読み終わったミステリについてコメント。でも最近は脇道にそれぎみ。 このブログは水樹奈々さんを応援しています。

浅倉秋成「教室が、ひとりになるまで」 

教室が、ひとりになるまで教室が、ひとりになるまで
2019/3/1
浅倉 秋成 (著)

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★★★★☆



 【内容紹介】

 私立北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります」という、同じ文言の遺書を認めて。垣内友弘にとって三人の死は疑いようもなく自殺―のはずだった。白瀬美月の言葉を聞くまでは。「三人とも自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」最高のクラスで、何故『自殺』は起きたのか。『犯人』の目的は何なのか。伏線の狙撃手が贈る、慟哭の本格青春ミステリ。




 『2020年本格ミステリ・ベスト10』にランクインした作品。ずっと積んでいたので片付けました。
 初めて読む作家さんです。
 読む前は勝手に、日常の謎であったり、学校生活と学内で起こった事件を解決して、恋したり喧嘩したり、それでも僕たちは固い友情で結ばれている!といったようなライトな物語を想像していたのですが、それは概ね間違っていないんだけど、決してライトな物語ではなくて、「あいつウゼー」「先コーウゼー」の「ウゼー」の部分を容赦なく抉ってくるなかなかにヘビーな青春物語でした。
 高校生が物語の主人公で、いってみれば青春真っ只中。反抗期でもあり、物事を斜めに見てしまうのは仕方がないところだと思います。上っ面だけの綺麗な物語ではなくて、「ウゼー、あいつ死ねばいいのに」といった、思春期特有の「負」の感情を容赦なく、しかし実に正直に真正面から描いてるのがかなり好感が持てました。と同時に、そういった正直な描写が、読者の感情移入を誘発してしまっていて、ラストに主人公を見舞う怒涛の悲劇によって、サンドバックになってしまう主人公の姿は、見ていてこちらも辛くなりました。主人公を支えていたあれやこれやのエピソードが、クライマックスでこのように翻ってしまうのか、という本格ミステリ的な技量にも感心しましたが、それ以上に、社会に出ていない無知で不安を抱えた高校生の、落下していく物語と見事に結びついてしまうのが衝撃的です。作者の「伏線の狙撃手」という異名はこのあたりからくるのだな、と大変納得。
 「スクールカースト」を題材にしたミステリとしても注目の一作です。下層の人間は上層の人間を「富国強兵」と揶揄し、一方で上層の人間は「上はいない、下がいるだけだ」といったような視点と考えは面白く読みました。
 スクールカーストに支配され、「ウゼー」クラスメイトばかりの狭い世界でも、狭い世界だからこその救済が描かれ幕を閉じるラストは、その余韻と相まって良い読後感を残してくれます。
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[ 2020/01/22 19:16 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

西澤保彦「逢魔が刻 腕貫探偵リブート」 

逢魔が刻 腕貫探偵リブート逢魔が刻 腕貫探偵リブート
2019/12/20
西澤 保彦 (著)

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★★★☆☆



 【内容紹介】

 神出鬼没の公務員探偵「腕貫さん」を“だーりん”と呼び慕う、美貌の女子大生・住吉ユリエ。同級生の小泊瀬海人から「親族が関わった殺人事件を題材にミステリ小説を書いてみたい」と相談され、大乗り気でストーリー作りに着手するが―(「ユリエの本格ミステリ講座」)。鳥遊葵、阿藤江梨子、安達真緒、水谷川刑事etc.…お馴染みの面々も四年ぶりに集結。腕貫シリーズのホームタウン櫃洗市で続発する、禍々しくも珍妙な事件を描いた連作ミステリ!




