読み終わったミステリについてコメント。でも最近は脇道にそれぎみ。 このブログは水樹奈々さんを応援しています。

映画「マスカレード・ナイト」 


映画『マスカレード・ナイト』公式サイト
https://masquerade-night.jp/


★★★☆☆



 【内容紹介】

 ある日、警察に匿名の密告状が届く。それはホテル・コルテシア東京で大みそかに開催されるカウントダウンパーティー“マスカレード・ナイト”に、数日前に起きた殺人事件の犯人が現れるというものだった。パーティー当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した刑事・新田浩介(木村拓哉)は、優秀なホテルマン・山岸尚美(長澤まさみ)の協力を得て任務に当たる。しかし、500人の招待客は全員仮装し顔を仮面で隠しており、二人は殺人犯の特定に苦戦する。






 泣く子も黙る東野圭吾ミステリーの映画化です。
 ホテル・コルテシア東京を舞台にした「マスカレード・ホテル」シリーズの映画化第二弾で、原作で言うとシリーズ第三作目を映画化したものです。原作の第二作目は、新田と山岸が出会う前を描いた「エピソード0」という位置づけのため、後回しにされたのでしょう。
 前作『マスカレード・ホテル』が意外と面白かったので、今回は映画館に足を運んでみることにしました。

 「ホテルに来るお客様はみんな仮面をかぶっている」という前提のもと、客のプライバシーは執拗に詮索しないのがホテルマンの鉄則だそうですが、その「仮面」をかぶった客の中から犯人を特定する基本構成は前作同様でありながら、本作では物理的に仮面をかぶった客が容疑者のため、犯人の特定は前作以上に困難を極めます。
 刑事の新田と、ホテルマンの山岸の、凸凹でありながら二人合わされば完全な形となるバディは本作でも楽しく見れます。事件とは関係なく、新田と山岸コンビに水を差すようなホテルマンの登場によって、一波乱あるのも刺激的で、はやくもマンネリ回避になっているのも工夫されていると思います。

 作中で数多くのお客様がホテルにやってきて、それぞれが内に秘めたる事情を持っているため、物語としてはなかなか分厚いものになっています。仮想パーティが始まる午後11時をリミットとして、新田たちは犯人特定のため奔走するわけですが、11時が近づくにつれて、その「お客様」たちが全員、続々とレッドヘリングとして泳ぎだすのが、物語の盛り上がりを加速させます。
 ただ、その容疑者たちの中で、ひときわ目立った泳ぎ方をする(早い段階から犯人候補として刑事たちから目をつけられている)レッドヘリングがいるのですが、結局「犯人に○○されていただけ」という真相に落ち着いてしまうのはミステリのネタとして少し安直に思います。また、ミステリ全体と方向性として、関係者が「恐喝されていた」あるいは「恐喝していた」という考えが、仮説段階あるいは真相段階において幅を効かせているのも動機の面としては安直なのではないかと思いました。「恐喝万能説」とでもいうほど都合よく動機が処理されていってしまいます。

 新田(キムタク)と山岸(長澤まさみ)のバディは、ミステリ的にも美男美女の絵的にも良いと思うし、ホテルの内部をメインステージとした舞台構成と、「ホテルに宿泊されるお客様」というクローズドサークル的な容疑者囲い込みは、これは作者の発明だと思うし、ミステリとしての見どころは多いです。一方で、そういった「器」に盛られたミステリの趣向(ハウダニットは考慮外としても、フーダニットやホワイダニット)はいま一歩という感じもします。
 フーダニットについては「名犯人」という点では前作以上に評価できます。犯人役をされている俳優さんの演技が抜群に上手いため、新田に犯人として告発されたのを機に態度が豹変する姿は、まさに犯人が「仮面」を剥ぎ取られた瞬間です。空気が変わる瞬間は映像ならではの見どころです。

 そうそう、明石家さんまが本作で友情出演しているのですが、友情出演と言う割に視聴者に悪い意味でインパクトを残すような出演の仕方をしているのが個人的には嫌でした。もはや老害の域。
スポンサーサイト



[ 2021/09/20 22:49 ] 【映像】 | TB(0) | CM(0)

