定するシステムで、完全にフィクションの世界なのですが、そこに描かれているのは、配信生主であったり、ニコニコ動画ようなコメント機能であったり、TwitterなどのSNSであったりと、我々インターネットユーザーがよく目にするものばかりです。2017年現在の日本で「公開法廷」というシステムは影も形もありませんが、道具立ては既に揃っていて、フィクションとは言え我々の世界と地続きの世界が描かれているのです。これから起こりうる世界という意味で、なんだかリアルなシミュレーションとして楽しめます。
 第一章 芸術大学超可能殺人事件 で、さっそく公開法廷によって真犯人が決定されるのですが、被告人3人に対して、それぞれ弁護人役と検事役が付き、検事役は被告人が何故犯人であるのか推理を披露します。それぞれの検事が考える犯人が異なっているのだから、弁護人役だけでなく、自身以外の2人の検事役も敵となりうる特殊な構造が、リーガルミステリーとして大変斬新です。また、当然ひとつの殺人事件に対して3人が被告人として吊るし上げられているため、それに付随する推理も自動的に3つ存在するわけです。そのため多重推理的な構造となり、本格ミステリとして贅沢な展開が続きます。
 この第一章だけでも本格ミステリとして読み応え抜群で、ここだけで一本長編行けるのではないかと思ったのですが、本書の主眼はそこには無いようです。公開法廷を繰り返すごとに化け物のように広がりを見せ、虚構と現実を曖昧にしてしまうシステムは、論理的謎解きによって犯人を唯一人に絞り込む「本格ミステリ」というジャンルに対して自己言及的になっていきます。実行犯の向こうに存在する何の繋がりもないメタ犯人の存在、ポスト真実によって感化された国民が多数決で決定してしまう犯人など、気づいてみれば、まるでこれは全く新しいアンチミステリではありませんか。
 あとがきによると、アメリカ大統領選挙の際には、実際にツイッター上で実際にフェイクニュースが拡散されたようですし、我々のすぐ近くにこのような新しいミステリのかたちが存在しうることに驚きました。作中では「汎戦争時代」という言葉で、今現在が戦時下であることが強調されています。笠井潔氏の「大量死論」を持ち出すまでもありませんが、歴史的事実として探偵小説の発展は戦争と共にあります。それを考えると「汎戦争時代」の果てに生まれ落ちたのが本書『公開法廷 一億人の陪審員』であるのならば、本書はまごうことなき「探偵小説 第四の波」に先鞭をつける本格ミステリと言って良いのではないでしょうか。

[ 2017/11/02 02:10 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

円居挽「その絆は対角線 日曜は憧れの国」 

その絆は対角線 (日曜は憧れの国)その絆は対角線 (日曜は憧れの国)
2017/10/21
円居 挽

商品詳細を見る

★★★★☆



 【内容紹介】

 内気な性格に悩む中学生の千鶴は、自身を変えるための新しい挑戦として、“憧れの国"と呼ばれる四谷のカルチャーセンターに通い始める。そこで出会ったのは、性格も学校もばらばらだけれど、似たような悩みを抱える桃、真紀、公子。なぜかいつも講座でささやかな謎に遭遇する彼女たちは、時にぶつかり合い、時に支え合いながら、事件を通して内面を見つめ直していく……。芸術講座で聞いた、死の間際に骨董コレクターが取った不可解な行動。創作講座で絶賛された作者不明の原稿。不思議な謎を解き明かしていくたびに、少女たちは成長する。温かく優しい筆致で描いた青春ミステリ第2弾。