 久しぶりに読みました、腕貫探偵の最新作です。
 短編集で、全4編収録です。


 【収録作品】

 「ユリエのお見合い顛末記」
 「逢魔が刻」
 「マインド・ファック・キラー」
 「ユリエの本格ミステリ講座」



 全短編いずれも舞台が櫃洗市こそあれ、腕貫探偵は最終話の「ユリエの本格ミステリ講座」でちょろっと登場するくらい。こんなに出没率低かったっけな、と懐かしさ半分物足りなさ半分で読み終えました。
 おそらく勝負作は表題作の「逢魔が刻」だと思われますが、本格ミステリとしてみた場合、「ユリエの本格ミステリ講座」も少し変わった趣向で面白い作品です。
 「ユリエの本格ミステリ講座」については、端から事件の真相を解明することが目的ではなく、事件を本格ミステリとして最も面白くするには、与えられたデータをどう組み合わせ、解釈するのが良いのか、ということを最優先した推理が描かれます。こういった「開き直り」を露骨に前面に出して、公務員である腕貫探偵にアドバイスを仰ぐのは、展開としてもはや完全に「漫画」で軽いノリで読めます。しかし、真相なんて二の次三の次、ビール片手にグビグビやりながら、「九マイルは歩くには遠い」というようなニュアンスで雑談混じりに途方も無い可能性まであれやこれや考えるのは、そもそもかつての西澤保彦の真骨頂であって、それを本作でもやってみせただけ、という見方も出来なくはありません。本作で重要なのは、そういった妄想推理に対して、これもまた西澤ミステリの重要な要素である「性的マイノリティー」と「記憶の曖昧さ」の二要素を絶妙なバランスに配置したところにあります。前者は事件関係者の人間関係に意外な視点をもたらし、後者についてはクライマックスにおけるサプライズの起爆剤になっています。
 ほか、全作品中サプライズという点では「逢魔が刻」に軍配が上がるところでしょうか。この作品についても「記憶の曖昧さ」が重要なテーマになっており、曖昧な記憶を手がかりに積み重ねた推理が、最後には意外形でフーダニットへと結びつきます。

 曖昧な記憶が事実と妄想の境界線を霞ませ、性的マイノリティは男と女の性の境界線をぼやかします。「本格ミステリ講座」ではもはや事実そっちのけでフィクションとしての面白さを追求し、両者を明確に区分しながらも、結果的に最後には何故か交わってしまう――こういった「境界線」が曖昧となった作品ばかりが収録されています。そういう意味で昼と夜を曖昧な状態で分かつ“逢魔が刻”というタイトルは、本短編集全体を見事に象徴しており、西澤ミステリの美しさを端的に表現したタイトルであると思います。

[ 2020/01/20 19:27 ] 西澤保彦 | TB(0) | CM(0)

初撮り! Super Takumar 55mm F1.8 を持って京都の町を歩く旅。 

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 こんにちは!
 管理人のウイスキーぼんぼんです。

 昨年末に購入したオールドレンズ「Super Takumar 55mm F1.8」のテスト撮影をしてきました。


[ 2020/01/19 12:26 ] 【写真・カメラ】 | TB(0) | CM(0)

映画「十二人の死にたい子どもたち」 

十二人の死にたい子どもたち十二人の死にたい子どもたち
2019

杉咲花 (出演), 新田真剣佑 (出演), 堤 幸彦 (監督)

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★★☆☆☆



 【内容紹介】

 その日、十二人の未成年たちが、安楽死を求め廃病院の密室に集まった。「みんなで死ねば、怖くないから」ところが、彼らはそこで十三人目のまだ生あたたかい死体に遭遇。突然の出来事にはばまれる彼らの安楽死。あちこちに残る不自然な犯行の痕跡、次々と起こる奇妙な出来事。彼らだけしか知らない計画のはず。まさかこの十二人の中に殺人鬼が……?死体の謎と犯人をめぐり、疑心暗鬼の中ウソとダマしあいが交錯し、十二人の死にたい理由が生々しくえぐられていく。