澤村伊智「邪教の子」 

邪教の子邪教の子
2021/8/24

澤村 伊智

商品詳細を見る

★★★☆☆



 【内容紹介】

 この家はまともな場所ではない。ここは邪教の巣だ。だから私たちは彼女を救い出す。『ぼぎわんが、来る』の気鋭がニュータウンを舞台に描く、戦慄のサスペンススリラー。




 ホラー畑で有名な澤村伊智氏の新作で、本作についてはこれまでのように超自然的な怪異が描かれている訳ではなく、カルト教団の恐ろしさを描いた作品です。
 二部構成のプロットが贅沢で、中盤に一捻り加えてくるのが面白いです。知らず知らずのうちに騙されてしまうミステリの魅力を、知らず知らずのうちにカルト教団に絡め取られてしまう恐怖とに重ねて描いているがの上手いです。
 前半で描かれる飯田茜救出の物語と、後半で描かれる「大地の民」への潜入の物語は、いずれも視点を変えると世界が変わって見えてくる趣向が共通しており、ミステリとしての仕掛けは単純でありながら、単純だからこそ「ハマってしまった時」のサプライズは強大です。ただ趣向の方向性が前半後半で似たりよったりのため、個人的には前半が終わった時に打ち込まれたジャブが、終盤の仕掛けを示唆してしまっているように思えます。ラストのサプライズについては「でしょうね」で終わってしまってさほど驚けません。

 ホラー作家だけあってリーダビリティは異様に高く、本作のようなミステリを書いた際にはやはり「強い」ですね。
 帯の「驚愕」という文字に目が奪われがちですが、ミステリの趣向としては飛び越えたハードルは高くなく、前衛的なことをしているわけではありませんが、リーダビリティが高いので全然読ませます。プロットも工夫されていて、エンタメ小説としては面白く読めました。

 宗教とは違いますが、女性を監禁から救う展開は、なんとなく我孫子武丸氏の『修羅の家』を思い出しました。「驚愕」「戦慄」という点では我孫子氏のほうが上です。
[ 2021/09/14 00:13 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

映画「オールド」 

377442_001.jpg
映画『オールド』公式サイト
https://old-movie.jp/


★★★☆☆



 【内容紹介】

 バカンスを過ごすため美しいビーチを訪れ、それぞれに楽しいひと時を過ごすキャパ一家。そのうち息子のトレントの姿が見えなくなり、捜してみると彼は6歳の子供から青年(アレックス・ウルフ)へと成長した姿で現れ、11歳の娘マドックスも大人の女性(トーマシン・マッケンジー)に変貌していた。不可解な事態に困惑する一家は、それぞれが急速に年老いていることに気付く。しかしビーチから逃げようとすると意識を失なってしまい、彼らは謎めいた空間から脱出できなくなる。






 『シックス・センス』や『アンブレイカブル』三部作でおなじみのM・ナイト・シャマラン監督によるサバイバルスリラーです。
 シャマラン監督の映画は、この自粛期間中に何作か観てきて、比較的面白いものばかりだったので今回の新作『オールド』は映画館に足を運んでみました。

 そこにいるだけで急激に歳を取ってしまう不思議なビーチが舞台となります。
 このシチュエーションだけで思わず観てしまいたくなるような作品で、ホラーテイストの劇場版予告と相まって、個人的に見る前から心を鷲掴みにされました。
 さっきまで小学生だった息子と娘が、目を離した隙にティーン・エイジャーになってしまっていて「お前らだれやねん」というツッコミが聞こえてきそうなほど呆然とする両親の表情が印象的です。
 「スタンド攻撃を受けているッ!」という表現がまさにぴったりで、感覚としては『ジョジョの奇妙な冒険』第5部のプロシュート兄貴のスタンド攻撃と同じです。しかし本作の場合基本的に回避方法がなく(発見できず)、成すすべなく自滅を待つという展開が絶望感を煽っていて面白いです。

 本作で描かれる老化を進める超常現象については、科学的なメカニズムが一応あって終盤に説明がされます。ホラー方向に振れるのであれば理由付けは無くても良いのではないかと思ったものの、原因があり理屈があるから頭で考えて回避策を取れるのであって、こういうエンディングに持っていくのには、やはり訳分からんなりにもメカニズムの説明は必要か、と観終わって考えを改めました。
 ビーチに招かれた観光客に持病持ちが多いことにも必然性があり、「行きはよいよい帰りは怖い」的に入ったは良いが戻ることができない不可逆性も理屈で説明されたり、高台からビーチが観察されている理由なども最後に明らかになったり、謎に対して理屈で説明が行われる展開は極めてミステリ的ですが、最終話で明かされるオチについては2021年の映画でこのオチかい、と期待しないほうが良いレベルです。つまりミステリ的な手続きで進む映画ではあるものの、『シックス・センス』や『アンブレイカブル』のような、当時誰もが驚いたような大きなラストサプライズには期待しないほうが良いです。