 青春ミステリの傑作です。
 最近テレビなんかを観ていると、よく「若者の〇〇離れ」をいう言葉を耳にします。趣味の多様化や細分化によって、それまでの定番であった消費先に落ちるお金の割合が少なくなっていく、という問題なのですが、それ以外にも長きに渡る不景気によって消費を抑えているのも原因と言われています。そんな時代にあって、若い子は価値あるお金の使い道として、資格取得などの自己投資を行っているというのもよく耳にします。かつては「正社員に比べてバイトは不安定だけど、働きまくれば正社員より稼げる!」という価値観で正社員とバイトを天秤に掛けていた時代があるようですが、現代っ子からすれば理解の及ばないところでしょう。わたしの親世代と比べても、「勉強が嫌い」という若い子は少ないように思います。
 本書で描かれているカルチャースクールについても、いわば人としての中身を磨くためにあるものです。そのカルチャースクールで発生する出来事のあれこれは、中身を磨くことに価値を見出している現代の若い子に対して、たいへん大きな説得力をもたらしてくれることと思います。連作短編集の最終話において、犯人として告発され社会から退場させられる人物の姿を見せられるとなおさらでしょう。
 昨中において「本物」と「偽物」という二つの言葉が頻繁に並べられます。どういったものが「本物」なのか、なぜ「偽物」は駄目なのか、「偽物」であるとどういった事が起こってしまうのか、が少女たちの目を通して繊細に描かれています。ミステリとして奇抜なトリック、緻密なロジック、というものはありませんが、人の内面を推し量ることに注力された推理――相手がどんなことを考えているのか、どんな人物なのかを一生懸命考える姿――は、少女たちの成長を描く物語と密接に繋がっています。

 おすすめの一冊ですが、社会人が読むのと学生が読むのとでは、また思うところが違ってくると思います。個人的には、ぜひ学生時代に本書と出会っておくべきだと感じました。文庫書き下ろし作品というのも、そういう狙いがあるのかもしれません。教科書では教えてくれない事が書かれてあります。
 わたしなんかが偉そうに言えることではありませんが、作中で描かれているように「本物」になるのは簡単ではありません。経験も知識も時間も必要です。しかし目指す先は「本物」なのです。結果として「本物」で無い人間でも、「本物」を目指している只中の人間と、「偽物」に甘んじている人間とではまったく意味が違ってくるわけです。「偽物」である人間がそのことに気づいた時には、「本物」になるための経験も知識も時間も、全てのチャンスが既に失われているというわけです。このことは本書の最終話でも示唆的に描かれています。
 就職にも苦労せず、“モーレツ”に働いていれば金になった世代にはおそらく通じない、自己投資・自己研鑽に走る若者を描いた現代の青春ミステリとしておすすめです。最近出た『誰が死んでも同じこと』を読んでも思ったことですが、“今”を切り取って作品に盛り込むのが上手いです。そういう意味では作者らしさが表れた作品です。

[ 2017/10/30 02:24 ] 円居挽 | TB(0) | CM(0)

岡田秀文「白霧学舎 探偵小説倶楽部」 

白霧学舎 探偵小説倶楽部白霧学舎 探偵小説倶楽部
2017/10/17
岡田 秀文

商品詳細を見る

★★★☆☆



 【内容紹介】

 終戦前夜、東京から疎開してきた美作宗八郎と、寄宿学校の個性的な面々が連続殺人事件を追う! 時代に翻弄された少年たちの、推理と友情の日々を描いた戦時青春ミステリー。




 戦時下に疎開先で発生した連続殺人事件の真相を、同級生たちと一緒に追う比較的正統派の本格ミステリです。長編です。
 時代設定が戦時中であるのがミソで、肝となる犯行動機はこの時代ならではのものです。ただ、分かるのは分かるのですが、犯人とは思想が真逆の位置にいるターゲットに対して、「殺意」にまで発展するのか、というのが当時を生きていないわたしには伝わりにくいところがありました。わたしとしては、被害者たちの行動は卑怯でこすい、ずるい、という印象があって、たしかに恨みを買うだろうな、とは思ったのですが、戦時下において、お国のために忠誠を誓った人物が、本当にわたしと同じ考えを持つのか、という点にあまり実感が湧きません。
 真犯人とは別の“ある人物”がある考えのもとにとった行動については、笠井潔氏の大量死論に繋がるようなネタなのですが、その“ある人物”は世間様に顔向けできない、みっともない、という世間体を気した結果、ラストで明らかになる「ある行動」を取ります。それを考えると、当時において「みっともない行動」をとっていた被害者たちを、果たして本当に犯人は「蔑み」の念を込めて殺害するのかな、とは思います。お国のために死ぬことが名誉であり価値のある時代において、「蔑み」の為に殺した被害者たちに、結果として価値のある死を提供してしまって逆転現象が起きているように思われるのです。当時の国民の思想はよく分からないのですが、“ある人物”と真犯人の思想と行動が同一物語中に描かれていることで、なんだかちぐはぐな印象を受けます。