 『2020年本格ミステリ・ベスト10』の映像本格のコーナーで紹介されていた作品です。
 ここ最近2019年のミステリ映画を集中的に観ていて、『賭ケグルイ』『コンフィデンスマンJP』『マスカレード・ホテル』『アルキメデスの大戦』と良い流れが来ていたのが、ここに来てこの『十二人の死にたい子どもたち』で断ち切られた感が強い一作でした。
 冲方丁氏の小説が原作のようですが、今日も今日とて原作未読、前情報無しでの観賞です。
 こういった十数人集まってテーブルディスカッションをする形式の映画は、もはやこういう設定にしさえすれば、内容の如何に関わらずミステリ映画史に名前を刻むのがずるいです。
 結末は想像通りで、テーブルディスカッションの方に注目すべき内容ですが、ネットで知り合った者同士、素性の分からぬ者同士で推理しだすものだから、まあ伏せ事が多いの多いの。お互いをある程度信頼しだしてからぽつりぽつりといった感じで「実は…」と新事実(手がかり)を口にして、ディスカッションが先へと進んでくので、パズル的な謎解きとは味わいが異なります。13人目(0人目)の死体の正体と、それを仕込んだ人物についても「そんな理由でだまっとったんかい」と、拍子抜け。
 軽々しく自殺という選択肢を選ぶ若者たちに対する、自殺防止の啓蒙にはなるかもしれません。多数決によって運命が決まり、軽々しく運命が翻る終盤は、安易な自殺と表裏一体で結末としては必然的なようにも思えるのですが、なんと言うか上手く説明できませんが、ラストシーンの晴れやかな表情は、なんだかすごく気持ち悪かったです。客観的に見れば軽々しい選択に思えることも、当人たちにとっては真剣に悩んでいた事のはずで、それが幾ばくかのディスカッションによって、あのような晴れやかな表情と結びついてしまうのは、わたしから見れば違和感しか有りませんでした。
 あとひねくれた見方だとは思うのですが、こういう若手俳優をずらっと揃えられると、どうしても彼らのプロモーション映像のように見えてしまい、それが結局物語(脚本)は二の次三の次で良かったんだな、というマイナスイメージを抱いてなりません。

 ※1月31日に金曜ロードショーで放送予定みたいですので、まだ観ていない方はそちらで観るのをおすすめします。





[ 2020/01/14 19:32 ] 【映像】 | TB(0) | CM(0)

映画「アルキメデスの大戦」 

アルキメデスの大戦アルキメデスの大戦
2019

菅田将暉 (出演), 柄本佑 (出演), 山崎貴 (監督)

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★★★★★



 【内容紹介】

 1933年。欧米列強との対立を深め、軍拡路線を歩み始めた日本。海軍省は、世界最大の戦艦を建造する計画を秘密裏に進めていた。だが「今後の海戦は航空機が主流」という自論を持つ海軍少将・山本五十六は、100年に一人の天才と言われる元帝国大学の数学者・櫂直と共に、巨大戦艦の建造がいかに国家予算の無駄遣いか、独自に見積もりを算出して明白にしようと考えていた…。これは、数学で戦争を止めようとした男の物語。




 『2020年本格ミステリ・ベスト10』の映像本格のコーナーで紹介されていた作品です。円盤の発売はまだ先ですが、各動画配信サイトではすでに配信が開始されているので早速観てみることにしました。
 「戦艦大和」を題材にした映画は数多くあるのは知っていますが、ほとんど、というか全くと言っていいほど観たことがないわたしですが、本作の着眼点が変わったものであるのはなんとなく理解できます。戦艦大和の活躍を描いた作品ではなく、いわば戦艦大和の建造秘話を描いた作品です。しかも海上での大戦シーンが描かれるのは冒頭の5分ほどで、その後はひたすら新型巨大戦艦の積算に物語の焦点が当たります。
 ミステリとしても、限りある時間のなかで、いかようにして見積もりを完成させるのか、といったタイムリミットサスペンスが楽しめるため、道中の展開も非常に面白く観ることが出来ます。菅田将暉演じる櫂直が、いわば「変人型の名探偵」としても見ることが出来、彼の下につく田中正二郎とのコンビはさながらホームズ&ワトソン的なバディとして、ミステリファンには親しみやすいのではないかと思います。