 とはいえそれでも面白く観れたと思います。
 物語の大部分が閉ざされたビーチで展開し、不可解な現象の中で、パニックになりながらも個々人がとる行動が見事に描かれているため「密室劇」的な面白さもある作品です。

[ 2021/09/12 23:46 ] 【映像】 | TB(0) | CM(0)

ニンテンドースイッチを買いました。 

C01A9630-3.jpg



 ニンテンドースイッチを買いました。
 新型コロナウイルスの影響で2020年から自粛期間が続く中、家でゲームでもやろうと思って、じつは昨年に購入を検討していたのですが、全然在庫がなくて結局買えずじまい。
 昨年はヨドバシやビックカメラ、イオンモールやゲオなどで抽選予約に応募しまくった末、根こそぎ落選したので、もう良いやと思って諦めていたのですが、最近ふと気になってヨドバシカメラのホームページを覗いてみると在庫は潤沢。ようやく手に入れることができました。

 厳密に言えばニンテンドースイッチではなく、購入したのはニンテンドースイッチライトです。携帯モードでしか遊べない廉価版ですが、個人的にはたぶんガッツリはやらないので「ライト」にしてみました。
 ネットの情報を見ると、「ライトは二台目にすべき。」「まずはTV出力できるスイッチを買うべき」「ボタンが潰れたら終わり」「要はライトを買うやつは情弱」という意見が過半を占めているのですが、昔みたいにゲームに対して熱は無いのでとりあえず流行りものをやってみようという感覚です。
 もはや二周遅れを通り越して三周遅れ状態で、当初『あつまれ どうぶつの森』が無性にプレイしたかったのですが、結局その熱も冷めてしまったので、ソフトは買っていません。

 スイッチが出てからもう4年ほど経つので、初期に出たソフトの評価も概ね固まっているものが多くて、ひとまず評価の高い

 『スーパーマリオオデッセイ』
 『マリオカート8 デラックス』
 『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』


 を購入した上で、個人的に遊んでみたかった

 『戦国無双5』
 『クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』~おわらない七日間の旅~』


 の2本と、夏休みにセールがかかっていた、昔出た『FINAL FANTASY IX』をダウンロードしてみました。

 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』はボリュームがありそうで、プレイしているうちに飽きそうな予感がしたので、評価は高いもののひとまず後回しです。


C01A9632.jpg



 それからアミーボというフィギュアも買ってみました。これをニンテンドースイッチにタッチすると、ゲーム内でお得な特典が得られるらしい。


2021090301432500_s2.jpg



 まあ、任天堂のゲーム機なんだから、まずは「マリオ」だろうと思って『スーパーマリオオデッセイ』をクリアしました。
 オリンピックでも話題ですしね。

 よくよく考えてみたら、「スーパーマリオ」はファミコンの「3」以来です。
 程よく歯ごたえのある難易度が良く、むかしにくらべて非常にカジュアルになっている印象です。
 やっぱりワールドワイドのコンテンツのためか、舞台も世界の国々を旅行するスタイルで楽しい。マップが旅行パンフレットみたいになっているのが良いですね。あるステージが「和」を全面に押し出しているのもそんな感じがしたし、思わず笑っていました。


2021090822115500_s2.jpg



 アクションは結構難易度が高いな、と思ったものの、ファミコンの頃のマリオも決して初見時は優しくなかったことを思い出します。
 ラスボスのクッパについても、攻撃は結構苛烈でありながら、リズムやパターンを覚えれば攻略が容易で、「よく考えて作ってあるなー」と感心してしまいます。


2021080810510700_s2.jpg



 『マリオカート8 デラックス』もナンバリングタイトルのようですが、スーパーファミコンの「マリオカート」以来です。
 スーパーファミコンで使っていたドリフトなどのテクニックは引き続き使えるようで、25年くらいのスランプがある割には結構戦えています。
 走っていると逆さまになったり枝分かれに継ぐ枝分かれがあったりと、コースが格段にレベルアップしていて、走るだけでも楽しいです。


2021071723400000_s2.jpg

2021072001374100_s2.jpg



 『クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』~おわらない七日間の旅~』もクリアしました。

 『ぼくのなつやすみ』のクレヨンしんちゃん版で「オラ夏」という愛称で親しまれているようです。
 一週間を繰り替えすスタイルで、ゲットできる昆虫や魚なども「ぼくなつ」よりは少なく、比較するとボリュームは少なめ。
 しかし、タイムループやタイムトラベルといったSF要素が盛り込まれていいるので「クレヨンしんちゃん」らしさは大きく、「ぼくなつ」との差別化は上手く出来ている感じです。
 個人的にはボリュームはこれくらいで全然良いです。クリアまで短い=つまらないの図式は成り立たないと思います。