 少年少女が探偵団を結成して事件の謎を追う姿は、やっぱりミステリファンの心をくすぐります。サクッと読めるのも良いです。それ故に単行本ではなくて、もっと手に取りやすいカッパ・ノベルスから出してほしかったな。最近の流れから言っても、少年少女探偵団という設定から言っても、文庫書き下ろしでも良かったんじゃないかと思います。

[ 2017/10/29 01:21 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

石持浅海「賛美せよ、と成功は言った」 

賛美せよ、と成功は言った賛美せよ、と成功は言った
2017/10/11
石持浅海

商品詳細を見る

★★★☆☆



 【内容紹介】

 武田小春は、十五年ぶりに再会したかつての親友・碓氷優佳とともに、予備校時代の仲良しグループが催した祝賀会に参加した。仲間の一人・湯村勝治が、ロボット開発事業で名誉ある賞を受賞したことを祝うためだった。出席者は恩師の真鍋宏典を筆頭に、主賓の湯村、湯村の妻の桜子を始め教え子が九名、総勢十名で宴は和やかに進行する。そんな中、出席者の一人・神山裕樹が突如ワインボトルで真鍋を殴り殺してしまう。旧友の蛮行に皆が動揺する中、優佳は神山の行動に“ある人物”の意志を感じ取る。小春が見守る中、優佳とその人物との息詰まる心理戦が始まった…。




 碓氷優佳を探偵役とするシリーズ最新作です。
 帯に「モンスター」とあるのですが、そもそもこういう売り込み方をしていたでしょうか、というのをまず思いました。
 シリーズ第一弾の『扉は閉ざされたまま』で、探偵役が取る行動が人としてあまりにも非常識、というような読者からの酷評を受けて、最近は作者が開き直ってるんじゃないかと思います。しかし、今回視点人物となるのは碓氷優佳でも犯人でもなく、全く別の第三者です。犯人と探偵の攻防を冷静に見つめる、いわば実況解説者ともいえる位置づけで、場面場面で、優佳のこの言動が人間的感情に欠けている、といったことまで冷静に判断してくれます。そのため過去作と比較して感情移入はし易いような感じがします。
 フーダニット、ホワイダニット、そしてハウダニットが明らか状況の中で、それでも推理小説としても面白さが持続される本書は斬新です。直接手を下した犯人ではなく、もう少し別の立場にある人物を「犯人」として、優佳は勝負を受けて立ちます。会話の中で、主導権の行き来が明確に行われ、どのように主導権を奪取したのかその方法までも読者の前には論理的に明らかにされます。探偵と犯人の攻防に興奮でき、さらには論理性を纏った展開にはミステリの面白さを感じることが出来るでしょう。
 手掛かりを集めて、論理的謎解きによって真相にまで到達する、といったような本格ミステリとは若干毛色が違うので、そのあたりで好き嫌いは分かれそうです。ただ、人の心の揺れ動きを論理的に説明付ける、人には本音があって建前がある、といったような点は人を描いたミステリとして豊かな魅力があり、同じ本年度の西澤保彦氏の傑作『悪魔を憐れむ』をも彷彿とさせます。論理的謎解き主体の本格ミステリを書きまくった作家が到達する、ひとつの境地のようなものを感じました。

[ 2017/10/25 23:49 ] 石持浅海 | TB(0) | CM(0)

深木章子「消人屋敷の殺人」 

消人屋敷の殺人消人屋敷の殺人
2017/10/20
深木 章子

商品詳細を見る

★★★☆☆



 【内容紹介】

 覆面作家の館で次々と人が消える。屋敷に集められた男女、嵐が生み出す巨大密室、不可能な「人間消失」。読者を挑発する、大胆不敵な本格ミステリ!