 特に、物語後半の展開が熱いです。
 櫂直の一刀両断の「推理」によって、新型戦艦建造計画会議の流れが一気に逆転するのは、舘ひろしや國村隼らの抜群の演技とも相まって、観ているこちらも思わず「よっしゃ!」とガッツポーズしてしまいます。しかし「巨大戦艦の建造費」という巨大な謎が解かれてからが、じつは本物語の本番なのです。
 櫂直が、数学によって世界を変えようと抗いながらも、大きな時代のうねりには巻き込まれるしか無いという無力感が、建造計画会議に参加したある人物の言葉によって絶望とともに浮き彫りにされてしまいます。誰よりも戦況を分かっていながら、しかしもはやそうするしかない状況に人が立った時に、それを実行させるのは「狂気の論理」なのか。『本ミス』にて評論家の千街氏は「狂気の逆説ロジック」という言葉で評していますが、わたしはその動機を「美しい」と感じてしまいました。美しく散ろうとし、散ち方までもを考える点は日本人らしいと思うし、それを「戦艦大和」の物語に重ねたのには正直感動しました。

 厳密に観ていくと史実とは違う点などツッコミどころはあろうと思いますが、エンタメ作品としては個人的にめちゃくちゃツボです。
 形はどうあれ、平和を願った人々の想いを乗せた「戦艦大和」はやはり偉大だったのだ。











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広島県呉市の大和ミュージアム

[ 2020/01/13 14:33 ] 【映像】 | TB(0) | CM(0)

映画「マスカレード・ホテル」 

マスカレード・ホテルマスカレード・ホテル
2019
木村拓哉 (出演), 長澤まさみ (出演), 鈴木雅之 (監督)

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★★★★☆



 【内容紹介】

 都内で起こった3つの殺人事件は、予告連続殺人として捜査が開始された。警視庁捜査一課の刑事・新田浩介は、次の犯行場所がホテル・コルテシア東京であることを突き止める。警察は、コルテシア東京での潜入捜査を決断し、新田がホテルのフロントクラークとして犯人を追うこととなる。事件は急展開を迎え、追い込まれていく警察とホテル。果たして、仮面(マスカレード)を被った犯人の正体とは…。




 東野圭吾氏の同名小説の映画化。『2020年本格ミステリ・ベスト10』の映像本格のコーナーでタイトルが上がっていて、タイミングよく地上波でノーカット版が放送されたので観てみました。
 まったく期待していなかったせいか、大変面白く観れました。先日観た『コンフィデンスマンJP』でも見た顔がこっちにも出ていて、配役については他にいなかったのか、とは思ったものの、内容についてはしっかり本格ミステリしていて好感触です。
 刑事のキムタクがホテルの潜入捜査をするのですが、彼にホテルマンとしての立ち振舞いを指導するのが長澤まさみです。序盤は凸凹コンビで文句を言い合っているのですが、刑事としての眼差しがフロントマンに影響を与え、その逆にフロントマンのお客様に対する視線が、警察の抱える事件を解決に導くヒントになったりと、相互作用が働いていくのが面白いです。
 序盤は連作短編集を読んでいるかのごとく、いわく有りげなお客さんが次々とホテルに現れて、「このお客、実は…」という感じで意外な正体が明らかにされる展開が続きます。1本の映画の中でこういった展開を行うのはたいへんボリューミーで、ミステリとしてネタ量も多く満足度は高いです。しかし、実はそれが完全にミスリードであることがクライマックスで明らかになるのには度肝を抜かれました。一度舞台から退場した人間を再び舞台の中央へと呼び戻す演出と、さらに犯人にとっての本当のターゲット(被害者)も意外性抜群。それだけではなく、そこまで映画を観てきた視聴者ならだれもが納得するような犯行動機――つまり、この犯行動機すら視聴者には推測可能なのです。それまで見ていたものが裏返って別な意味を持つ時、犯人の正体、被害者、犯行動機、犯行手段すべてが一気に芋づる式に明らかになるのです。本作ひとつで犯人と犯行に関する諸々が、すべてが特定可能、という本格ミステリ特有の「閉じた美しさ」がある映像作品です。映像映えする手がかりと豪華な舞台、本格ミステリファンは一見の価値ありです。