2021073002385000_s2.jpg

2021080400130700_s2.jpg



 今攻略中なのが『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』です。

 これは本当にやばいゲームで、ハマりだしたら時間があっという間に過ぎます。
 当面の目標が与えられ、その目標を達成すると次に行ける、という流れなのですが、回り道をしだすとキリがなく、自由に建築できてしまうのがヤバい。
 なにもない空間に放り出されて「さあ好きにやりなさい」ではなくて、「あんな事やこんな事もできますよ」というヒントが息つく暇も無く次々にプレーヤーに与えられ、あれもやりたいこれもやりたい状態になります。


2021070400385800_s2.jpg



 今後は『戦国無双5』で織田信長の行く末を案じながらも


2021072500231600_s2.jpg



 やり残していた『ファイナルファンタジー9』を攻略していく予定。

 ミステリサイト管理人らしく『大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟- 』『ダンガンロンパ トリロジーパック + ハッピーダンガンロンパS 』も追々…。

[ 2021/09/10 19:21 ] 【ゲーム】 | TB(0) | CM(0)

白井智之「死体の汁を啜れ」 

死体の汁を啜れ死体の汁を啜れ
2021/8/30
白井 智之

商品詳細を見る

★★★★☆



 【内容紹介】

 この街では、なぜか人がよく殺される。
 小さな港町、牟黒市。殺人事件の発生率は、南アフリカのケープタウンと同じくらい。
 豚の頭をかぶった死体。頭と手足を切断された死体。
 胃袋が破裂した死体。死体の腹の中の死体……。
 事件の謎を追うのは、推理作家、悪徳刑事、女子高生、そして深夜ラジオ好きのやくざ。
 前代未聞の死体から始まる、新時代の本格ミステリ!




 連作短編集で、トリック一発勝負のものから緻密(!?)な犯行計画を描いたものまでバラエティに富んでいます。
 しかし連作短編集ということもあって、死体損壊の暴力が描かれる点はどの短編も共通しており、全体を覆う雰囲気は決して穏やかではありません。しかし、登場人物たちの頭のネジが飛んでいるのか、アンモラルなブラックユーモアに覆われているのも事実で、決して暗澹たる雰囲気になっていないのが作者らしいところです。
 死体損壊については、豚の頭を死体にかぶせたり、母親の贓物を食らった息子の死体がその母親の腹の中に収まっている、など筆舌に尽くし難い物が多くあり、ギャグなのかホラーなのか、異様な味わいがあります。

 トリックに比重の置かれた短編ばかりなのが個人的に好感触で、いずれも読者の想像を絶するものばかりです。開幕早々の「豚の顔をした死体」は読者の盲点を突く犯行現場、「何もない死体」の推理を重ねるごとに様相を変化させる密室トリック、「折り畳まれた死体」の消去法推理によるフーダニットと意外な(?)犯人、「死体の中の死体」や「生きている死体」のフーダニットなどが個人的に印象的で、いずれも執筆にはエネルギーが費やされたと思しき重量級のネタです。それゆえに短編であるのが少しもったいないような気もします。トリを飾る「生きている死体」の後日談も、決して笑えるようなオチではないものの、本書にあってはもはや笑っとくしかない、とでもいうような連作短編集としてはなかなか綺麗な幕切れだと思います。

 どの短編もボリュームは決して大きくないのですが、むせ返るような死臭がすさまじいので、読み終わった後はついついマンゴーソーダでも飲んで落ち着こう、という気にもなります。
 作者のカラーが全面に出た良短編集です。「へんてこな死体」というガワばかりで無く、本格ミステリとしての中身も一級品です。心配ご無用!

[ 2021/09/08 21:32 ] 白井智之 | TB(0) | CM(0)

映画「トゥモロー・ウォー」 

トゥモロー・ウォートゥモロー・ウォー

2時間18分
2021
監督 クリス・マッケイ
出演 クリス・プラット, J・K・シモンズ, イヴォンヌ・ストラホフスキー

商品詳細を見る

★★★★☆



 【内容紹介】

 タイムトラベラー達が緊急のメッセージを届けに2051年からやってきた。その内容は今から30年後の未来、人類はエイリアンとの戦争に敗れるというものだった。人類が生き残る唯一の希望は、今、ここにいる兵士や民間人を未来へ送り込み戦いに参加させること。娘のために世界を救うことを決意したダン・フォレスターは、地球の運命を書き換えるため、優秀な科学者と疎遠になっていた父親と結束し戦いに挑む。