 福ミス作家、深木章子さんの新作です。館もので、クローズドサークルもの、と作者にしては少しいままでとは毛色の違う作品です。
 やはりリーダビリティは高く、ほとんど一気読みです。冒頭に平面図が付いていて、ワクワクできることでしょう。トリックについても気が効いていて、その冒頭に掲げられた平面図で盲点となっている部分を、不可能現象の真相に繋げてくる点には驚きました。
 しかし、メイントリックについては、作者のミステリの傾向を知っていれば容易に真相まで到達できてしまうのが惜しいところで、かなり前半部分で気づいてしまいました。登場人物リストがないのも、読者の推理を補強してしまっています。そのメイントリックについて、推理の過程でどうしても整合の取れない部分が出てくるのですが、それを「幸田は実は〇〇〇〇だった」の一言でつじつま合わせしてしまうのは、小手先だけで片付けている印象を拭えません。
 メイントリックを推せないのが残念ですが、土砂崩れで〇〇があっさり海の藻屑となる展開であるとか、渡り廊下を利用したアレとか、消人屋敷は実は〇〇屋敷だった、という真相であるとかはバカミス方向に振れていて、小ネタは推せるところが多く、全体として評価しづらいところがあります。
 タイトルやあらすじはキャッチーだし、リーダビリティーの高さで読ませるし、佳作であるのは間違いありません。

[ 2017/10/23 02:18 ] 深木章子 | TB(0) | CM(0)

円居挽「誰が死んでも同じこと」 

誰が死んでも同じこと誰が死んでも同じこと
2017/10/17
円居 挽

商品詳細を見る

★★★★☆



 【内容紹介】

 日本を代表する一大コンツェルンの中枢・河帝商事の創業者一族が相次いで殺された。相続争いと思いきや、被害者は一族の中で出来のいい方ではなかった……。ならば、劣等な者を切り捨てようという犯罪なのか!? 警察庁から派遣されたキャリア捜査官・十常寺迅は、河帝商事の内部事情をよく知る秘書の灰原円に無理矢理協力させ、一族の暗部に踏み込んでいく。連続殺人犯の、恐るべき動機とは!? 本格ミステリ的御家騒動、顛末記。




 「法廷ミステリの貴公子」という異名は今回は影を潜めて、「京大ミス研の鬼子」としてのリリースです。帯に書いてます。
 「貴公子」とか「鬼子」とか、読む前は適当なこと書いてるんじゃないかと思っていたのですが、読んでみると本書の場合は意外と適切な表現なのかもしれません。
 連作短編集で、ルヴォワールシリーズのような法廷ミステリではありません。企業内での立ち回り、出世、成績ランキングが描かれており、企業小説・リーマン小説とも言える内容です。いわゆる「勝ち組」「負け組」の格差が広がった現代日本社会を描いている点では今風ともいえる内容なのですが、エンタメとして楽しめるよう社会派臭は控えめ。
 犯行動機は、いわゆる「狂人の論理」に属するものが揃っているのですが、「勝ち組の理論」の延長としてそれを描いているのがミステリとして斬新なところだと思います。社会人としての地位獲得のための行動、企業人としてトップに立つ者の理論が、ミステリとしては重要な位置づけとなっています。作者の円居挽氏自身が京都大学卒業、という「勝ち組」のポジションにいるため、その作者の視点が物語にも活きているように感じました。そういう意味で、最初に書いた「京大ミス研の鬼子」の「京大」というところを前に出してくるのは、間違っていないのかもしれません。
 ミステリとしての核であるエリート気質の犯行動機には狂気を感じますが、実はかなり早い段階から読者の目の前にそれがぶらさがってたのには驚かされます。理解が及ばぬがゆえに、それが真相であることに気づかないのです。大胆な仕掛けです。
 一方で、まったくの「あちら側」の人間として終わらせないのが、多少なりとも読後感を良い方向へと向かわせていて、フィニッシングストロークたる主人公の最後のセリフによって、犯人がとった行動には少し救いを感じます。
 このクライマックスもそうなのですが、探偵と犯人の一対一の構図へと持っていったうえで、相手の言動を利用して、相手自身を「詰み」の状態へと持っていくのは、リーガルミステリーがオハコの作者らしいところだと思います。印象的は犯人役の設定もそう。作者の良いところがラストでしっかりと出てきてくれます。
 過去にあまり読んだことの無いタイプのミステリですが、円居挽ミステリを感じることが出来ると思います。最近作者の新刊ラッシュが続いていますが、『逆転裁判』よりこっちかな?おすすめです。