[ 2020/01/09 19:53 ] 【映像】 | TB(0) | CM(0)

澤村伊智「予言の島」 

予言の島予言の島
2019/3/15
澤村伊智

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★★★★☆



 【内容紹介】

 「わたしは死ぬよ。言葉で。呪いで」
 瀬戸内海に浮かぶ霧久井島は、かつて一世を風靡した霊能者・宇津木幽子が生涯最後の予言を遺した場所だ。彼女の死から二十年後、《霊魂六つが冥府へ堕つる》という――。
 天宮淳は幼馴染たちと興味本位から島へ向かうが、宿泊予定の旅館は、怨霊が下りてくるという意味不明な理由でキャンセルされていた。
 そして翌朝、幼馴染みのひとりが遺体となって発見される。しかし、これは予言に基づく悲劇のはじまりに過ぎなかった。
 不思議な風習、怨霊の言い伝え、「偶然」現れた霊能者の孫娘。祖母の死の真相を突き止めに来たという、彼女の本当の目的とは……。
 あなたは、真実に気づくことができるか――。島の秘密が暴かれたとき、惨劇の幕が開く。




 『2020年本格ミステリ・ベスト10』にランクインした作品で、未読だったので読んでみました。
 初めて読む作家さんです。もともとホラー畑の方のようで、本作が初の本格ミステリとのことらしい。
 かつて霊能力者が大量死を予言した島が舞台で、そこへ赴くまでの展開と、島へ上陸してから姿の見えない「怨霊」に戦々恐々とする展開は、読んでいて非常にワクワクしました。怨霊の正体については「下りてくる」という表現で早いうちに見当が付いてしまうのが残念ですが、ホラー作家ということもあってかリーダビリティーは抜群。訳が分からないまま島の人間が命を落としていくのは不気味です。
 メイントリックについては、さんざん既出のもので、作者自身も作中で間接的に言及していることから、ネタかぶりはおそらくわざとやっているのでしょう。先の「怨霊」の正体といい、仕掛けられたネタは単体で見ていくと小粒感は否めないのですが、それらが「呪縛」というキーワードの名のもとに繋がりあった時、それまでの超自然的現象であった予言や怨霊といったあれこれが、とたんに日常レベルへと着地してしまう恐ろしさがあります。誰にとってもとてつもなく近しい存在が怨霊となり呪縛となる瞬間、それがとても近い存在なだけにその力も大きく、サプライズも大きいです。
 トリックの小粒感や、「怨霊」の正体が判明して以降の後半の失速感が少し惜しい気もしました。こっち方面の土俗的ホラーミステリの書き手には、作中にも出てくる(!)三津田信三氏というビッグネームがいるので、澤村伊智さんにしか書けないホラーミステリを今後は期待したいです。

[ 2020/01/08 22:52 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

三津田信三「九孔の罠 死相学探偵7」 

九孔の罠 死相学探偵7九孔の罠 死相学探偵7
2019/12/24

三津田 信三

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★★★☆☆



 【内容紹介】

 黒術師の右腕とついに直接対決!シリーズはいよいよ佳境へ!

 超能力者を極秘で養成するダークマター研究所。そこでは、経費削減のため、成長が見込めない「年長組」の一部リストラが囁かれていた。そんな中、「年長組」の1人・沙紅螺が帰宅中、背後に現れた不気味な黒い影に追われる事件が発生。依頼を受けた俊一郎は、黒術師に唆された研究所関係者の仕業と考え、黒捜課の曲矢刑事らと警戒態勢を敷く。だが、なぜか新恒警部の姿が見えず、俊一郎は不安になる。待望のシリーズ第7弾!