 本作は映画館などで放映された映画ではなくて、アマゾンオリジナル作品として、アマゾンプライム限定で配信されている作品なのだそうです。アマゾンが映画を作ったらしい!すげえ!
 アマゾンプライム会員は追加料金無しで無料で見れる一方で、ネットフリックスなどの他のサブスク会員は観れないという仕様らしい。
 割とよく「ネットフリックス限定配信!」などは聞いたことがあるのですが、アマゾンでもこういう作品があるんだなー、と最近の流行り物に疎くなってしまったわたしも興味深く視聴してみました。

 以前TVか何かで、こういうサブスクオリジナル作品というのは、ビッグデータを利用してユーザーの需要に応えるような作品が作られている、と聞いたことがあるのですが、確かにそういう視点で観てみると、本作も人類を地球外生命体から救う展開は『インデペンデンス・デイ』っぽいし、未来のビル内で戦々恐々となって敵の存在に怯える様子は『エイリアン』っぽいし、人類滅亡の戦争の救いを過去(現在)に求めるのは『ターミネーター』っぽいし…と、過去の有名娯楽映画から旨味のある要素を抽出して出来上がったのが本作、という印象を受けます。
 じゃあつまんなかったのかというとそうでもなくて、こういう災害やエイリアンから人類の滅亡を守るようなSF作品は個人的に大好物なので全然楽しく観れました。本格ミステリの「嵐の山荘もの」パターンの作品は何回読んでも楽しめるのと一緒です。アマゾンのユーザーレビューでもありましたが、良くも悪くも「僕の考えた最強のSF映画」にはなっていて、時に手に汗握り、時に感動し、と夢中になれます。

 娘から父へ、父から祖父へ、と想いが受け継がれる展開は感動的です。
 過去の娘パート、現代の父親パートと時代が交代し、大きく場面転換して物語が進む展開も大作感があって見ごたえがあります。

 30年後の地球で、各国の国旗が並ぶシーン(おそらく今で言うG7の主要七カ国)で、日本国旗が無くて韓国国旗がある、というツッコミがアマゾンレビューで多く見られたので見返してみると、確かにそうで、この30年で日本は滅亡でもしたのか、と日本人視聴者としては気分は良くありません。
 一方でこういう細部の作り込みの甘さやいい加減さは国旗以外に観られ、30年後の部隊が今とおんなじ武器を使ってエイリアンと戦っていたりして、さすがに30年ではそこまで技術の進歩はないか、とは思ったもののフィクションなのだからもう少し未来感出しても良かったのではないかと思ったし、終盤において「人類の切り札」の使い所に困って無理矢理ストーリーに組み込んだとしか思えない展開になってしまっていたり、前半でも「爆撃の中止はできません!」などは結局映画を盛り上げるためのストーリー展開だろ、と違和感というか突っ掛かりを覚える場面は結構ありました。

[ 2021/09/05 19:42 ] 【映像】 | TB(0) | CM(0)

大島清昭「影踏亭の怪談」 

影踏亭の怪談影踏亭の怪談
2021/8/24

大島 清昭

商品詳細を見る

★★★★☆



 【内容紹介】

 僕の姉は実話怪談作家だ。本名をもじった「呻木叫子」というふざけた筆名で、民俗学でのフィールドワークの経験を生かしたルポルタージュ形式で作品を発表している。そんな姉が年明け、瞼を縫い合わされ束縛された状態で密室から発見された。彼女が調べていた、ある宿屋で起きる怪異との関連を疑った僕は、件の宿〈影踏亭〉へ足を運ぶが、そこでなんと密室殺人が起きてしまう。第17回ミステリーズ! 新人賞受賞の新鋭が贈る本格×怪談ミステリ。




 第17回ミステリーズ!新人賞受賞作「影踏亭の怪談」を含む全四篇から成る連作短編集です。
 怪談作家の呻木叫子という女性がシリーズ探偵の役目を務めており、作家業のための取材中にでくわした怪異を描いています。怪異といっても、ミステリーズ!新人賞受賞作だけあって、収録作はいずれも本格指数が高く、密室殺人が乱発するのが特徴です。
 謎解きについても論理的推理によって解決まで導く作品ばかりなのですが、その道程の中の一点において理詰めの思考が追いつかない部分があり、その暗部の「なぜ?」が発覚するクライマックスが怪談小説としての恐怖を増大しています。犯行動機や登場人物が行動に移るキッカケに怪異が絡んでくるケースが基本のようで、手がかりを元に理詰めで謎解きを行うハウダニットやフーダニットといった本格ミステリパートと喧嘩せずに、上手い具合にバランスを取っている印象です。
 本書の魅力である「怪談」についても、読者を怖がらせるために無秩序に恐怖を散発しているわけではなく、恐怖には恐怖の秩序があり、あるひとつのキッカケがもとで数多の「怪談」が発生していることが判明する最終話には、怪談小説でありながら本格ミステリ特有のパズルのピースが当て嵌まっていく快感があり面白く読みました。