[ 2017/10/22 01:54 ] 円居挽 | TB(0) | CM(0)
スポンサードリンク
プロフィール

ウイスキーぼんぼん

Author:ウイスキーぼんぼん

初めて読んだミステリは『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人)。以来ミステリにどっぷりハマリ中。
「SUPER GENERATION」で水樹奈々さんに興味を持ち「Astrogation」で完全にハマる。水樹奈々オフィシャルファンクラブ「S.C. NANA NET」会員。

FC2プロフへ
mixi(放置中)
Twitterはじめました
食べログもはじめました(NEW!)

好きな推理作家:島田荘司ゴッド
嫁本:アトポス)
好きな歌手:水樹奈々ちゃん
嫁曲:SUPER GENERATION)
誕生日:ヘレン・マクロイとおなじ
体型:金田一耕助とおなじ

本年度のお気に入り(国内)
御朱印巡り
集めた御朱印です。
(各都道府県参拝した順)
※記事に出来ていない寺社多数です!鋭意執筆中!
※リンクが切れているものは下書き状態です。しばらくしたら公開されます。

【東京】
・靖國神社(その1)
・靖國神社(その2)
・東京大神宮
・浅草寺 御本尊
・浅草寺 浅草名所七福神
・浅草神社
・浅草神社 浅草名所七福神
・今戸神社
・明治神宮(その1)
・明治神宮(その2)
・増上寺
・烏森神社
・神田明神
・乃木神社
・上野東照宮

【神奈川】
・鶴岡八幡宮
・建長寺
・高徳院(鎌倉大仏殿)
・長谷寺

【愛知】
・熱田神宮
・一之御前神社、別宮八剣宮
・真清田神社
・大神神社
・大須観音

【大阪】
・大阪天満宮
・豊國神社
・四天王寺
・住吉大社
・坐摩神社
・法善寺
・難波八阪神社
・道明寺天満宮
・一心寺
・安居神社
・生國魂神社
・生國魂神社 干支(申)
・生國魂神社 干支(酉)
・三光神社
・玉造稲荷神社
・今宮戎神社
・方違神社
・難波神社
・露天神社(お初天神)
・太融寺
・大鳥大社
・石切劔箭神社
・枚岡神社
・慈眼寺
・久安寺

【京都】
・鈴虫寺(その1)
・鈴虫寺(その2)
・松尾大社(その1)
・月読神社
・天龍寺
・御髪神社
・常寂光寺
・二尊院
・野宮神社
・下鴨神社(賀茂御祖神社)
・河合神社(下鴨神社摂社)
・盧山寺
・梨木神社
・白雲神社
・護王神社
・御霊神社
・下御霊神社
・平安神宮
・銀閣寺(慈照寺)
・金閣寺(鹿苑寺)
・龍安寺
・八坂神社
・八坂神社 美御前社
・八坂神社 又旅社
・八坂神社 冠者殿社
・八坂神社 青龍
・八坂神社 祇園御霊会
・伏見稲荷大社 本殿
・伏見稲荷大社 奥社奉拝所
・伏見稲荷大社 御膳谷奉拝所
・三十三間堂
・養源院
・東福寺
・建仁寺
・南禅寺(その1)
・南禅寺(その2)
・永観堂(禅林寺)
・北野天満宮
・北野天満宮 宝刀展限定「鬼切丸」
・大将軍八神社
・法輪寺(達磨寺)
・妙心寺
・妙心寺 退蔵院
・仁和寺
・建勲神社
・晴明神社
・御金神社
・八大神社
・豊国神社
・由岐神社
・鞍馬寺
・貴船神社
・六道珍皇寺
・六道珍皇寺 六道まいり
・六波羅蜜寺 都七福神
・安井金比羅宮
・知恩院 徳川家康公四百回忌
・青蓮院門跡
・青蓮院門跡 近畿三十六不動尊霊場
・粟田神社
・鍛冶神社(粟田神社末社)
・東寺
・上賀茂神社(賀茂別雷神社)
・大徳寺 本坊
・大徳寺 高桐院
・今宮神社
・妙顯寺
・三千院 御本尊
・三千院 西国薬師四十九霊場第四十五番
・三千院 聖観音
・実光院
・勝林院
・宝泉院
・寂光院
・宝厳院
・大覚寺
・清涼寺
・祇王寺
・化野念仏寺
・落柿舎
・城南宮
・飛行神社
・石清水八幡宮
・岡崎神社
・長岡天満宮
・平野神社
・法金剛院
・高台寺
・清水寺
・宝蔵寺 阿弥陀如来
・宝蔵寺 伊藤若冲
・勝林寺
・平等院 鳳凰堂
・宇治神社
・宇治上神社
・智恩寺
・元伊勢籠神社
・眞名井神社
・梅宮大社