 ラストバトル前夜とも言えるシリーズ後半戦で、本作においていよいよ黒術師の右腕と対決することになります。
 今回は「九孔の穴」という魔術を駆使する犯人との対決ですが、探偵サイドの真の標的は黒術師の右腕である黒衣の女というのがポイントです。黒衣の女&実行犯VS死相学探偵&黒捜課という特殊な対決構造が、メイントリック成立の鍵となっていて、本シリーズならではのサプライズを見事に成功させています。犯人側によるトリックよりも、黒衣の女のあぶり出し方に独創性があり、ミステリとしてはかなりの大ネタが投入されている印象です。いよいよあの人物も表に出てきたりして、そういった探偵側による大仕掛けが、逆説的に対決相手の強大さを表しており、「右腕」でここまでのことをやったのならば、ラスボスの「黒術師」との対決は一体どうなるのだろう、とシリーズの今後をも期待させるような内容でした。

[ 2020/01/06 19:10 ] 三津田信三 | TB(0) | CM(0)

映画「コンフィデンスマンJP ロマンス編」 

コンフィデンスマンJP ロマンス編コンフィデンスマンJP ロマンス編
2019
監督 田中亮
主演 長澤まさみ, 東出昌大, 小手伸也

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★★★★☆



 【内容紹介】

 華麗に大胆に悪人を騙し続ける百戦錬磨のコンフィデンスマン(=信用詐欺師)、ダー子、ボクちゃん、リチャード、そして五十嵐。
 次なるオサカナ(=ターゲット)は、香港マフィアの女帝で、その冷酷さから<氷姫>という異名を持つラン・リウ。彼女が持つと言われている伝説のパープルダイヤを狙って、一行は香港へ。
 ランに取り入ろうと様々な策を講じるが、なかなかエサに食いつかず苦戦する。そんな中、天才詐欺師ジェシーが現れ、同じくランを狙っていることがわかる。そして、以前ダー子たちに騙され恨みを持つ日本のヤクザ・赤星の影もちらつき始め、事態は予測不可能な展開に。
 騙し騙されの三つ巴の戦いを制するのは誰なのか! ? 史上最大のコンゲームが始まる! !




 『2020年本格ミステリ・ベスト10』の映像本格のコーナーで紹介されていた作品です。
 小説原作の作品では無いようで、ストーリーは完全オリジナル。とはいえ、事前にテレビドラマが放送されており、それの劇場版という位置づけです。
 例のごとく本作についてもTVドラマは一切観ずにいきなり観賞してみたのですが、楽しむぶんには問題ありませんでした。TVドラマに登場した俳優がちょい役で出ていたりするので、当然TVドラマを観ていればより楽しめることとは思いますが、本作を観るためにTVドラマを一から観る、というようなことはしなくても良いです。そんなことをせずとも、クライマックスの巨大なサプライズを味わうことは可能です。
 ちょうど、年末年始の特別番組に、いわゆる「ドッキリ」がTVで放送されていたのですが、まさしく本作もそれです。ターゲット(オサカナ)だけでなく視聴者をも巻き込んで、ものの見事に最後にはすべてがひっくり返ります。今まで我々は何を観せられていたのだ、と呆然とすると同時に、引っ掛けられたターゲット共々、我々視聴者も、思わず「…どこから?」とつぶやいてしまうこと請け合いです。
 クライマックで時計の針が戻され、怒涛の伏線回収が始まるのは圧巻です。あのシーンがあそこへ繋がり、あのシーンの本当の意味はこれこれで、といった説明が一気に行われて、すべてのシーンが納まるところに納まって巨大な詐欺(犯行計画)が姿を現す瞬間は、テンポの良さと相まって爽快感が抜群です。

 TVドラマと地続きの劇場版なので、キャラクターの一切の説明は省かれているため、この劇場版単体での評価は下げざるを得ません。しかしもしこれを彼らキャラクターを利用せず完全独立の作品として成立させていたなら、問答無用の大傑作ミステリ映画となっていたことでしょう。
 とはいえ、本作についても「大傑作」とは言わないまでも、控えめに言って「傑作」と言って良いと思います。ミステリファン必見です。