 怪談スポットに赴いた事件関係者の目の前で怪異が発生し、人が消え負傷者が出るような、リアルタイムで発生する謎の演出は高ポイントです。
 一方で、本格ミステリのトリック(主に密室トリック)については、そういった素晴らしい演出に比べて、全体的にいま一歩なのが残念です。
 ネタ(トリック)は普通か若干イマイチですが、演出と、本格ミステリ×怪談小説という料理の仕方が抜群に上手いので、全体としては満足度の高い作品集になっています。

[ 2021/09/05 00:10 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

「大坂の陣」決戦の舞台!日本三名城のひとつ大阪城攻城の旅 

C01A9819.jpg
大阪城




 こんにちは!
 管理人のウイスキーぼんぼんです。

 大阪城(正確には大坂城)を攻城しました。
 「大坂冬の陣」と「大坂夏の陣」――いわゆる「大坂の陣」の決戦の舞台となったお城で、日本100名城のひとつに数えられるだけでなく、日本三名城の一角を成す、我が国を代表するお城です。


[ 2021/09/01 22:58 ] 【攻城】 | TB(0) | CM(0)

似鳥鶏「推理大戦」 

推理大戦推理大戦
2021/8/25
似鳥 鶏 (著)

商品詳細を見る

★★★☆☆



 【内容紹介】

 日本のある富豪が発見したという「聖遺物」。
 世界的にも貴重なその「聖遺物」を手に入れるため、世界中のカトリックそして正教会は、威信と誇りをかけ「名探偵」を探し始めた。
 いったい、なぜ?
 それは、「聖遺物争奪」のために行われる、前代未聞の「推理ゲーム」に勝利するため。
 アメリカ、ウクライナ、日本、ブラジル――。選ばれた強者たちは、全員が全員、論理という武器だけでなく「特殊能力」を所有する超人的な名探偵ばかりだった。つまり、全員が最強。しかし勝者は、たったひとりだけ。
つまり、真の名探偵も、たったひとり――。

 世界最強の名探偵は、誰だ?




 オリンピックイヤーにふさわしい作品です!
 「聖遺物」を手に入れるために、世界各国から超人的能力を持つ名探偵たちが日本に集結し、戦いを繰り広げるお話で、もうこのアイデアだけで本書は優勝でしょう。
 名探偵たちそれぞれが個性的な能力を持っていて、それだけでも面白く読めるのですが、よくよく考えてみたら、こういうアイデアって25年くらい前(!)に清涼院流水氏がJDCで先鞭をつけていたんですよね。当時は「なんじゃこりゃ」と困惑したのですが、やはり清涼院流水に時代が追いついていなかったのだ!メフィスト賞作家ではなく、鮎川賞作家がババーンとこういった作品を発表する時代が来るとは!本格シーンが様変わりしたことを感じると同時に、個人的にも随分と寛容になったことを実感してしまいます。ただ単に管理人が歳取っただけ説もありますが。

 いずれの名探偵の能力も、決して補助的なものではなくて、真犯人必中レベルのゲームバランスを壊すものばかりなのですが、その能力をもってしても真相に到達できない巧みな謎の設定と、ミスリードの巧妙さが大変よく錬られています。
 「嘘を見抜く能力」の上位互換である「やましいことを隠していることを見抜く能力」を持つ探偵が、序盤から関係者全員に対して能力を行使し、一撃必殺を試む展開がノリノリで、「いや使うの早すぎやろ。」と思わず突っ込んでしまう展開が面白いです。
 「天下一武道会」や「超人オリンピック」のようなトーナメント方式ではなくて、ひとつの事件(謎)に対して推理をぶつけ合う対戦方式のため、必然的に『毒入りチョコレート事件』的な多重推理的な面白さをはらんでいます。しかし、探偵たちが行う推理が、いずれも真相を射抜いているほどの精度でないことが、後段で否定される以前にある程度読者に分かってしまうような「いかにもなダミー推理ですね」と言う程度の強度のため、多重推理ものの割に「くつがえされる面白さ」が味わえません。というよりも、本作のトリックの性質上、探偵たちそれぞれが、おのおの違ったスタート地点――まったく異なった手がかりをもとに推理を組み上げるため、連鎖式的な推理の大きな流れやうねりを感じられないのがもったいないです。