【奈良】
・唐招提寺
・薬師寺 御本尊
・薬師寺 玄奘三蔵
・薬師寺 吉祥天女
・薬師寺 水煙降臨
・東大寺 大仏殿
・東大寺 華厳
・東大寺 二月堂
・春日大社 ノーマル
・春日大社 第六十次式年造替
・興福寺 今興福力
・興福寺 南円堂
・如意輪寺
・吉水神社
・勝手神社
・金峯山寺
・吉野水分神社
・金峯神社
・法隆寺
・法隆寺 西円堂
・中宮寺
・法輪寺
・法起寺
・元興寺
・橿原神宮
・橘寺
・飛鳥寺
・飛鳥坐神社

【和歌山】
・総本山金剛峯寺
・高野山 金堂・根本大塔
・高野山 奥之院
・高野山 女人堂
・熊野那智大社
・青岸渡寺
・飛瀧神社
・伊太祁曽神社
・國懸神宮
・紀三井寺

【滋賀】
・比叡山延暦寺 文殊楼
・比叡山延暦寺 根本中堂
・比叡山延暦寺 大講堂
・比叡山延暦寺 阿弥陀堂
・比叡山延暦寺 法華総持院東塔
・比叡山延暦寺 釈迦堂
・比叡山延暦寺 横川中堂
・比叡山延暦寺 四季講堂(元三大師堂)
・三尾神社
・三井寺 金堂
・三井寺 黄不動明王
・近江神宮

【兵庫】
・生田神社
・廣田神社
・西宮神社
・湊川神社
・走水神社
・千姫天満宮
・男山八幡宮
・水尾神社
・兵庫縣姫路護國神社
・播磨国総社 射楯兵主神社
・甲子園素盞嗚神社
・北野天満神社

【岡山】
・吉備津神社
・吉備津彦神社

【鳥取】
・白兎神社
・宇倍神社
・聖神社
・鳥取東照宮(樗谿神社)

【広島】
・吉備津神社
・素盞嗚神社
・草戸稲荷神社
・明王院
・出雲大社 福山分社
・沼名前神社(鞆祇園宮)
・福禅寺(対潮楼)

【徳島】
・大麻比古神社

【福岡】
・太宰府天満宮
・筥崎宮(筥崎八幡宮)
・住吉神社

【沖縄】
・波上宮

■朱印帳■
・京都五社めぐり
・高野山 開創1200年記念霊木朱印帳
・平安神宮 御朱印帳
・全国一の宮御朱印帳
・住吉大社 御朱印帳
・建仁寺 御朱印帳
・今戸神社 御朱印帳
・大将軍八神社 御朱印帳
・晴明神社 御朱印帳
・東寺 御朱印帳
・明治神宮 御朱印帳
・大阪市交通局 オオサカご利益めぐり御朱印帳
・北野天満宮「宝刀展」記念朱印帳
・熊野那智大社 御朱印帳

最新のつぶやき
2016年の水樹奈々さん
ハーイ!ハーイ! ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!