[ 2020/01/05 18:44 ] 【映像】 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

ウイスキーぼんぼん

Author:ウイスキーぼんぼん

初めて読んだミステリは『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人)。以来ミステリにどっぷりハマリ中。
「SUPER GENERATION」で水樹奈々さんに興味を持ち「Astrogation」で完全にハマる。水樹奈々オフィシャルファンクラブ「S.C. NANA NET」会員。

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好きな推理作家:島田荘司ゴッド
嫁本:アトポス)
好きな歌手:水樹奈々ちゃん
嫁曲:SUPER GENERATION)
誕生日:ヘレン・マクロイとおなじ
体型:金田一耕助とおなじ

本年度のお気に入り(国内)
御朱印巡り
集めた御朱印です。
(各都道府県参拝した順)
※記事に出来ていない寺社多数です!鋭意執筆中!
※リンクが切れているものは下書き状態です。しばらくしたら公開されます。

【東京】
・靖國神社(その1)
・靖國神社(その2)
・東京大神宮
・浅草寺 御本尊
・浅草寺 浅草名所七福神
・浅草神社
・浅草神社 浅草名所七福神
・今戸神社
・明治神宮(その1)
・明治神宮(その2)
・増上寺
・烏森神社
・神田明神
・乃木神社
・上野東照宮
・波除稲荷神社
・富岡八幡宮

【神奈川】
・鶴岡八幡宮
・建長寺
・高徳院(鎌倉大仏殿)
・長谷寺

【愛知】
・熱田神宮
・一之御前神社、別宮八剣宮
・真清田神社
・大神神社
・大須観音

【大阪】
・大阪天満宮
・豊國神社
・四天王寺
・住吉大社
・坐摩神社
・法善寺
・難波八阪神社
・道明寺天満宮
・一心寺
・安居神社
・生國魂神社
・生國魂神社 干支(申)
・生國魂神社 干支(酉)
・生國魂神社 干支(戌)
・三光神社
・玉造稲荷神社
・今宮戎神社
・方違神社
・難波神社
・露天神社(お初天神)
・太融寺
・大鳥大社
・石切劔箭神社
・枚岡神社
・慈眼寺
・久安寺
・多治速比売神社

【京都】
・鈴虫寺(その1)
・鈴虫寺(その2)
・松尾大社(その1)
・月読神社
・天龍寺
・御髪神社
・常寂光寺
・二尊院
・野宮神社
・下鴨神社(賀茂御祖神社)
・河合神社(下鴨神社摂社)
・盧山寺
・梨木神社
・白雲神社
・護王神社
・御霊神社
・下御霊神社
・平安神宮
・銀閣寺(慈照寺)
・金閣寺(鹿苑寺)
・龍安寺
・八坂神社
・八坂神社 美御前社
・八坂神社 又旅社
・八坂神社 冠者殿社
・八坂神社 青龍
・八坂神社 祇園御霊会
・伏見稲荷大社 本殿
・伏見稲荷大社 奥社奉拝所
・伏見稲荷大社 御膳谷奉拝所
・三十三間堂
・養源院
・東福寺
・建仁寺
・南禅寺(その1)
・南禅寺(その2)
・永観堂(禅林寺)
・北野天満宮
・北野天満宮 宝刀展限定「鬼切丸」
・大将軍八神社
・法輪寺(達磨寺)
・妙心寺
・妙心寺 退蔵院
・仁和寺
・建勲神社
・晴明神社
・御金神社
・八大神社
・豊国神社
・由岐神社
・鞍馬寺
・貴船神社
・六道珍皇寺
・六道珍皇寺 六道まいり
・六波羅蜜寺 都七福神
・安井金比羅宮
・知恩院 徳川家康公四百回忌
・青蓮院門跡
・青蓮院門跡 近畿三十六不動尊霊場
・粟田神社
・鍛冶神社(粟田神社末社)
・東寺
・上賀茂神社(賀茂別雷神社)
・大徳寺 本坊
・大徳寺 高桐院
・今宮神社
・妙顯寺
・三千院 御本尊
・三千院 西国薬師四十九霊場第四十五番
・三千院 聖観音
・実光院
・勝林院
・宝泉院
・寂光院
・宝厳院
・大覚寺
・清涼寺
・祇王寺
・化野念仏寺
・落柿舎
・城南宮
・飛行神社
・石清水八幡宮
・岡崎神社
・長岡天満宮
・平野神社
・法金剛院
・高台寺
・清水寺
・宝蔵寺 阿弥陀如来
・宝蔵寺 伊藤若冲
・勝林寺
・平等院 鳳凰堂
・宇治神社
・宇治上神社
・智恩寺
・元伊勢籠神社
・眞名井神社
・梅宮大社
・錦天満宮
・藤森神社(あじさい祭り限定)
・智積院
・御香宮神社
・神護寺
・西明寺
・高山寺