 最終回答となる推理については、こんなんありかよ!これでイイんかい!と突っ込まずに入られませんが、稚気に溢れた本作においては絶妙な着地点のように思います。AI探偵、クロックアップ探偵、五感探偵、霊視探偵、そしてコードギアス。清涼院流水がJDCを世に問うてから25年、鮎川賞作家によって、見事に「本格ミステリ」として開花させた本書は必見です。当時清涼院流を叩きまくった読者にこそおすすめしたいです。
 探偵たちの個性が強烈なので、何らかの形でシリーズ化してほしいですね。

[ 2021/08/31 19:30 ] 似鳥鶏 | TB(0) | CM(0)
スポンサードリンク
プロフィール

ウイスキーぼんぼん

Author:ウイスキーぼんぼん

初めて読んだミステリは『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人)。以来ミステリにどっぷりハマリ中。
「SUPER GENERATION」で水樹奈々さんに興味を持ち「Astrogation」で完全にハマる。水樹奈々オフィシャルファンクラブ「S.C. NANA NET」会員。

YouTubeチャンネル(NEW!)
Twitter
食べログ
FC2プロフへ
mixi(放置中)

好きな推理作家:島田荘司ゴッド
嫁本:アトポス)
好きな歌手:水樹奈々ちゃん
嫁曲:SUPER GENERATION)
誕生日:ヘレン・マクロイとおなじ
体型:金田一耕助とおなじ

本年度のお気に入り(国内)
御朱印巡り
集めた御朱印です。
(各都道府県参拝した順)
※記事に出来ていない寺社多数です!鋭意執筆中!
※リンクが切れているものは下書き状態です。しばらくしたら公開されます。

【東京】
・靖國神社(その1)
・靖國神社(その2)
・東京大神宮
・浅草寺 御本尊
・浅草寺 浅草名所七福神
・浅草神社
・浅草神社 浅草名所七福神
・今戸神社
・明治神宮(その1)
・明治神宮(その2)
・増上寺
・烏森神社
・神田明神
・乃木神社
・上野東照宮
・波除稲荷神社
・富岡八幡宮

【神奈川】
・鶴岡八幡宮
・建長寺
・高徳院(鎌倉大仏殿)
・長谷寺

【愛知】
・熱田神宮
・一之御前神社、別宮八剣宮
・真清田神社
・大神神社
・大須観音

【大阪】
・大阪天満宮
・豊國神社
・四天王寺
・住吉大社
・坐摩神社
・法善寺
・難波八阪神社
・道明寺天満宮
・一心寺
・安居神社
・生國魂神社
・生國魂神社 干支(申)
・生國魂神社 干支(酉)
・生國魂神社 干支(戌)
・生國魂神社 干支(亥)
・生國魂神社 干支(子)
・生國魂神社 干支(丑)
・三光神社
・玉造稲荷神社
・今宮戎神社
・方違神社
・難波神社
・露天神社(お初天神)
・太融寺
・大鳥大社
・石切劔箭神社
・枚岡神社
・慈眼寺
・久安寺
・多治速比売神社

【京都】
・鈴虫寺(その1)
・鈴虫寺(その2)
・鈴虫寺(その3)
・松尾大社(その1)
・月読神社
・天龍寺
・御髪神社
・常寂光寺
・二尊院
・野宮神社
・下鴨神社(賀茂御祖神社)
・河合神社(下鴨神社摂社)
・盧山寺
・梨木神社
・白雲神社
・護王神社
・御霊神社
・下御霊神社
・平安神宮
・銀閣寺(慈照寺)
・金閣寺(鹿苑寺)
・龍安寺
・八坂神社
・八坂神社 美御前社
・八坂神社 又旅社
・八坂神社 冠者殿社
・八坂神社 青龍
・八坂神社 祇園御霊会
・伏見稲荷大社 本殿
・伏見稲荷大社 奥社奉拝所
・伏見稲荷大社 御膳谷奉拝所
・三十三間堂
・養源院
・東福寺
・建仁寺
・南禅寺(その1)
・南禅寺(その2)
・永観堂(禅林寺)
・北野天満宮
・北野天満宮 宝刀展限定「鬼切丸」
・大将軍八神社
・法輪寺(達磨寺)
・妙心寺
・妙心寺 退蔵院
・仁和寺
・建勲神社
・晴明神社
・御金神社
・八大神社
・豊国神社
・由岐神社
・鞍馬寺
・貴船神社
・六道珍皇寺
・六道珍皇寺 六道まいり
・六波羅蜜寺 都七福神
・安井金比羅宮
・知恩院 徳川家康公四百回忌
・青蓮院門跡
・青蓮院門跡 近畿三十六不動尊霊場
・粟田神社
・鍛冶神社(粟田神社末社)
・東寺
・上賀茂神社(賀茂別雷神社)
・大徳寺 本坊
・大徳寺 高桐院
・今宮神社
・妙顯寺
・三千院 御本尊
・三千院 西国薬師四十九霊場第四十五番
・三千院 聖観音
・実光院
・勝林院
・宝泉院
・寂光院
・宝厳院
・大覚寺
・清涼寺
・祇王寺
・化野念仏寺
・落柿舎
・城南宮
・飛行神社
・石清水八幡宮
・岡崎神社
・長岡天満宮
・平野神社
・法金剛院
・高台寺
・清水寺
・清水寺(西国三十三所草創1300年記念)
・宝蔵寺 阿弥陀如来
・宝蔵寺 伊藤若冲
・勝林寺
・平等院 鳳凰堂
・宇治神社
・宇治上神社
・智恩寺
・元伊勢籠神社
・眞名井神社
・梅宮大社
・錦天満宮
・藤森神社(あじさい祭り限定)
・智積院
・御香宮神社
・神護寺
・西明寺
・高山寺
・大豊神社
・三室戸寺
・吉祥院天満宮