【奈良】
・唐招提寺
・薬師寺 御本尊
・薬師寺 玄奘三蔵
・薬師寺 吉祥天女
・薬師寺 水煙降臨
・東大寺 大仏殿
・東大寺 華厳
・東大寺 二月堂
・春日大社 ノーマル
・春日大社 第六十次式年造替
・興福寺 今興福力
・興福寺 南円堂
・如意輪寺
・吉水神社
・勝手神社
・金峯山寺
・吉野水分神社
・金峯神社
・法隆寺
・法隆寺 西円堂
・中宮寺
・法輪寺
・法起寺
・元興寺
・橿原神宮
・橘寺
・飛鳥寺
・飛鳥坐神社
・般若寺

【和歌山】
・金剛峯寺
・金剛峯寺 六波羅蜜
・高野山 金堂・根本大塔
・高野山 奥之院
・高野山 女人堂
・高野山 徳川家霊台
・高野山 南院(波切不動尊)
・熊野那智大社
・青岸渡寺
・飛瀧神社
・伊太祁曽神社
・國懸神宮
・紀三井寺

【滋賀】
・比叡山延暦寺 文殊楼
・比叡山延暦寺 根本中堂
・比叡山延暦寺 大講堂
・比叡山延暦寺 阿弥陀堂
・比叡山延暦寺 法華総持院東塔
・比叡山延暦寺 釈迦堂
・比叡山延暦寺 横川中堂
・比叡山延暦寺 四季講堂(元三大師堂)
・三尾神社
・三井寺 金堂
・三井寺 黄不動明王
・近江神宮
・滋賀縣護國神社

【兵庫】
・生田神社
・廣田神社
・西宮神社
・湊川神社
・走水神社
・千姫天満宮
・男山八幡宮
・水尾神社
・兵庫縣姫路護國神社
・播磨国総社 射楯兵主神社
・甲子園素盞嗚神社
・北野天満神社

【岡山】
・吉備津神社
・吉備津彦神社

【鳥取】
・白兎神社
・宇倍神社
・聖神社
・鳥取東照宮(樗谿神社)

【広島】
・吉備津神社
・素盞嗚神社
・草戸稲荷神社
・明王院
・出雲大社 福山分社
・沼名前神社(鞆祇園宮)
・福禅寺(対潮楼)
・厳島神社
・大願寺
・千光寺
・艮神社

【徳島】
・大麻比古神社

【福岡】
・太宰府天満宮
・筥崎宮(筥崎八幡宮)
・住吉神社

【沖縄】
・波上宮

■朱印帳■
・京都五社めぐり
・高野山 開創1200年記念霊木朱印帳
・平安神宮 御朱印帳
・全国一の宮御朱印帳
・住吉大社 御朱印帳
・建仁寺 御朱印帳
・今戸神社 御朱印帳
・大将軍八神社 御朱印帳
・晴明神社 御朱印帳
・東寺 御朱印帳
・明治神宮 御朱印帳
・大阪市交通局 オオサカご利益めぐり御朱印帳
・北野天満宮「宝刀展」記念朱印帳
・熊野那智大社 御朱印帳

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2016年の水樹奈々さん
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