【奈良】
・唐招提寺
・薬師寺 御本尊
・薬師寺 玄奘三蔵
・薬師寺 吉祥天女
・薬師寺 水煙降臨
・東大寺 大仏殿
・東大寺 華厳
・東大寺 二月堂
・春日大社 ノーマル
・春日大社 第六十次式年造替
・興福寺 今興福力
・興福寺 南円堂
・如意輪寺
・吉水神社
・勝手神社
・金峯山寺
・吉野水分神社
・金峯神社
・法隆寺
・法隆寺 西円堂
・中宮寺
・法輪寺
・法起寺
・元興寺
・橿原神宮
・橘寺
・飛鳥寺
・飛鳥坐神社
・般若寺

【和歌山】
・金剛峯寺
・金剛峯寺 六波羅蜜
・高野山 金堂・根本大塔
・高野山 奥之院
・高野山 女人堂
・高野山 徳川家霊台
・高野山 南院(波切不動尊)
・熊野那智大社
・青岸渡寺
・飛瀧神社
・伊太祁曽神社
・國懸神宮
・紀三井寺

【滋賀】
・比叡山延暦寺 文殊楼
・比叡山延暦寺 根本中堂
・比叡山延暦寺 大講堂
・比叡山延暦寺 阿弥陀堂
・比叡山延暦寺 法華総持院東塔
・比叡山延暦寺 釈迦堂
・比叡山延暦寺 横川中堂
・比叡山延暦寺 四季講堂(元三大師堂)
・三尾神社
・三井寺 金堂
・三井寺 黄不動明王
・近江神宮
・滋賀縣護國神社

【兵庫】
・生田神社
・廣田神社
・西宮神社
・湊川神社
・走水神社
・千姫天満宮
・男山八幡宮
・水尾神社
・兵庫縣姫路護國神社
・播磨国総社 射楯兵主神社
・甲子園素盞嗚神社
・北野天満神社

【岡山】
・吉備津神社
・吉備津彦神社

【鳥取】
・白兎神社
・宇倍神社
・聖神社
・鳥取東照宮(樗谿神社)

【広島】
・吉備津神社
・素盞嗚神社
・草戸稲荷神社
・明王院
・出雲大社 福山分社
・沼名前神社(鞆祇園宮)
・福禅寺(対潮楼)
・厳島神社
・大願寺
・千光寺
・艮神社

【徳島】
・大麻比古神社

【福岡】
・太宰府天満宮
・筥崎宮(筥崎八幡宮)
・住吉神社

【沖縄】
・波上宮

■朱印帳■
・京都五社めぐり
・高野山 開創1200年記念霊木朱印帳
・平安神宮 御朱印帳
・全国一の宮御朱印帳
・住吉大社 御朱印帳
・建仁寺 御朱印帳
・今戸神社 御朱印帳
・大将軍八神社 御朱印帳
・晴明神社 御朱印帳
・東寺 御朱印帳
・明治神宮 御朱印帳
・大阪市交通局 オオサカご利益めぐり御朱印帳
・北野天満宮「宝刀展」記念朱印帳
・熊野那智大社 御朱印帳

最新のつぶやき
2016年の水樹奈々さん
ハーイ!ハーイ! ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!